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ゴルフクラブ

ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『MAVRIK アイアン』

今回の貧打爆裂レポートは、2020年2月7日発売のキャロウェイ『MAVRIK(マーベリック)アイアン』です。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。キャロウェイの最先端を詰め込んだアイアンの秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。

『MAVRIK アイアン』は羊の皮で油断させる!

『MAVRIK アイアン』は、キャロウェイが2020年2月7日に発売したクラブです。

キャロウェイが『LOGUE(ローグ)』ブランドを廃止して、新しく作った『MAVRIK』ブランドで、3種類のアイアンの中で、最もストロングロフトのアイアンになります。7番で27度というロフトは、いわゆるぶっ飛び系です。

2019年からキャロウェイが市場投入したアイアンは、どれも、一目惚れするほどの美しさがありました。もちろん、それ以上に高機能だったことでゴルファーを喜ばせたのです。

『MAVRIK アイアン』にも大いに期待しましたが、見た目では、それまでのラインアップがウソのように普通です。一言で書くと、ごく普通のアイアンなのです。

良く書けば無骨で飾らない雰囲気ですが、トップブレードの太さなどがアメリカっぽい大雑把な感じにも見えます。

不思議に感じながら、『MAVRIK アイアン』をじっくり観察しました。

【試打クラブスペック】(7番)
ヘッド 17-4 ステンレス
フェース 17-4 ステンレス/FLASH フェースカップ(#5~#9)、17-4 ステンレス / フェースプレート(PW、AW、GW、SW)
シャフト N.S.PRO ZELOS 7(S)
ロフト #5/21度、#6/24度、#7/27度、#8/31.5度、#9/36度、PW/41度、AW/46度、GW/51度、SW/56度
価格(すべて税別) 5本セット(#6~PW)12万円、単品(#5、AW、GW、SW)2万4000円/本

最大の特徴は、AIフェースの進化です。番手別に設計されたフェースになりました。これによって、最適な反発と、ミスヒットしても距離が落ちづらい機能をフルに発揮するのです。

そして、キャロウェイの十八番である「360°カップフェース」です。フェアウェイウッドで証明されているその機能は、アイアンに搭載されても発揮されます。

「ウレタン・マイクロスフィア」は、フェースの裏に適量のウレタンを当てることで、心地の良い打感を生み出しています。

「タングステン・エナジー・コア」で、番手別にタングステンが最適な量と位置になるように調整して、理想の弾道とスピン量になるようにしています。

一見、普通に見える『MAVRIK アイアン』は、「これでもか!」という感じで機能が詰め込まれています。

キャロウェイのテクノロジーの最先端なのです。

ワクワクしながら試打しました。

出来過ぎだと感動できる『MAVRIK アイアン』!

動画を見てください。

結論から書くと、『MAVRIK アイアン』はすごいアイアンでした。

まずは、弾道の高さです。

ストロングロフトのアイアンは、ロフトを利用して飛ぶのは当たり前ですが、実際に使用してスコアアップに貢献するためには、ロフトよりも高弾道に上がって、高さでボールを止まりやすくする機能が必要です。

『MAVRIK アイアン』は、実に気持ち良く、自然に高いボールが出ます。ミドルアイアンのボールの高さは、このロフト帯のアイアンではトップレベルです。

そして、打音の良さです。

カップフェースのアイアンは、飛ぶし、優秀だけれど、打音が嫌だとこだわりを持っているゴルファーは少数ですが存在します。

『MAVRIK アイアン』は、信じられないほどに、澄んで雑味がない高音で締まった打音なのです。特に、芯に当たったときの抜け感は、目隠しされたら、キャビティーバックのアイアンではないと断言してしまうほど、完璧にチューニングされています。

音量もちょうどいいです。打つのが楽しみになります。芯に当てることに自信があるゴルファーには、この部分だけで『MAVRIK アイアン』はオススメです。

自分の腕の良さに共鳴するような快感を味わえます。

『MAVRIK アイアン』は、芯に当たると気持ちがいいのですが、芯を外したときにこそ、その威力を最大に発揮します。

少し芯を外しても、飛距離が落ちません。それどころか、当たった場所によっては、ジャストミートしたときよりも飛びます。これは、驚異的でした。

本当にやさしいアイアンが使いたいというゴルファーには、『MAVRIK アイアン』をオススメします。

さらに、『MAVRIK アイアン』は直進性能も優れています。

曲げようとしても鈍感です。大きく曲げようとすれば、曲がりますが、多少の曲がる要素はアイアンが吸収してしまいます。

『MAVRIK アイアン』で、もう一つ、興味深かったのは、距離感です。

やさしいアイアンの多くは、距離感が合わないものです。少し飛ばないように工夫しても、フルショットと同じ所まで飛んでいってしまうからです。

打ち手が求められるアイアンの技術は、飛ばないようにして距離を合わせるためのものですから、技術が活かされない、というわけです。

『MAVRIK アイアン』は、理屈はわかりませんが、自然と距離感が合うのです。最初はフルショットの距離を確認していましたが、途中からゴルファーの性(さが)でピンを狙うようになりました。ビシビシとピンに絡んでいくのにビックリしました。

見た目は、少し古い感じにすら見える『MAVRIK アイアン』は、最先端のテクノロジー過ぎて、驚くことばかりのアイアンです。

飛距離性能ばかりが目立つはずですが、僕は『MAVRIK アイアン』の完成度の高さを知ってほしいと強く願っています。

何度も何度も磨かなければ、ここまで滑らかにはならない部分や、計算され尽くした角などを、使っていると感じます。

完成度が高いアイアンは、使えば使うほど自分に馴染んでいくものです。『MAVRIK アイアン』は、そういう使い手との未来を感じさせるのです。