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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(18)

広大なティーグラウンドでボールに向った瞬間、ただただ緑の世界になった。

練習場でもショートコースでも必ずあった、自分を測る何か。

それがない世界。

久方ぶりのゴルフコースは、見事に別世界でした。

積もる話をしながらコースへ!

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ユニクロで新調した服に着替え、日課となったストレッチから一日をスタート。

天気予報では、季節外れの最高気温29度の予想。

ストレッチしただけでうっすら汗ばんでくる。

そして、スポンジを数発片手で打ち、パッティング。

おっと! 忘れちゃいけない無料プレー券。

お財布に大事にしまう。

そして後輩ヒデキ君のお迎えを待つ。

でも彼の事だ。

きっともう到着していて、約束の時間まで静かに待っているのではないか? と思い外に出てみると、案の定。

黒塗りのSUVが停まっている。

軽いあいさつの後乗り込み、先輩ヒロ君の家へと向かう。

彼に会うのは何年ぶりだろう? LINEではここ2ヶ月程やり取りしてきたけど……。

しばらくしてヒロ君が出てきた。

相変わらずの人懐こい笑顔で、カーゴっぽいパンツにベレー帽を合わせている。

対するヒデキ君は、今風の細身で大柄な柄のシャツに白いベルト。

自分はと言えば、ベージュのチノパンに白いポロシャツ。

当時米ツアーで流行っていたようなスタイルにしたつもりが、体型も相まって中学の先生みたい^^;

何ともまとまりのない怪しい3人組、いざ出陣!笑

着いた! 準備だ!!

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その後の事、家族の事、“チョコレート”の事。話し込むうちにあっという間にコースに到着。

なかなかの名門風で、ちょっと緊張。

フロントでプレー券を渡してチェックイン。

久々ながら、貴重品ボックスまではまぁまぁスムーズ(笑)。

でも、早くもロッカー室でドギマギ&高揚感で胸いっぱい。

スタートまではまだたっぷり時間があるので練習場へ向かうが、数人が順番待ち。

仕方なく先に練習グリーンへ。

“お~!ベント芝だ~!!”

この、しなやかな葉のベントの手触り♪

思わずナデナデしてしまう。

さっそく転がしてみる。重い。

それに、随分とボールマークが多いし、コインサイズのハゲも多い。

“?”と思っていると、ボールを転がす先にポーンとボールが飛んできて、こちらに向って転がってくる。

“ん? マナーの悪いやつだなぁ”と思って顔を上げると、堂々とウェッジでもう一発。

するとその左側からも、砂煙とともにボールが飛んできた!

“あれ!?”

はいそうです^^;

ここはアプローチ練習場でした^^;

うわ~っ!恥ずかしい(>_<)

でも臆せず、せっかくだから自分もバンカーへ。

いや~バンカー久しぶりだな~。

“でも怖いよ~。ホームランしたらアプローチしてる人に当たっちゃうじゃん!”

そう思うとインパクトを緩めてしまって、ついに一発もバンカーから出せず^^;

だっ、大丈夫かなぁ^^;

ようやく空いた練習場に移動し、ウェッジから打ち始める。

ゆるゆるグリップで脱力。手の力を使わずに、身体でクラブを振る。

調子はまぁまぁ。

しかし暑い。何なんだ、この日差しは! もう汗だくだ。

ヒロ君も3年ぶりのゴルフ、しかも仮眠2時間での参戦だそうだが、くるくると良く身体が回っている。

一方朝は打たない派のヒデキ君は、日陰で見物。平均月イチくらいでプレーしているという彼が、今回の優勝候補かな?

結局練習グリーンはどこにあるかわからないまま、そろそろスタート時間。

いよいよだ。

ドキドキ。

“順番決めましょう!”

律義なヒデキ君が、また抽選棒を握っている(笑)。

おっと! 1番か~^^;

目が回る~(@_@)

出だしは、都留カントリー倶楽部ふじざくら(インコース)1番566ヤードのロングホール(パー5)。

なんとも広大なティグランド。その左サイドにティーアップし、フェアウェイの左サイドを真っ直ぐ狙う。

そこから少しスライスするイメージ。

ゆっくり素振りをしてから、アドレスに入る。

するとボールに正対した瞬間、目が回るような感覚が襲ってきた!

“なんだ? 平衡感覚がおかしい??”

大げさに言えば、宇宙空間に放り出されたような、めまいのような感覚。

視界の中は、一面の緑。ただただ、緑の芝生があるだけ。

練習場でもショートコースでも必ずあった、マットなどの直線やさまざまな目に入るもの。

それが一切ない。

ティーグランドが大きすぎて、ボールに目を落とすと緑の芝生以外のものは視界に入って来ない。

思わず顔を上げて、目標方向を見る。

でも、もう自分がどこを向いているかがわからない。

でも、仕切り直す心の余裕はなく、そのまままたボールへと視線を戻す。

一面緑の世界に、ポツンと置かれたボール。

自分を測れるものは何もなく、芝生のほかには白いボールとクラブヘッド、そして自分の足元だけ。

当たり前のことなのに、これがゴルフをしている人とそうでない人の感覚の違いか……。

何の確信も持てないまま、スイングはスタートした。

“引っ掛け出すと滅茶苦茶になるから、ずっと引っ張り続けるイメージでスライスを打とう”

事前にそんなイメージを持っていたが、めまいにあわてた身体はすべてを忘れて完全に当てに行っている。

身体を止めて、“ひょい”と手先だけで作った小さなトップ。

そこからヘッドを当てに行った。

力なく左に出て行ったボールはさらに左に巻いて行き、150ヤードも行かない左の林に消えていった。

一番やりたくなかったミス。

練習場では、これが出るともう立ち直ることができずに終わるパターン。

嗚呼……。

すると、2番手のヒロ君も左の林!

ごめんなさい、変な球見せて m(__)m

3番手のヒデキ君も、ごめん!

……と思いきや、ナイッショ~♪

こんな時はかわいくない、ヒデキ君のビッグドライブ!

朝は練習しない派の大勝利で、復帰ラウンドがスタート。

さて、どんな一日になりますやら^^;

(画像は富士桜都留カントリー倶楽部公式サイト内コース攻略ガイドブックより)