ゴルフスイング
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”ウィークグリップ”はアリ?ナシ? メリットとデメリットを知ろう!
ゴルフの主要なグリップのひとつに「ウィークグリップ」という握り方があります。
現在のクラブにはマッチしないとも言われるウィークグリップですが、特性を生かして上手く取り入れているプロゴルファーもたくさんいます。
この記事ではそんなウィークグリップの特徴やメリット・デメリットをご説明します。
目次
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- ウィークグリップとは?
- 現代にはそぐわない?ウィークグリップの持ち味
- メリットにもデメリットにも
- ウィークグリップにはメリットも
- フェース管理がしやすい
- ひっかけ癖のあるゴルファーはちょっとだけウィークに
- ウィークグリップの握り方は左手がポイント
- ウィークグリップでは右手はどうすればいいの?
- プロゴルファーはストロンググリップとウィークグリップどちらが主流?
- ウィークグリップでボールの曲がりを操るには?
- ウィークグリップでドローを打ってみよう
- ウィークグリップでフェードを打ってみよう
- ウィークグリップとストロンググリップ、スイング感覚がそもそも違う?
- ウィークグリップはあり! 自分の感覚とクラブ特性でベストな選択を
ウィークグリップとは?
どこからどこまでをウィークグリップと呼んで、どこからどこまでをストロンググリップと呼ぶのかははっきりとは定義されていませんが、左手の親指と人差し指でできるVの字がどこを指しているかで判断することが多いようです。
親指と人差指のVラインが左右の手とも左肩の方を向くのがウィークグリップの特徴ともいえます。
また、アドレスした際に、左手のこぶし(ナックル)がいくつ見えるかで判断することも多いです。
構えた状態でグリップをまっすぐに見ると、左手の甲の山が1つしか見えないかほとんど見えないのがウィークグリップです。
逆に、左手の親指と人差し指のVの字が右肩を指し、左手のナックルが2、3個見える状態がストロンググリップ、その中間がスクエアグリップとなります。
では、ウィークグリップにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
現代にはそぐわない?ウィークグリップの持ち味
ウィークグリップの特徴は、手首が使いやすいという点です。
昔のクラブは重心距離(シャフト軸の中央からフェース面上の重心点までの距離)が短く、ウィークグリップで手首を大きく返す打ち方でクラブヘッドの遠心力を最大限に使って飛ばすのが一般的でした。
ですが、現在のクラブは重心距離が長くなってきており、もともと遠心力が大きくなりやすいので、手首の捻りを抑えてクラブヘッドの持ち味を生かすショットが主流になってきています。
そのため、ウィークグリップで構えると、フェースが開きやすくなってしまい、インパクトで開いたフェースを閉じることができずに右へとボールが飛び出しやすくなってしまいました。
現在のクラブを打ちこなそうとすると、ウィークグリップ本来のメリットである手首の使いやすさがデメリットとなってしまうのです。
メリットにもデメリットにも
ウィークグリップではスイング中フェースが開きやすくなるため、インパクトの瞬間にもフェースが右を向きやすく、先述したように打球がスライスしやすくなります。
そのため、フックボールが出過ぎるという悩みがある方は、ウィークグリップに変えてみるのも1つの矯正法です。
ただし、スライスに悩まされている大多数のゴルファーの方は、自分のグリップを見直してみてウィークグリップになっているようであれば、改善をすべきです。
打つ人によっては、ウィークグリップの特徴はメリットにもデメリットにもなり得るわけですね。
ウィークグリップにはメリットも
様々なメディアでストロンググリップが勧められており、ウィークグリップは「やめたほうがいい」という意見が主流となっています。
しかしウィークグリップにはウィークグリップのメリットもあるのです。ここではウィークグリップのメリットを見ていきましょう。
フェース管理がしやすい
ウィークグリップの最大のメリットは、“左手の甲の角度がそのままフェース面の角度になる”という点です。
スイング中にフェース面の角度を気にするよりは、左手の角度を意識するほうが簡単ですよね。
スイング軌道が極端にアウトサイドインにならない限りは、フェースの角度で球筋をある程度コントロールすることができます。
そのため、デメリットもあるウィークグリップですが、フェードやドローの打ち分けやラインを出したショットを打ちたいときには、ウィークグリップは適したグリップだといえます。
ひっかけ癖のあるゴルファーはちょっとだけウィークに
ボールをどうしてもひっかけてしまうという癖があるゴルファーには、今の握り方よりもちょっとだけウィークに握ってみることをおすすめします。
ボールが飛び出す方向は、インパクト時のフェースの向きで決まります。
インパクトでフェースがかぶってしまっているのならば、少しだけウィークグリップで握れば、インパクト時にフェースがかぶる分が相殺され、まっすぐボールが出ていくようになります。
ゴルフのグリップは、知らない内にどんどんストロンググリップになってしまう人もいます。これがまた自分ではなかなか気付かずに、泥沼化するケースもあるんです(もちろん逆もあります)。
ひっかけ癖のあるゴルファーで、チーピンを連発するようになってしまったら、ぜひちょっとだけウィークグリップをお試しください。
フェースがまっすぐを向いてインパクトができるようになりますよ。
ウィークグリップの握り方は左手がポイント
ウィークグリップと言いますが、実際の握り方はどのようにすればいいのか注意点を見てみましょう。
まずフェースを飛ばしたい方向に向けます。そして左手で握るときに、左手甲を飛ばしたい方向にまっすぐ合わせて握ります。
これだけで自分から拳(ナックル)が見えなくなるでしょう。たったこれだけでウィークグリップになります。
長年ストロンググリップに親しんできたゴルファーからすると、ものすごい違和感に襲われると思いますが、これがウィークグリップなのです。
ウィークグリップでは右手はどうすればいいの?
