ヘッドスピード33m/sの女性ゴルファーは飛距離200Yを達成できるか?【メーカー座談会】

お気に入り
アマチュア女性のドライバー飛距離は150〜200ヤード(y)、平均は約170yと言われている。

ちなみにヘッドスピード(HS)の平均は約33メートル/秒(m/s)。

ゴルフが楽しくなってきた女性がもっと飛ばしたいと願うのは当然だが、彼女たちが200yの壁を越えるのは至難の業でもある。

そこで今回、「HS 33m/sの女性が、200yを目指すための秘策」を技術担当者が徹底討論。

クラブ、シャフト、グリップ、グローブ、ボールの立場から「目指せ200y」を語り尽くした。結果は果たして……?

まずは自己紹介をお願いします

まずは自己紹介をお願いします

getty

横内:グリップメーカーで働いています。弊社ではピンクリボン運動のひとつとして、軽量で滑りにくいレディスグリップを最近発売しました!

岡田:わたしは商品の企画と設計の責任者をしています。弊社ではレディスの歴史が古く、国内では『フェミナ』と『RMXレディス』を展開していますが、海外ではもう少しモデルがあり、レディスモデルをたくさん作っています。

最近では飛びに対するニーズを感じていますので、レディスモデルでも飛びを追求していきたいと考えています。

藤原:今回はボールについて話す立場なので、『キラ スウィート』を持ってきました。

女性ウケには見た目の可愛らしさも重要で、それを踏まえた商品設計をしています。

それ以外にもクラブ、グローブ、バッグ、アクセサリー、ウエア等の開発に携わっています。

若林:アフターマーケット向けのシャフト開発をしています。弊社に女性向け製品はありませんが、女性の場合2極化するのかなと思います。

力のある人が物足りなくて男性用のスペックに向かう反面、柔らかくて軽いシャフトを選ぶという具合に。

シャフトの場合、バリエーションが豊富なので、そういった観点からお話できればと思います。

――藤原さんにはグローブのお話もしていただきたいですね。

藤原:わかりました。

横内:グローブとグリップは割と絡むところなんです。でも数値化するのは難しいですよね。

藤原:かつて「このグローブはやたらHS上がります」という商品を販売したことがあり、測定してみるとグリップ力というのが出てきますので、理論的には間違っていないと思います。

理論上200yは不可能……

理論上200yは不可能……

getty

――今回は前提として、スイングをいじるのではなく、HS33m/sの女性が200yを飛ばすにはどうすればいいのか、ここに絞って話を進めます。

横内:正直、HS33m/sで200yはかなり厳しいです。

藤原:ええ。弊社でテストしたデータを見ると、34m/sで可能性が出てくると思いますが、実はこの1m/sが大きく違うんです。でも33m/sでというのは、夢があっていいですね。

岡田:HSの値を固定して考えると、飛距離の3要素(初速、打ち出し角、スピン量)で大事な初速が固定されるので難しいと思いますね。飛距離の大雑把な目安には『HS×6』という計算がありますが、33m/sだと198yでギリギリ届かない(苦笑)。

若林:いや、「×6」はレディスのヘッド重量じゃ難しくて、せいぜい5ぐらいになってしまう。

――すると165yが限界値で大きく後退する。

横内:今回は道具に限るってことですが、極端な話、フェアウェイにローラーをかけて硬くして、フォローの中でやるっていうのはダメですよね。

――はい……。そういう条件も影響すると思いますが、今回はギアの観点でお願いします!

若林:そうするとまず、ボール初速を上げる必要があると思います。であれば、平均HS33m/sをいかに高めるかの観点でアプローチするべきでしょう。

藤原:そうですね。であれば、可能性は高まると思います。

ギアでHSをあげる

ギアでHSをあげる
――それぞれの立場から、HSを上げる方法を提案してください。

横内:グリップの場合は滑らないものが一番です。余計な力が入りにくくなり、手首を使いやすくなるからです。

それから軽いもの。ただ、女性の場合は楽しく心地よくが大前提だと思うんです。気分を朗らかにするとか、カラフルなものに変えるとか……。

藤原:グローブの視点で言えば、利き手の押す力は重要なので、左だけ使っている人が両手グローブをすれば、HSは上がります。最大1m/sぐらい上がる可能性はありますね。

横内:右手もきちんと握れていたほうが有利ですよね。

若林:なぜ、両手グローブが流行らないんですか?

藤原:ゴルフを始めた時に片手グローブが一般的だから、違和感があるのかもしれない。

――「GEW女子部」は、両手グローブを推奨します!

