ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『プロV1 ボール』
今回の貧打爆裂レポートは、2021年2月5日に発売されたタイトリスト『プロV1 ボール』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。タイトリストの新しいボールの秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。
『プロV1』は最先端を詰め込んだツアーボールだ!
『プロV1 ボール』は、タイトリストが2021年2月5日に発売したボールです。
世界ツアー使用率No.1ゴルフボールということで、モデルチェンジしたボールについて注目が集まっています。
“より柔らかいコアとより柔らかいカバーにより、すべてのショットでさらにソフトな打感を可能にします”と紹介されているボールです。
【試打ボールスペック】
構造 3ピース
カバー 新キャストウレタン・エラストマー・カバー
コア 新配合2.0ZGコア
ディンプル 新388ディンプル
カラー ホワイト (イエローあり)
価格 オープン価格
『プロV1 ボール』は、黒いボールナンバーのほうの『プロV1 シリーズ』のボールです(『プロV1x ボール』のボールナンバーは赤)。
『プロV1シリーズ』は20年以上続くブランドです。
ツアーボールとして、糸巻きボールではなく、現在の多層ソリッドボールがメインになったのは『プロV1 ボール』が、世界中のゴルファーに認められたからです。
新しい『プロV1 ボール』のモデルチェンジはかなり大胆です。
1つ目は「新配合2.0ZGコア」です。コアはボールの飛距離性能と直結しています。新配合ということは、素材が新しくなったという意味です。新しいコアは、もっと飛ばすためのテクノロジーだと推測されます。
2つ目は、「新キャストウレタン・エラストマー・カバー」です。これも「新」が付きます。よりソフトに進化したカバーは、スピン性能を向上させるテクノロジーです。
3つ目は、「新348ディンプル」です。これも「新」が付きます。
モデルチェンジで、新しいディンプルになっても、まったくわからないボールもあります。しかし、『プロV1 ボール』は、違いがわかる人も多いと思います。僕にも、配列パターンだけではなく、ディンプルの深さも変わって見えました。
ディンプルは、弾道に直接影響するテクノロジーです。
特別な名称は付けられていないようですが、ケース層も新しくなっています。
ロングショットでの初速を上げつつ、低スピンのボールを実現するためには不可欠なテクノロジーです。
新しい『プロV1 ボール』は、最先端を詰め込んで、一から作り直したように感じさせます。
『プロV1 ボール』は、すでにツアーで何勝もしているボールで、実績を積み上げ始めています。
ツアーボールらしく、ツアーでの戦歴でも優秀さを証明しているというわけです。
『プロV1 ボール』が適応するゴルファーのヘッドスピードは全領域とされています。ツアープロだけではなく、普通のアマチュアも使用することができるのか?
コースに持ち込んで打つ前からドキドキします。
『プロV1』はスピンで止めるためのボールである!
動画を見てください。
『プロV1 ボール』で、機能とは関係ないですが、「最初に良いなぁ」と思ったのはタイトリストのロゴではなく、プロV1がプリントされたポールプリントです。ロゴの左右の矢印のデザインが長くなって、新しい『プロV1 ボール』だと一目でわかります。
パットの時に、ラインに合わせる目安にすることも可能ですし、とても良かったです。
『プロV1 ボール』をコースで試打しながらラウンドしました。
『プロV1 ボール』の打音は少し控えめの音量です。音質は低音気味です。
今までの『プロV1』を使用してきたゴルファーには、違和感があって、『プロV1 ボール』ではないと感じるかもしれません。
打ち応えは柔らかいです。市場では柔らかいボールがトレンドですが、僕のヘッドスピード(ドライバーで40メートル/秒)だと、潰れるが、潰れ切っていない感じがありました。
柔らかいボールだということはわかりますが、もっと柔らかいボールもあるので、柔らかいほうだというレベルです。
『プロV1 ボール』の飛距離性能は、飛ぶツアーボールに分類されます。間違いなく、飛ぶボールです。
特筆したいのは、タイトリストはヘッドスピード的には全領域を対象にしているとしていますが、複数の同伴者に打てもらって観察しましたが、ヘッドスピードが速いほうが、初速の増加を感じられるようです。
飛距離性能もツアーボールらしく、ハードヒッターのほうが、わかりやすい可能性があります。
ちょっと面白かったのは、ショートゲームでも柔らかさを感じることです。今までの『プロV1シリーズ』のボールは、比較的弾き感を大事にしていて、ショートゲームの打音が小気味の良い高音でしたが、新しい『プロV1 ボール』は、その特徴がかなり抑えられています。
ショートアイアンとロングレンジのアプローチでのスピン性能は、歴代の『プロV1 ボール』で第1位です。
80ヤードからウェッジで打ったボールが、グリーンが平地で固めのコンディションなのに4ヤード戻ったのです。これはすごいスピン性能です。
『プロV1 ボール』は、スピンでグリーンを攻めたいゴルファーにオススメです。
ツアーボールとして、完成度が高いのですけど、とにかく、ウェッジでのスピン性能は強力でした。
点で狙えるゴルファーは、確率的には、ヘッドスピードが速い傾向が強いと思いますが、そういう意味では『プロV1 ボール』は、ゴリゴリの硬派なボールと言えるのかもしれません。
『プロV1 ボール』は、現在のトレンドを吸収しつつ、新しい『プロV1 ボール』に進化しました。
今までの『プロV1 ボール』のファンには、少し不満が残るかもしれませんが、そのテクノロジーは確実に機能するようにできていますので、結果が出ることで、不満は消えていくと思います。
『プロV1 ボール』は、多層ソリッドボールの歴史の新しいページでも、一番上に書かれるように意識して、高い目標を掲げて開発されたという物語を感じさせるボールです。
ボールが止まらなくて困っているゴルファーは、実はたくさんいます。
『プロV1 ボール』は、そういうゴルファーを救うために生まれたボールです。一度、コースで打ってみてほしいです。