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スリクソン ZX ユーティリティを試打!【動画あり】

ZXシリーズの発表から大人気のスリクソン(ダンロップ)のシリーズ。

今回はユーティリティの試打インプレッションをしてみたいと思います。

ちなみにダンロップゴルフでは、ウッド型を「ハイブリッド」、アイアン型を「ユーティリティ」と区別して製品名にしています。

スリクソンの中空アイアン型ユーティリティは安定して高評価

皆さんはどれくらいアイアン型ユーティリティを使ったことあるでしょうか?

現在国内外の各メーカーがアイアン型ユーティリティを発売しています。

その中でもスリクソンの場合、ウッド系は伸び悩んでいる中で、アイアン型ユーティリティは以前からかなり性能は良かったです。

そもそもアイアン型ユーティリティって?

そもそもですが「アイアン型ユーティリティ」がどういう物かわからない方のために少し説明します。

基本的にはロフト17~24度辺りで、フェアウェイウッドとアイアンセットの間となる「やさしいアイアン」です。

「やさしいアイアン」という表記にも理由があります。

そうです、基本的にはアイアンなんです。

ソール幅を厚くしたり、中空にしたりしてアスリート系アイアンに比べるとやさしい性能になっています。

「じゃあアイアンとアイアン型ユーティリティって何が違うの」となりますが、個人的見解では何も変わりません。

メーカーがユーティリティと言えばそっちのジャンルに分類されると考えられます。

テーラーメイドのP790 UDIやSIM UDIが良い例でしょうか?

あのクラブをアイアン型ユーティリティと言っている方もいらっしゃいますが、UDIは「Ultimate(アルティメット)Driving(ドライビング)Iron(アイアン)」の略称なので、アイアンなんです。

ちなみに、アイアン型ユーティリティのメリットとデメリットは隣り合わせという点も面白いです。

1.球が上がり難い(上がりやすい)
2.操作性が悪い(操作性が良い)

という、一見「?」となる特性なのです。これはユーティリティにはウッド型もあるから起こり得る現象なのです。

1と2に関して、比較対象がウッド型ユーティリティか通常のアイアンかの違いです。

比較対象がウッド型ユーティリティになると重心が非常に浅いので球は当然上がり難くなりますが、操作性が良くなります。

逆にアイアンと比較すると重心がとても低く深くなっているので球を上げやすくはなりますが操作性が犠牲になります。

このように、性能が良い意味で中途半端と言えばいいんでしょうか、アスリート系アイアンよりはやさしいけどウッド型ユーティリティよりは難しいよ、ってクラブなんです。

性能面は?

さて性能面を見てみましょう。

身も蓋(ふた)もないことをいきなり言ってしまいますが、アイアン型ユーティリティに関しては各メーカーやっていることはほとんど変わりありません。

中空にして、フェース薄くして、タングステンを埋め込む。非常に乱暴な言い方ですが、これで終わりです。

その中で素材、フェースの偏肉設計、充填剤、タングステンの形状や挿入場所を細かく設計しているんです。

今回のZX ユーティリティの場合、かなりやさしい方向に性能を振っているように思えます。

まずはフェースです。通常の偏肉設計に追加してフェース周辺部に大きな溝を作り、インパクトの際にフェースが大きくたわむように設計されています。

また、タングステンウェイトもソールの後方に配置されており、ある程度楽に球を拾えるようになっていると思われます。

試打動画をどうぞ

さて実際の試打動画をご覧ください。

私の試打動画おなじみのヘッドスピード50メートル/秒(m/s)、45m/s、40m/sの想定で打ち分けています。

まずはヘッドスピード50m/s想定のシーン。

1打目からアイアン型とは思えないほど高弾道で打てました。ソール後方に埋め込まれているタングステンウェイトの重心効果をかなり感じます。

同じロフトでこれだけ上がりやすいアイアン型ユーティリティはなかなかないと思います。

また重心が後方にあるということは安定感もアップするので、多少のミスでもある程度真っすぐ飛んでいってくれました。

また、皆大好きな打感についてですが、弾き感もあるんですがかなりしっとりした打感です。

弾き感が好きな人と柔らかい打感が好きな人どちらも高得点で満足できる打感だと思います。

1点だけ注意点を上げるとすれば、重心が低くなった故にダウンブロー(ハンドファースト)が強いと芯の上に当たり過ぎて飛ばないという点ですね。

続いてヘッドスピード45m/sで打っています。

この辺りのヘッドスピードからある程度のモデルは打ち難くなるのですが、このZX ユーティリティは十分使いこなせそうでした。

一説には「ロフト30度より寝てる7番アイアンでキャリー150ヤード以上打てないとアイアン型ユーティリティは難しい」と聞いたこともありますが、まったく問題なく打てました。

最後にヘッドスピード40m/s想定で打っています。

通常ほとんどのモデルはこのヘッドスピードでは球が上がず、使いこなせないモデルが多いんですが、ZX ユーティリティに関してはビックリするくらい球が上がるので、打つことができました。

これまでヘッドスピードが遅めの方でアイアン型ユーティリティを使いたくても使えなかった人でもこれなら打てる可能性を秘めています。

総評として、ハードヒッターからヘッドスピードが遅めの方まで幅広く使えるクラブだと思います。

特に、ウッド型ユーティリティがどうも苦手だけどある程度安定して球を打ちたいという人におすすめだと思います!