若林:一方、シャフトの場合は長くすればテコの原理で飛距離が伸びるので、長く組んでも振れるようにするために、軽くて柔らかいものを選べばいいと思います。

岡田:ざっくりとですが、1インチ長くなればHSが1m/s上がって、5yぐらい飛距離が伸びます。ただし問題は、それを打てるのか? フィッティングしないとわからない部分ですね。

――長尺化でHSを優先するのか、それともミート率を重視するか。二律背反の部分ですね。

若林:スイングの側面から考えると、女性の場合はインパクトでのロスが大きいと思います。

ですから、インパクト中にボールを押し続けてくれる、ねじれてくれるシャフトを推奨します。そうすればねじれでアシストできるので、ヘッドが加速し、初速が上がると思います。

岡田:そうですね。クラブ開発も同じように、初速最優先で設計していますから。

――具体的にはどうやって初速を上げるのですか。

岡田:まずは反発を(規制値)ギリギリに設定することと、インパクト直前のヘッドの動きですね。

女性の場合は払い打ちが多いので、身体の使い方もポイントになると思うのですが……。

藤原:飛ばすためには、レディスクラブのヘッドは軽すぎるんじゃないですか?

岡田:確かにヘッドが重ければ重いほど飛びますが、人(スイング)によって変わってしまいます。

ヘッドを軽くしてもHSが上がるとは限らないので、最適なものを探す必要があります。

横内:フィッティングが重要です。

藤原:あとは、グリップが軽くなっている分、ヘッドを重くしても総重量が変わらないので、その分を有効に使えますよね。

岡田:そうですね。飛びに関係してくるのはミート率で、重心の設計やシャフトとの相性が関係してきます。

インパクトの瞬間、ヘッドが上方向に向かうようなイメージにすると、球が上がります。

――最適なロフト角はありますか?

岡田:ボールが上がることを前提にすれば、ロフトが立っていたほうがスピン量が減って飛びます。

横内:女性の場合は難しいですよね。逆にスプーンのシャフトを長くしたほうが飛ぶ可能性もあると思うし……。

藤原:そうですね、実際、レディスだと最大で13.5度ですが、人によっては15度でもいいかもしれません。

ラウンドしないのであれば……

ラウンドしないのであれば……

getty

――そのほか、どんな条件が整えば200yに到達できますか?

藤原:ボールの場合、インパクト後の話になってしまいますが、HS35m/sぐらいあると、キャリーもランもそこそこ出てくると思います。

レディス製品は外は硬く、中を柔らかくすることで打ち出し角を上げ、スピン量が少なくなるように設計しています。

岡田:高打ち出し、低スピンは常識ですが、特に女性の場合は打ち出し角の方が影響を受けやすいので、重要ですね。

藤原:ドライバーでの飛距離だけを考えたボールならば、ディンプルを抑えて、転がるボールというのもアリですね。スピンが一切入らないぐらいの(笑)。

若林:シャフトはとにかく長くすれば飛距離は伸びますが、同時に振りにくくなってしまう可能性もありますから、そのギリギリの線を探る必要があります。

またフェアウェイウッド以下との流れが取りにくくなってしまうので、最大で46.5インチぐらいでしょうか。

横内:グリップは支えるパーツなので、滑らない以外に、機能面をあまり語れないのですが……。

藤原:グローブとグリップの間が滑らないのはもちろんですが、グローブと手の間がすべらないことも重要です。より、力が伝わりやすくなりますから。

横内:ゴルフの場合、メンタルもかなり影響するので、滑りそうだと思うグローブやグリップは使わないほうがいいですね。気持ちよく振れるものを選ぶべきです。

岡田:女性に楽しくゴルフをしてもらうためには、ドライバー2本持ちもありかなぁ。

――女性の場合14本入っていない人も多いですからね。あらゆる手段で200yに挑戦しましょう。

【総括】こうすればHS33m/sの女性が200y飛ばせるかも!

【総括】こうすればHS33m/sの女性が200y飛ばせるかも!

getty

A.ヘッドスピードを上げる

・両手にグローブをする
・軽くて柔らかく、滑らないグリップを使用
・軽くて柔らかく、ねじれてくれるシャフト使用
・振りきれる範囲で、重めのヘッドで深重心にする
・シャフトを長くする

B.飛距離を伸ばす条件

・高打ち出し、低スピンになるボールを使用(転がるとなお◎)
・高ロフトで低重心のヘッド
・クラブとスイングのマッチング
お気に入り
ダンロップ松山プロマスターズ優勝バナー210415-0516

TOPページへ >

TOPページへ >

ダンロップ松山プロマスターズ優勝バナー210415-0516