初心者
玉利 ようこ
【第50話】ディボット跡〜100切れない日記~
やり始めるとなんかクセになる目土……。
相変わらず100を切れないままの私ではありますが……さすがに最近はコースを回ることにはかなり慣れてまいりました。
コースに慣れていない頃は、自分の目の前のプレーだけで精一杯でしたが、私もいっぱしのゴルファーとして、最近はディボット跡に注目しています。
そのきっかけは先日、ゴルフ番組を見ていた際のこと。
きれいな女優さんがしっかりと目土袋を肩にかけて慣れた感じで歩いている姿を見て「おぉ! マナーがちゃんとしていて素敵だな!」と感心したためです。
それまであまり意識をせずにディボット跡を埋めていましたが、改めてしっかりやってみると目土を入れる作業は意外と楽しい!!
大人になってしばらく忘れていた土遊びの楽しさが戻ってきます。
目土袋にスコップを入れてザクっと音がする感覚、土の重さ、ある程度の高さからディボット跡を目掛けてスコップの土をそっと落とし、きれいに土が落ちていった瞬間の快感。
そして、最後にその土を整えて「あぁ、いいことをしたなぁ~」という達成感。やり始めるとついつい「もう一回やりたい」と思わせる心地よさがあります。
今やティーグラウンドでの待ち時間などは、私にとって至福のひととき。たくさんあるディボット跡に黙々と土を埋め込み、時間も忘れて没頭してしまいます。
そのうち、たくさんのディボット跡に土を埋めると、ゾーンに入るというか、徳を積んでいるような気になってきて、「この作業をゴルフの神様が見ていて、この後のプレーにいい影響がありそうだなぁ」とさえ思えてくるから幸せです。
……とはいえ、今の所「100を切りたい」というシンプルな私の願いにゴルフの神様はまだ首を縦には振ってくれていませんし、なんならディボット跡を埋めたからといってそれらしい成果はまったく出ていませんが、いつか100を切って、周囲に「100切るコツは何?」と聞かれた際には、堂々と「ディボット跡を埋め続けることですね……」と神妙な顔をして答えて、ゴルフ界のマナー促進に一役買いたいと思います(そんな影響力まったくないんだけどね)。
秋のゴルフシーズン、プレーしている組も多くなり、ティーグラウンドやセカンドショットでしばし前の組のプレー待ちとなるような際は、ぜひ皆さんも颯爽と目土袋を肩にかけて、ディボット跡に土を埋める作業に没頭してみてください!!
ちなみに……ディボットは、ショットの際にひっかけ上げてしまう「芝」のことだそうで、これまで私はてっきり地面にできた「凹み」のことをディボットというのだと勘違いしておりました。
私がディボットと思っていたくぼみのことは「ディボット跡」というそうです。
勘違いしていたのは私だけかしら? まだまだ私、ゴルフ用語きちんと理解できていないなぁ……。