ゴルフクラブ
ゴルゴル
マッスルバックアイアンとは?往年の名器と最新モデルを併せて紹介!
マッスルバックアイアンとは、別名ブレードアイアンとも呼ばれ、アイアンヘッドが1枚板のような形状をしているものを指します。昔から現在に至るまで、プロや上級者御用達のアイアンとして知られています。
最近では素材や形状が進化したアイアンが販売されて、やさしい、打ちやすいアイアンが増えてきていますが、そんな中でも、マッスルバックアイアンは昔から根強い人気を誇っています。
マッスルバックアイアンは、その美しいフォルムと研ぎ澄まされた性能で名手たちとともにゴルフの歴史を作り上げてきたと言っても過言ではありません。
そこでここでは、そんな往年のマッスルバックアイアンを紹介すると同時に、現在進行形でゴルフの歴史にその名を残そうとしている最新マッスルバックアイアンも紹介していきます。
目次
-
- 往年のマッスルバックアイアン(1)・ミズノ TN-87
- 往年のマッスルバックアイアン(2)・ダンロップ DP-201
- 往年のマッスルバックアイアン(3)・ブリヂストン Jumbo MTN III
- 往年のマッスルバックアイアン(4)・ホンマPP-737
- 往年のマッスルバックアイアン(5)・ナイキ TWフォージド(プロトタイプ)
- 最新マッスルバックアイアン(1)・テーラーメイド P7TW
- 最新マッスルバックアイアン(2)・ダンロップ スリクソン Zフォージド
- 最新マッスルバックアイアン(3)・ピン ブループリント
- 最新マッスルバックアイアン(4)・タイトリスト 620 MB
- 最新マッスルバックアイアン(5)・ミズノ ミズノプロ 120
- まとめ
往年のマッスルバックアイアン(1)・ミズノ TN-87
発売年は1988年。
TNというネーミングは、Tsuneuyki Nakajimaから。
そう、日本ゴルフ界のレジェンドの一人、中嶋常幸のイニシャルから付けられたネーミングなんです。
発売の2年前から中嶋常幸はこのプロトタイプを使っていました。
このアイアンは、打感が抜群にいいこと、操作性に優れていることが大きなメリットとして挙げられます。
しかし反面、重心距離の短さと重心の浅さのためにミスに対する許容範囲が狭くなっていました。
ミスヒットがそのままボールに直結してしまうシビアなアイアンと言えるでしょう。
往年のマッスルバックアイアン(2)・ダンロップ DP-201
構えたときの「顔」が本当にシャープで、見るものを魅了するアイアンがこのダンロップ DP-201です。
マッスルバックらしく、打球を操作する楽しみや喜びがそのまま形になったアイアンですね。
発売は1983年と先述のTN-87よりも早く発売されています。
後に発売される他メーカーのアイアンに大きな影響を与えた、ダンロップが誇るモデルです。
こちらもミスに対してシビアに影響が出る点は、往年のマッスルバックアイアンならではでしょうか。
しかし何より芯でとらえたときの打感の良さは、他のモデルと比べてもトップクラスです。
往年のマッスルバックアイアン(3)・ブリヂストン Jumbo MTN III
1983年にジャンボ尾崎プロのこだわりを詰め込んだ至高のアイアン、Jumbo MTN IIIです。
こちらは尾崎3兄弟、将司(M)、建夫(T)、直道(N)のそれぞれのイニシャルを冠して名づけられたアイアンです。
国産マッスルバックアイアンの草分け的存在ともなったこのアイアンは、アマチュアゴルファーの垂涎の品となり、大人気のモデルとなりました。
このアイアンを手にしたジャンボ尾崎は破竹の快進撃を続けていきました。
往年のマッスルバックアイアン(4)・ホンマPP-737
ミズノのTN-87と時を同じくして発売されたこのホンマのPP-737。
当時一世を風靡したこのアイアンは、日本では伊澤利光が愛用していたクラブとして知られています。
トップブレードが薄く、構えたときにシャープさを感じることができ、同時に構えやすく方向性が出しやすいことがメリットです。
高い重心で、払い打ちのようなスイングでは上手に打つことができません。しっかりとダウンブローで上からボールを叩くようにしなければボールが上がってくれません。
他の往年のマッスルバックアイアンと同じく、打感がすこぶる良く、いつまでも手に気持ちのいい感覚が残ります。
往年のマッスルバックアイアン(5)・ナイキ TWフォージド(プロトタイプ)
タイガー・ウッズと言えばマッスルバックアイアン。そして、彼の多くの勝利とともにあったのがナイキ製のマッスルバックアイアンです。
アマチュア時代にはダイワのDG-273、デビュー当時はミズノのMP-29(2~4I)、MP-14(5~PW)、次にタイトリスト(プロトタイプ)と一貫してマッスルバックアイアンを使用してきています。
