初心者
LITTLE RED BOOK
【耳と耳の間で考えるゴルフ03】2019新ルールでプレーして気付いたこと
みなさん、こんにちは。
リトル・レッド・ブックです。
2019年1月から「ゴルフ新ルール」の適用が始まりましたね。
みなさんは、もう新しいルールでプレーしましたか?
私はすでに6回プレーしたのですが、いろいろと戸惑うことが多いです。
今日は、2019新ルールでプレーしてみて気付いたことについてお話しします。
目次
1.旗竿を抜くか、抜かないか、それが問題だ
2019新ルールでは、「プレーヤーが旗竿を立てたままストロークを行い、動いているその球が旗竿に当たった場合でも罰はなく」なりました(新規則13.2a)。
これまでは、旗竿を立てたままのパッティングは御法度だったので、大きな変更です(旧規則17-3)。
この「旗竿抜き差し問題」は、恐らくほとんどのプレーヤーが最初に直面する新ルールだと思います。
みなさんは「抜く派」ですか、それとも「抜かない派」ですか?
私が観察した限りでは、ファーストパットは「抜かない派」が次第に増えています。
一方セカンドパットは、まだまだ「抜く派」と「抜かない派」が半々です。
特にゴルフ歴の長い人、保守的な人は、「弾かれそうで気持ちが悪い」と、旗竿を嫌いますね。
一方、若手の人、挑戦好きな人は、「立てた方が入りやすいという実験データもあるみたいだし…」と言いながら、立てたままカップインさせています。
厄介なのは、同じ組の4人の意見が異なる場合です。
1人ずつ旗竿を抜き差ししていたらプレーが遅くなってしまいます。
「旗竿を抜くか、抜かないか」は、2019年のプレー進行上の大問題になっているのです。
私見ですが、旗竿を立てたままでも球はスムーズにカップインします。
カップの半径(54ミリ)から旗竿の半径(9.5ミリ)を引くと、44.5ミリ。
ボールの直径は42.67ミリ。しかも旗竿は弾力性がありかつ根元からカタカタ動きます。
ご判断はそれぞれですが、一応ご参考まで。
尚、PGAツアーで活躍しているブライソン・デシャンボー選手は「旗竿が金属なら抜くが、樹脂なら立てたままにする」とインタビューで答えています。
これから日本でもトーナメントが始まります。
プロゴルファーのみなさんは抜き差し問題にどのように対処するのでしょうね。私も注目しています。
2.膝の高さからのドロップは意外に難しい
次に、救済エリアに球をドロップするときのルールが変更されました。
これまで、プレーヤーは真っすぐに立ち、球を肩の高さに持って腕を伸ばしたままドロップしなければなりませんでした(旧規則20-2a)。
新ルールでは「真っすぐに立った時の膝の高さ」から球をドロップしなければなりません(新規則14.3b)。
そして球は救済エリア内にドロップし、その救済エリア内に止まる必要があります(新規則14.3c)。
PGAツアーでも、「つい昔のクセで、肩の高さからドロップして、気が付いて苦笑い」というシーンが散見されます。
ところで、みなさんは膝の高さからドロップしてみましたか?
これが意外に難しいんです。
「膝の高さから球を落とそう」として体を前傾させると、人間の体はバランスを取ろうとして、両膝が少し前に出ます。
そのため、本人は膝の高さからドロップしているつもりでも、実際には膝を折り曲げて、少し低い位置からドロップしている場合が多いのです。
PGAツアーを見ていると、疑義が生じないように、片膝をついてドロップしている選手が多いことに気づきます。
みなさんも、いきなり本番でやる前に、少し練習したほうが良いかもしれませんよ。
3.その救済、1クラブレングス? 2クラブレングス?
障害物(人工物)からの救済を受ける場合、完全な救済のニアレストポイントから1クラブレングス以内でホールに近づかず障害がなくなる区域(救済エリア)に球をドロップします。
球がペナルティエリアに入った場合の処置やアンプレヤブルの処置は、基点をどこに置くかによって、1クラブレングスの場合と2クラブレングスの場合があります(新規則16、17、19)。
1クラブレングスか2クラブレングスかは少々複雑なので、規則を覚えるしかありません(大雑把に言うと「ラテラル処理」の場合は2クラブレングスになります)。
4.バンカーからの救済はまだ見たことがない
新ルールでは「バンカーから2打罰で球を出すことができる」ようになりました。
バンカー内の球に対するアンプレヤブルの処置として「2打罰を加えて、バンカーの外の後方に1点を決めて、そこから1クラブレングス以内でホールに近づかない所にドロップする」という選択肢ができたのです。
仮に、パー4の2打目でグリーンを狙ってバンカーに入れたとします。
新ルールを適用した場合、2打罰を加えてバンカー後方にドロップします(4打)。
次打(5打目)でグリーンオンできれば、後は2パット計7打のトリプルボギーです。
一方、救済策を使わずそのままバンカーショットを試みた場合、1回目(3打目)で失敗、2回目(4打目)で出すだけ、5打目でグリーンオン、2パットで7打となります。
つまり新ルールにおけるバンカーの救済策は、バンカーから1回で出せる人にとっては、ほとんどメリットがないことになります。
実際、私はこのバンカーからの救済策を利用している人をまだ見たことがありません。
5.OBは付近から2打罰で、というのは誤解です
2019年から「OBやロストした場合、付近から2打罰で打てるようになった」と誤解している人がたくさんいます。
しかし新ルールでも「球が紛失またはOBとなった場合、プレーヤーは1打の罰を加え、直前のストロークを行った所から球をプレーしなければなりません」(新規則18.2b)。
つまりOBや紛失球に関する規則は、基本的に何も変わっていないのです。
このような誤解が生まれた背景は、「OBまたは紛失した場所から近いフェアウェイに2打罰を加えてドロップできる」というローカルルールの雛型が提示されているためです(ゴルフ規則オフィシャルガイド II 8.E.5)。
しかし日本のゴルフ場には「前進4打ティー」が定着しているため、このローカルルールはほとんどのコースで設定されていません。
一方、競技ゴルファーは2019年になっても、従来通り「距離とストロークの罰」による打ち直し(又は暫定球)でプレーしています。
以上5点ほど、新ルールで実際にプレーして気が付いたことを書いてみました。
みなさんの明日のゴルフのお役に立てば幸いです。
リトル・レッド・ブックでした。