ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『TW-X ボール』
今回の貧打爆裂レポートは、2018年11月に本間ゴルフから発売された『TW-X ボール』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。史上最高のツアーボールという噂は本当か? 動画も含めてレポートします。
素直に使ってみれば高性能が理解できる『TW-X ボール』!
『TW-X ボール』は本間ゴルフがツアーボールを作っているということがゴルファーに浸透していない現状を打破するために総力を結集して開発し、市場に投入したツアーボールです。
2018年の11月末に登場してから、熱心なゴルファーの一部にファンを獲得しているようです。
正直に告白しますが、この手の「総力を結集したボール」という物語はあまりに多くて、信用できなくなっていました。
『TW-X ボール』に関しても、ありふれた話で、本当に強力なツアーボールが開発できたとは思えなかったのです。
しかし、ゴルフ仲間の数名が『TW-X ボール』を使い出して、一緒にラウンドしたときに「あれ?」と思うことがあったのです。
本人の努力ではなく、用具の実力で、良い結果が出ているシーンが複数ありました。突き詰めていくと、ボールが良いんだ、と確信したのです。
百聞は一見にしかず。早速、『TW-X ボール』を試打してみることにしました。
最初に感じたのは、HONMAのロゴが大きめで、モグラマークがかわいいということでした。
ディンプルは326個で、4種類の大きさと深さが違うディンプルを組み合わせてびっしりと並んでいます。この部分は、最先端を感じさせる要素です。
カバーの素材はウレタンで、表面の質感もツルツルし過ぎていないことが、ツアーボールとして期待させます。
パターマットでボールを打ってみましたが、少し懐かしい感じがしました。
ツアーボールの定番となっている高音の打音よりも、打音は低めです。
響きは良いのですが、糸巻きボール時代のボールのように感じました。そこが結果オーライではなく、狙って調整したものだとしたら、なかなか興味深いことです。
飛ぶツアーボールが邪道だとは思わない
動画を見てください。
『TW-X ボール』は、ツアーボールの中でもトップレベルの飛距離性能を誇っています。
飛距離が出過ぎるので、ディタンス系のボールだと誤解しているゴルファーもいるようです。
実際に、ヘッドスピード40メートル/秒の僕がドライバーで打ったボールは、最高で250ヤード、最低でも220ヤード飛びました。
また、アイアンも半番手は言い過ぎですが、4ヤード平均ぐらい飛びます。
ツアーボールに飛距離性能は不要だという考え方もわかりますが、いわゆる低スピンを利用した飛距離性能は使いようです。
使用している用具との相性もあるとは思いますが、個人的には飛距離は歓迎しても良いと考えています。
打音はしっかりしています。やや低めの音質で、音量もおとなしめです。
打ち応えは、フェースに乗るような柔らかさがあります。潰れている感触がありながら、芯も感じさせます。これは珍しいチューニングですので、意外でした。
ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティーは、中高弾道で棒球です。
アイアンのスピン性能はツアーボールとしてはギリギリの合格点で、グリーンで止まる最低限のスピンはかかるようになります。
ショートアイアンでは十分にスピンがかかります。面白いのは、アプローチのときです。
急にスピンが強くなるのです。ちょっと慣れが必要なぐらいに急にスピンのかかりが良くなる境界線があります。
『TW-X ボール』は、ツアーボールとして十分な性能を持っています。個性的だという意味でも、本当に面白いボールです。
強いて最後まで触れませんでしたが、ツアーボールとしては市場で売られているものの中で、最も安い価格帯のボールになるのです。
コストパフォーマンスを考慮すると、日本一、いや、世界一だと評価するゴルファーが『TW-X ボール』のファンになるのが理解できました。
『TW-X ボール』は、いわゆる上級者だけではなく、あらゆるレベルのゴルファーにオススメです。
糸巻きボールを知っているオールドゴルファーにも使ってみてほしいです。
ボールをたくさんなくしてしまうので、ツアーボールなんてもったいないというゴルファーは少なくありません。
そういうゴルファーにも、ボールが一番使用回数が多い重要な用具だということを再確認する意味で『TW-X ボール』のユーザーになることをオススメしたいと思います。