2002年以降、タイガーはナイキ製のマッスルバックアイアンを使用していますが、その多くはプロトタイプとして市場に出回らなかったものです。
写真は2009年のPGAツアー時(AT&Tナショナル)のものですが、同時期に発売された「VR フォージド TW ブレードアイアン」が、タイガーがアイアンに望むデザインや機能を注ぎ込んだモデルとして数多く市場に出回っており、現在でも中古市場で入手することができます。
最新マッスルバックアイアン(1)・テーラーメイド P7TW
そしてこちらが、タイガー・ウッズがナイキからテーラーメイドに移籍した直後となる2019年のマスターズ制覇に大きく貢献した、現在使用中のアイアン(トップ画像)のレプリカモデルです(数量限定販売)。
タイガーの好みのヘッドシェイプであることはもちろん、S25C軟鉄鍛造ヘッドにタングステンウェイトを内蔵することで、タイガーが求める理想的な打感・打音・操作性を実現しています。
同社独自のミルドグラインド製法をアイアンに初めて採用し、精度の高いヘッドの製作を可能にしています。
最新マッスルバックアイアン(2)・ダンロップ スリクソン Zフォージド
一方、日本の雄・松山英樹が愛用するのが、ダンロップのスリクソン Zフォージドです。
「アイアンを使用したいから同社と契約しているのでは?」と一部でささやかれるくらい、松山が同社のアイアンに信頼を置いているであろうことは、彼自身が世界屈指のショットメーカーと評されるところからも感じられます。
そのZフォージドは、アイアンに使用される軟鉄としては最も軟らかいと言われるS20Cを採用し、ゴルファーの繊細なフィーリングに応える打感と操作性を実現しています。
卓越したスピンコントロール性を誇る番手別の彫刻溝を採用し、ダウンブローに打ち込んでも抜群の抜けを誇るV形状のソールで、ピンポイントにターゲットを打ち抜きます。
最新マッスルバックアイアン(3)・ピン ブループリント
“forgiveness(フォーギブネス=寛容性・やさしさ)”を求めるクラブ作りを信条としていたピンが、契約ツアープロたちの意見を取り入れて開発したという、同社史上初の鍛造マッスルバックアイアンがこのブループリント。
“青写真”という言葉の意味通り、頭の中に思い描いた弾道を実現するための8620カーボンスチール製コンパクトヘッドが、ツアープロの要求する操作性と心地よい打感を生み出しています。
最新マッスルバックアイアン(4)・タイトリスト 620 MB
長年にわたってツアーでの高い使用率を誇るのが、タイトリストのマッスルバックアイアン。
その名も“PURE MUSCLE(ピュア マッスル)”。
伝統的な形状を受け継ぎながら、常にツアーからのフィードバックを取り入れ続けているため、ヘッドシェイプやブレードの長さ、ソール形状などが、現在、世界最高峰の舞台で戦うツアープレーヤーたちに最適化されたアイアンになっていると言えるでしょう。
最新マッスルバックアイアン(5)・ミズノ ミズノプロ 120
タイトリストと並んで、世界的に高評価を得ているマッスルバックアイアンが、日本のミズノです。
なかでも「MP」と呼ばれるミズノプロシリーズは、長い間多くのアイアンの名手たちによって使われ続け、勝利を重ねてきています。
その最新モデルとなるのが、ミズノプロ 120です。
番手別に施された逆テーパーブレード設計により、シャープな顔つきとソリッドな打感を実現しています。
また、ロング・ミドルアイアンでは重心を低く、ショートアイアンでは重心を高く設計することで、番手別に理想の弾道と打ちやすさ、コントロール性能を向上させています。
まとめ
ある程度のヘッドスピードや技量がないと打ちこなすことが難しいと言われるマッスルバックアイアン。
しかし、とろけるような極上の打感や、球筋を意のままに操ることのできる操作性など、一度味わったら後戻りができなくなりそうな魅力にあふれているのもまた、マッスルバックアイアンなのです。
最近のマッスルバックアイアンは重心位置も昔のモデルよりも下がってきており、以前ほど難しくなくなってきたとも言われています。
また、シャフトのラインアップも豊富になってきているので、自身の体力や技量にあったシャフトのアイアンなら、ある程度スイングができている人なら使うことができるでしょう。
現在すでに上級者となっている人はもちろん、これから技術的に向上していきたい人も、ぜひ一度マッスルバックアイアンを試してみてはいかがでしょうか。
きっと、練習すればするほど、ラウンドすればするほど、あなたの意志に従順に応えてくれる頼もしい相棒に育ってくれることでしょう。