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ライフスタイル

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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(54)

年明け早々から車を買う羽目になり、ゴルフ予算は再度没収…。

そんな中でも地道に続けてきた自宅練習の成果が出て、今や絶好調! コースに出たい!!

かーちゃんにお願いしてお小遣いをいただき、記録的な猛暑の中、今年初のラウンドに勇んで出かけたが、1番ホールで惜しくも左にOB。

最初からトリプルボギーのスタート…。

でも、オレは今絶好調! 気にしない気にしない!!

も~っ! なんでだよ!!

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2番ミドルホール(パー4)。

ドライバーではセカンドショットが強烈な左下がりからになるので、クリーク(5W)を持つ。

フェアウェイは広い。

フェアウェイ右サイドを狙ってアドレス。

力まずスムーズに。

あっ!

チーピン!(どフック)

木に当たって出てきてくれたが、セカンドはたっぷり距離が残った。

180ヤードの打ち下ろし。小さなグリーンの左はスグOB。

少し大きめの6番アイアンで、右のガードバンカーのさらに右のラフを狙う。

カシーン。

いい当たりだが、フックの弧を描いて飛んで行く。

ボールは小さなグリーンをまたぐと、あっさりと左のOBに飛び込んで行った。

打ち直しは手にした6番のまま、飛距離と曲がりを落とそうと短く持った。

今度はほぼ真っすぐに、狙った右ラフに行った。

5オン。

しっかり3パットまでして、このホール8回。

も~っ! なんでだよ!!の2

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3番はやや打ち上げていく狭いミドルホール。

左はほんの少しのラフと防球ネット。もちろん上を越えればOB。

球を上げたくないので、フェアウェイウッドは使えない。

でもこのホールのために、ドライバーを短く持って、低いティーで練習しておいた。

練習場では完璧だった。

“大丈夫。昨日と同じようにやればいいんだ。ここから、まずはボギーペースに持って行こう!”

スプーンと同程度にティーアップ。

グリップはラバーの真ん中を持つ。

あとは振り子のように振るのみ。

イチ、ニイ、サン!

うわっ!

チョロった~~!!^^;

「おまえ何やってんだよ!」
「なんだよそのティは!低すぎるよ!!」

うえ~ん!

“昨日はこれで低~く美し~く打ててたんですけどねぇ~”

先輩方の元気のいい口撃に、力なくそう言い返すのが精一杯。

このチョロで…もう頭は真っ白…練習の成果も、絶好調も、何もかも失った…。

そして…。

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前半は左にOB 4発、チョロ1発。

フェアウェイをとらえたのは2度だけ。

パーオンなしのパーもなし! でスコアは54回。

先輩方からは「パーなし!? ずい分と寂しいじゃねーかよ~」のお言葉。

はい、とても寂しいです…。

昼食後

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午後は広いアウトコース。

でももう、どうやって打てばいいのか分からない。

左に曲がる恐怖が全身を支配している。

1番ロングホール(パー5)。豪快な打ち下ろしのティショット。

風は右から強く吹いている。

最悪。

右のクロスバンカーを狙って、ヘッドを走らせないように、身体を止めないように、かるーく。

カスッ!!

えっ!? どこいった!?

スグ目の前の、ティーグラウンドから右斜め45度くらいのところの雑木の中に飛び込んだ!?

ド先っぽにボールの跡がある!!

こんな所に当たるなんて~もうダメだ~。

打ち直しはフックが風に乗り、完璧な左OB。

進行に支障があるので、前進6打で前進。

この6打目を無難にこなしたものの、次のサンドウェッジでのショットをハーフトップしてグリーン奥にOB。

このホールなんと12回。

もう、もう、もう…ダメだ…完全に心が折れた…かと思いきや、ある思いが胸に広がってきた。

“そうか…おれはもう…完全なフッカー、いや、どフッカーなんだ。もう金輪際右には曲がらないんだ”

ゴルフを中断する前の30代の頃は、フェードヒッター。

緊張するようないいスコアの時に限って、終盤、大きく右へ逸れるプッシュスライスを打ってスコアを崩していた。

その記憶は身体に染みこんでいて、どうしてもフッカーの自分を受け入れられないというか、信じられないというか、そんな感覚があって、大きく右を狙うことができていなかった。

“よし、もうオレは左にしか曲がらないんだ。だから、右の山や林の上を、大胆に狙っていこう”

そう居直って、続く2番ミドルホールのティーグラウンドに、不動の4番手で上がった。