ゴルフクラブ
ファルコンまつばら
ヘッドは大きいほうがやさしいって本当!?
「大きいほうがやさしい」と言われていますが、本当に大きいほうがやさしいのならフェアウェイウッドもみんな460ccになっても良いはずですし、420ccとか380ccのドライバーはなくなってもいいはず。
クラブデザイナーでクラブチューナーのファルコンまつばらがそのメリットとデメリットを解説します!!
これであなたも本当の相棒に出会えるかもしれません。
どちらが飛ぶのか?
ドライバーと言うと飛距離ばかりが注目されます。
確かに飛距離は欲しいところですが、上手く当たれば300ヤード飛ぶけど10発中半分がOBというのではお話になりません。
また、大きいドライバーも小さいドライバーもどちらもフェースの反発係数の上限は同じですので、どちらも芯で当たれば明確な飛距離差はありません。
「このドライバーが飛ぶ!!」「こっちはあまり飛ばない・・・」と言ったものは、そのドライバーが打った人にとって(シャフトや総重量なども含めた様々な面で)合っているか合っていないかというところが大きいと言えるでしょう。
大きいドライバーがやさしい理由
まず、大きいドライバーの特徴を上げましょう。
1.フェース面積が大きい(フェース左右、フェース上下)
2.ヘッドの重心深度が長い
3.ヘッドの重心距離が長い
4.ヘッド上下・左右MOI(慣性モーメント)が高い
5.ネック軸周り(シャフト軸周り)MOIが高い
まだまだありますが、主だったところはこういった傾向があります。
また、クラブデザインの面から考えると、ヘッドが大きい分、重量配分の自由度が上がりますから、深重心にするのも重心距離を長くすることも可能です。
逆に重心距離を短くするのは難しい側面があります(ここ、後で出てきます)。
では、順番にメリットとデメリットをお話ししていきましょう。
1.フェースが大きく取れるので反発力が高い部分を大きめに取れる。
2.重心深度が長い=フェースが上を向きたがることになるので、球が上がりやすくなる。
3.重心距離が長い=フェースローテーションを積極的に行わなくてもOK。
4.ヘッド左右・上下MOIが高い=芯から外れたところで当たってもフェースが回転しにくく、真っすぐに飛びやすい。
5.ネック(シャフト)軸周りMOIが高い=3とも密接な関係があり、フェースローテーションを積極的に行わなくてもOK。
大きいヘッドのデメリットは?
一方で大きいヘッドのデメリットとしてはどのようなものが考えられるかと言うと、ヘッドの重心距離が長くネック軸周りMOIが高いという点が一番でしょう。
ネック軸周りMOIが高いということは、実は一長一短なんです。
ネック軸周りMOIが高いということはフェースローテーションがやりにくいということです。
ですので、フェースローテーションを積極的に行わないゴルファーにとってはメリットでありますが、フェースローテーションを積極的に行うゴルファーにとっては大きなデメリットになります。
フェースローテーションを積極的に行うゴルファーが、高過ぎるネック軸周りMOIのドライバーを使ったら、フェースがスクエアに戻り切らずにボールは右に行きます。
逆に右を怖がって手首を返し過ぎると、フェースが戻り過ぎて左に行くことになります。
トーナメントプロで言うと、タイガー・ウッズがその筆頭でしょう。
タイガーはフェアウェイキープ率が400ccを超えた当たりからガクンと落ちています。
国内で言えば丸山茂樹や石川遼、宮里優作などもフェースローテーションを積極的に行うプロと言えます。
選択できると良いのですが・・・
その多くのメリットでやさしいと言われている大型ヘッドのドライバーですが、フェースローテーションを積極的に使うゴルファーの場合はそのメリットを享受できることはなく、逆にネック軸周りMOIが高いことによって受けるデメリットのほうが強く出てしまいます。
大きいヘッドが苦手という方は主にそうした点が原因と考えられます。
ヘッドが大きい=重心距離長め=ネック軸周りMOIが高い=フェースローテーションがやりにくい=フェースがスクエアに戻りにくく開いて当たる
→開き過ぎを防ごうとして逆にフェースを返し過ぎて閉じて当たる。
ということになります。
ですが、残念なことにネック軸周りMOIの低い=ヘッドの小さいドライバーの選択肢はほとんどありません。
量販店などで販売されているドライバーは小さくても420cc程度で、その程度では見え方の差こそあれ、肝心の重心距離は短いとは言えず、結果ネック軸周りMOIも高いままです。
ネック軸周りMOIの低いRODDIO コンパクトドライバー
お見苦しい顔を出してすみません!!
ファルコンの顔はオイトイテ、このドライバー、ネック軸周りMOIのことを考えて作られたRODDIO(ロッディオ)のコンパクトドライバーです。
ヘッド体積は385cc(実際には380cc程度)で、ネック軸周りMOIの違うディープバックとミドルバックの2つのラインアップがあります。
RODDIOにはこの他にも460ccのドライバーもラインアップしていて、ネック軸周りMOIに応じて選べるんです。
コンパクトドライバーのほうはぶっ飛びモンスターフェアウェイウッドの元祖とも言えるRODDIO フェアウェイウッドの技術を使っていますので、飛距離性能もお墨付き。
難点は量販店では扱いがなく、ゴルフ工房でも限られた工房でしか扱いがない点と、お値段的に少し高めな点が上げられますが、チューニング幅も広く一人ひとりに合わせた形で組み上げることができるので長く使えます。
考え方によっては大きなヘッドを毎年新製品が出るたびに買い換えるよりもお得ですし。
RODDIOはちょっと無理だけど、大きいヘッドが苦手でドライバーに悩んでいるという方でしたら・・・。
ネック軸周りMOIを公開しているクラブメーカーはそれほど多くはありませんが、そうした場合でも重心距離は公開をしているメーカーが多いので、ヘッドの大きさとともに重心距離にも着目することをお勧めします。