左手の拳が見えなくなるように開いて握るウィークグリップですが、このとき右手はどうすればいいのでしょうか。
左手主導でスイングする方は右手の角度はさほど重要ではないかもしれません。それはスイングで右手が影響する幅が少ないからですね。
しかし右手主導でスイングする方は、右手の握り方がものすごく重要になります。
右手をグリップの下から支えるように握ったときを考えてみましょう。
そこで右手のリストを使ってスイングしてしまうと結局フェースがかぶり過ぎて、ボールが左に飛び出します。ひっかけ、ひどくなればチーピンが出てしまいます。
右手のリストを使わず、アッパーカットのように右手を使うスイングならば大丈夫ですが、それはそれで別の問題が出やすくなってしまいます。
逆に右手を上から握るようにグリップしたとき、右手のリストを使ってフェースを返すと、フェースの返りが緩やかになってきます。
インパクトで右手がかぶってもフェースが最初から開いているので、左方向のミスに悩まされることはないでしょう。
けれども逆に右につかまらないボールが出てしまう場合は、飛距離が出ない、スライスを連発するなどの弊害が。
こういったボールが出る理由は、右手を上から握っているのにリストが返り切らないスイングをしているためです。
右手主導のスイングで右手を上から握る場合は、しっかり右手のリストを使ったスイングをしないとボールがまったく飛ばない、スライスする、などの症状に悩まされるでしょう。
チーピンやひっかけを嫌ってウィークにしたのにも関わらず、いいボールが打てなければウィークにする意味もなくなってしまいます。
プロゴルファーはストロンググリップとウィークグリップどちらが主流?
現在のプロゴルファーを見ると、ほとんどがストロンググリップになっています。
それはゴルフクラブの進化に伴って、フェースを大きく開閉させるスイングよりも、シャットフェースでスイングしたほうがコントロールしやすくなっているのが理由です。
対して昔のプロゴルファー達は今よりも、ボールがつかまらない、上がらない、というゴルフクラブを使用していたため、フェースを強く開閉させて飛距離を稼いでいたのでしょう。
ウィークグリップのメリットもありますが、圧倒的に現代のクラブの恩恵を受けられるのはストロンググリップです。プロゴルファーでも主流はストロンググリップなのです。
そのためウィークグリップはプロの中でも常用している人はなかなか見当たりません。
しかしフェースの開閉を積極的に使っていきたい場面で、技術の1つとして持っているプロはいます。
ウィークグリップでボールの曲がりを操るには?
ゴルフのコースはドッグレッグだったり、障害物があったりして、ボールをどちらかから曲げたい場面が多くあります。
まっすぐ狙えるコースばかりではありませんからね。
そこでウィークグリップでボールの曲がりをコントロールするにはどうすればいいのか、解説してみたいと思います。
ウィークグリップでドローを打ってみよう
ウィークグリップでドローボールを打つ場合を見てみましょう。
まずドローボールはインサイドアウトのヘッド軌道が前提です。しっかりとフェースの開閉をして振り抜いていけるので、左を怖がらなくてもいいのが特徴です。
飛球線の方向よりも、ほんの少しだけ外に振り抜くように意識してみましょう。スタンスはスクエアでも大丈夫です。
ただ気を付けたいのが、ウィークグリップなので、リストやアームローテーションは強く使っていくようにしましょう。
逆にそれができればドローボールは容易に打てるようになるでしょう。
ウィークグリップでフェードを打ってみよう
ウィークグリップでフェードを打つ場合はどうでしょうか。
元々ウィークグリップはボールがつかまりにくい握り方です。フェードボールとは、ボールが弾道の頂点に達してから、緩やかに右へ流れていく弾道です。
そのためボールをつかまえるように、ヘッドのトウ側を走らせてはフェードボールになりません。
インパクトから飛球方向にまっすぐフェースを向けたままの意識で、振り抜くようにしましょう。
ジョーダン・スピースのグリップが、極端ではありませんがウィークグリップになっていますね。
フォローで左ひじを抜くようにスイングをしています。正面からアドレスの形を見ると、左手の甲が他の選手よりも隠れている(ウィークに握っている)のが分かると思います。
ウィークグリップとストロンググリップ、スイング感覚がそもそも違う?
よくスイングで言われる、「グリップがヘッドを追い越す」という動きはウィーク~スクエアでグリップする際のイメージです。グリップを中心としてヘッドが走る感覚です。
プロゴルファーでは三ヶ島かなプロ、藤田光里プロの動画がわかりやすいでしょうか。
インパクト周辺からヘッドが前に出てきてフォローでヘッドが上に抜けていくのが見えると思います。
またストロンググリップの場合、胸の前からヘッドが外れないイメージでスイングをしています。
ボディターンで胸の動きにヘッドがついてくるような動きをしています。上田桃子プロや福田真未プロがこうした動きをしています。
ウィークグリップはあり! 自分の感覚とクラブ特性でベストな選択を
いかがでしたか?
ウィークグリップにはウィークグリップのいいところ、ストロンググリップにはストロンググリップのいいところ、それぞれメリットがあります。
クラブ特性や自分のスイングの特性があるので、一概にウィークグリップが“ナシ”というわけではありません。
また今のグリップを基準にして、少しだけウィークにしてみる、という選択もできそうですね。ミスの方向などと相談してグリップを微調整してみても面白いですね。
ウィークグリップの特徴を理解して上手く取り入れることができれば、プレーの幅を広げることができるでしょう。