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【今と昔の豆知識】ドライバーの歴史を紐解こう!

ボール初速と飛距離が追求され、大容量ヘッドと長尺(45インチ以上)が主流となった現在のドライバー。

ここに至るまでには、新技術の開発による数々の変化がありました。

ドライバーの変化の歴史とそれに伴う規制の変化について紐解いていきましょう。

ドライバーの歴史(1)~パーシモン時代

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ドライバーの原型「プレークラブ」が考案されたのは1800年のこと。1850年にはクルミの木で作られた「ヒッコリーシャフト」が使われるようになりました。

ドライバーに大きな転機が訪れたのは1874年です。ウッドフェースの中央が膨らんだ形状の「バルジャー・ドライバー」がスコットランドで考案されたのです。

同時にヘッドに穴をあけてシャフトを差し込むソケット方式も生まれ、現代のクラブの基本形ができ上がりました。

その後、1891年にはスコットランドでパーシモン(柿の木)製のウッドクラブが考案され、その後100年ほどパーシモンヘッドが主流の時代が続きます。

ドライバーの歴史(2)~チタンドライバー発売まで

ドライバーに最大の転機が訪れたのは1979年。米国のゲーリー・アダムスが、ステンレスヘッドを発表し、テーラーメイド社を設立。

翌年、同社からメタルヘッドドライバーが発売されたのです。

これにより“ウッド”の名前通り木製が主流だったドライバーは金属製へと移行していきます。

更に1994年にキャロウェイ社が発売した「ビッグバーサ・ウォーバード」の世界的ヒットにより、ドライバーはメタルが当たり前となりました。

また、この時期にはチタンも注目されはじめ、1990年にミズノから世界初のチタンドライバーが発売。

1993年にはブリヂストンの「プロ230チタン」、セイコー「S-YARD T301」がヒットしました。

ドライバーの歴史(3)~現代

2003年になると、チタンに変わる新しい素材・カーボンコンポジット製の「TR-X DUO」(写真)がプロギア社から発売され、これを機に各社がカーボンコンポジットのドライバーの発売をはじめます。

また、テーラーメイド社は2004年にウェイトカートリッジを交換することで弾道を変えるシステムを搭載した「r7 quad」を発売。

その後の2009年にはシャフト側でロフト角、ライ角、フェースアングルの調整ができる「FCT(Flight Control Technologyの略)」が発表され各社が類似のシステムを採用するなど、素材以外の部分でもクラブのテクノロジーは年々進化し続けています。

ドライバーの歴史(4)ヘッドの進化とルール規制の変化

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各メーカーの開発競争の結果、ドライバーはヘッドの大容量化や大幅なフェースの反発係数の向上がなされてきました。

それに伴う飛距離の向上もめざましく、2000年代にはコースの設計者の意図を超えたロングドライブが続出するようになったのです。

これによりクラブ性能に対する規制を求める声が強くなり、2003年頃にはSLE(トランポリン効果)規制を発表。

結果、プロ競技におけるCOR値(クラブフェースの反発係数)の上限を0.83と規程。

ヘッド容量の上限を460cc、慣性モーメントは5900gcm2までと定められ、日本では2008年に同様の規制が取り入れられました。

ここまで、ドライバーは各メーカーの開発努力により、時折大きな転機を迎えながら進化してきました。

さらにこの先どのような進化を遂げるのか楽しみですね!