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ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『G425 SFT ドライバー』『G425 LST ドライバー』

今回の貧打爆裂レポートは、2020年9月18日に発売されたピンゴルフ『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』です。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。ピンゴルフの最先端のドライバーの秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。

『G425』シリーズのドライバーは、かなり個性的で面白い!

『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』は、ピンゴルフが2020年9月18日に発売したクラブです。

『G425 SFT ドライバー』は、“ヒール寄りの重心設計でつかまえて飛ばす”というコピーで、『G425 LST ドライバー』は、“445ccのシャープなヘッド 強弾道と低スピンで飛ばす”というコピーのドライバーです。

【試打クラブスペック】 『G425 LST ドライバー』
ヘッド素材 811チタン合金
フェース T9S+チタン合金/鍛造
ヘッド体積 445cc
シャフト ALTA JCB SLATE (S)
ロフト 9度(10.5度もあり)
長さ 45.75インチ
ライ角 58度
価格(税別) 7万円

【試打クラブスペック】『G425 SFT ドライバー』
ヘッド素材 811チタン合金
フェース T9S+チタン合金/鍛造
ヘッド体積 460cc
シャフト ALTA JCB SLATE (S)
ロフト 10.5度
長さ 45.75インチ
ライ角 59.5度
価格(税別) 7万円

『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』は、最新の『G425』の3種類のドライバーの内の2本です。『SFT』は、ストレート・フライト・テクノロジーの略で、『LST』は、ロー・スピン・テクノロジーの略です。

まず見た目ですが、マットブラックのヘッドです。

あまり金属感を感じさせないカラーと質感をいつの間にかピンゴルフのドライバーらしいと感じるようになりました。空力を高めるヘッドのクラウンにある出っ張りのタービュレーターもピンゴルフだと感じさせます。

『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』の共通のテクノロジーは、肉眼ではわかりませんが、ピンゴルフ独自の熱処理で生まれた高強度・極薄の「FORGED T9S+チタンフェース」です。

最大初速を生み出し、新たな飛びを可能にしているとのことです。

もう一つ、空気抵抗を軽減する「タービュレーター」と「ボーテック」です。

『G425 SFT ドライバー』の独自のテクノロジーは、名称になっている「ストレート・フライト・テクノロジー」です。ヒール寄り重心設計で、ボールが右に行くミスを防ぎます。

『G425 LST ドライバー』のテクノロジーは、ヘッドの大きさが445ccと少し小さいことと、低スピン設計で、他のドライバーよりもスピン量が約200回転程度減少することです。

もう一つは、『G425 MAX ドライバー』と同様、「ポジション可変式ウェイト」を搭載しています。スタンダード、ドロー、フェードの3つのポジションで弾道を調整できます。

ピンゴルフのクラブのユーザーは、ピンゴルフのクラブを継続的に買い換えていく傾向が強いという説がありますが、『SFT』と『LST』は、そういうケースで頼りになる目印になるドライバーです。

スライスに悩む人にとって、『SFT』はやさしく感じて、スピン量が多くて悩んでいる人には『LST』の機能に助けられる経験をして、自分はコレだ、という道しるべになるというわけです。

『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』は、それぞれに、その特性が見た目でもわかりやすくできています。

ただ、アドレスをしてみると、ちょっと待てよ、と感じました。

『G425 SFT ドライバー』は、モデルによっては極端にドロー専用のチューニングを感じることもありましたが、あまりドローが出る感じがしないのです。ストレート・フライト、ですので、真っすぐに飛んでもOKなのかもしれないと思いました。

『G425 LST ドライバー』は、445ccのシャープなヘッドが強調されていますが、そのようには感じませんでした。むしろ、445ccとは思えない大きな安心感があるヘッドだと思ったほどです。

『G425 ドライバー』は、どのドライバーも、一筋縄ではいかない雰囲気を持っています。

『SFT』と『LST』は道しるべになるドライバーである!

動画を見てください(冒頭『SFT』を『STF』と言い間違えています。ごめんなさい……)。

『G425 SFT ドライバー』で面白いのは、10.5度のロフトしかないところです。

前例がないわけではありませんが、このスペックでたくさんのゴルファーの最大公約数的に機能するということなのだと思います。

『G425 SFT ドライバー』の打音は、音量が大きめで、金属系の音質です。アメリカンな音質で気持ちが良いです。

高弾道のボールが出ます。僕は元々弾道が高いほうですが、10.5度のロフトで十分で、上がり過ぎません。

ややドローのボールが普通で打てますが、少し逃がせば、ストレートで強いボールも打てます。

打ち応えは柔らかめですが、しっかりした重みもあって、満足できます。

飛距離は、一発目から230ヤード。試打ラウンドの中で最も飛んだホールは240ヤードでした。

飛びます。『G425』の3本の中で、個人的には『G425 SFT ドライバー』が最も飛びました。

過去のモデルを含めて、『SFT』の中では最高です。個人的には今までの経験で、『MAX』か『LST』が良かったのですけど、今回は『G425 SFT ドライバー』がベストでした。

右には行かないと考えて、振り切るのが、上手く使うコツです。

変なクセがなく、右へは行きにくいドライバーを求めているゴルファーに、『G425 SFT ドライバー』はオススメします。

逆に、今まで『SFT』が合っていたゴルファーは、『MAX』を含めて検討することをオススメします。

『G425 LST ドライバー』の打音は、音量は大きめで、ほんの少し湿った金属系の音質です。

初速感が強いボールが出ます。9度のロフトですが、余裕の高弾道の棒球が出ます。

名称の通り、フェードが打ちやすいドライバーに仕上がっています。飛距離は230ヤード。トップクラスに飛ぶドライバーです。

『G425 LST ドライバー』を打っていた感じたのは、前モデルよりもやさしい、でした。ミスヒットの許容範囲が広くなったことと、少しとらえる挙動をすることが、その要因です。

カット目に打って、大きめのフェードを打とうとしても、勝手にドライバーがボールをつかまえにいって、逆球が出てしまったことが試打ラウンド中にありました。

テクニカルに使用するのではなく、『G425 LST ドライバー』はオートマチックな弾道を繰り返す使用法が合っているように感じました。

『G425 LST ドライバー』は、左にボールが行く心配をせずに打ちたいゴルファーにオススメです。

フェードが打ちやすいドライバーの多くは、かなりじゃじゃ馬的な難しさを持っているものですが、『G425 LST ドライバー』は、そういう要素がかなり薄いので、やさしさを求めるゴルファーにもオススメです。

ピンゴルフは『G400』シリーズのドライバーから始まって、実質的な2代目の『G410』まで、たくさんのゴルファーを取り込んできました。

ピンゴルフのドライバーでないとダメ、と考えるゴルファーも増えています。『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』は、良い意味で、そういうファンを裏切るドライバーです。

新しいクラブが、前のクラブと同じなら買い換える意味がないのです。

前のクラブよりも進化していると、明確に教えてくれるのが『G425 SFT ドライバー』と『G425 LST ドライバー』です。

ただし、相性のような部分で、それがプラス要素にならないケースもあります。それがドライバー選びの面白さでもあり、難しさでもあるのです。

いずれにしても、打ってみなければわかりませんので、『G425 MAX ドライバー』も含めた3本のドライバーを打ってみて、比較してほしいと思います。