Gride

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ゴルフスイング

おっ3

スイングを『押す』と『引く』だけでシンプルに考えよう!

肩を『回し』、身体を『捻り』、頭を『残す』……。動作を示す言葉が多ければ多いほど混乱しますよね。

そこで今回は、スイングを『押す』と『引く』だけの言葉でシンプルに分解してみようと思います。

※すべて右打ちを前提として書き進めます。

アドレス!

ジャスティン・トーマス。

178センチ73キロと決して大柄ではありませんが、平均飛距離で300ヤードを越える飛ばし屋です。

好調の原因は、『ここぞの一発』を除いて、昨シーズンよりも飛距離を抑えてコントロール重視に変わったことのように『おっ3』はとらえています。

ジャスティン・トーマスのアドレスを『押す』と『引く』で分析してみます。

身体は細いにも関わらず、どっしり感を感じませんか?

一番それを感じさせるのは、両足で地面を『押す』かのように構えていることではないかと思います。

そして、上半身の重さを集中させた『丹田』で、股関節を『押す』ようにすることで股関節を有効に使えるアドレスを作っていると思います。

上半身のリラックス感は、両脇を内側に『引く』ようにして大胸筋に軽くコンタクトさせるだけで何もしていない程に力が入っていないから生まれていると思います。

バックスイングの動き出し!

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極端なスランプになった時、『おっ3』はバックスイングができなくなったことがあります。

その時に動けるようになったのは、以下の『押す』動作を、バックスイングの動き出しに取り入れたことがきっかけでした。

1.両脇で軽く大胸筋を『押す』(脇が締まります)

2.左手の小指付け根付近でグリップを『押す』(テコの原理で、クラブヘッドがスムーズに上がります)

3.同時に右の股関節を左後方に『引く』(2の動きと相まって、自然とトップに向かいます)

2つの『押す』、1つの『引く』動作で滑らかに動き出せるようになりました。

切り返し!

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トップでは、右股関節と右足裏で地面をグイッと『押す』ことが重要と思います。

そして切り返しです。

切り返しでは、グリップをトップの位置にキープしたまま、左股関節と左足裏で地面を『押す』ようにします。

お気付きかもしれませんが、トップで右股関節と右足で十分に地面を『押す』ことができていないと、切り返しで左股関節と左足裏で地面を『押す』ことができません。

また左股関節と左足裏は、この後で左股関節を右後ろに『引く』ことができるように『押す』必要があります。

『押す』と『引く』の違い!

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ちょっとここで『押す』動作と『引く』動作の違いを分析してみましょう。

皆さんは、日本の鋸(のこぎり)と西洋の鋸の構造の違いをご存知ですか?

一番の違いは、歯の向きです。

日本の鋸は『引く』時に切り、西洋の鋸は『押す』時に切ります。

それでは、どちらが体力を必要とするでしょうか? おわかりですよね。

『押す』ほうが、腕力を中心にしたパワーを必要とします。

西洋の木こりや大工さんに筋骨隆々とした方が多いのは、こんな道具の違いにも起因しているかもしれません。

スイングを『押す』と『引く』に分解した時に注意したいポイントは、上半身の効き腕側の力で『押す』動作は極力避けることです。

『引く』動作のほうが、少ない力で正確に動けるからです。

ここまでも『押す』動作は、下半身主導で書かれていると思います。これも大きなポイントになると思います。

ダウンスイング!

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切り返しからは、左股関節を右後方に『引く』動作に移行します。

この時に絶対にやってはいけないのは、右肩や右腕で『押す』動作をしてしまうことです。上半身の利き腕側は、インパクトまでは何もしないくらいの意識で良いと思います。

切り返しと同時に、左手のひらを斜め後ろに『押す』動作を入れても害は少ないと思います。

左足裏でしっかりと地面を『押す』ことを意識しながら、左股関節を右後ろに『引く』動作を続けること、その時に左脇が左の大胸筋を『押す』ことも併せて続けることで、
ダウンスイングからインパクトに向かいます。

この時、ボールに当てる意識は不要です。

インパクト直後!

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利き腕は、インパクトまでは絶対に『押す』動作はしません。インパクトまでは利き腕側の肘に余裕を持たせたままにしましょう。

ボールとクラブがコンタクトするタイミングで初めて、右手のひらを地面の方向に左回転させながら、ボールを『押す』ようにします。

ここまでの『押す』と『引く』で生まれたスピードがここで仕上げのようにクラブヘッドを加速させ、ボールをつかまえてくれます。

すると、写真のユン・チェヨンのように左足裏で地面を『押し』、左股関節が右後方に『引く』動作を続けることで身体の回転が加速し、両肘が伸びた状態になります。

この状態は、作るものではなく、自然とできるものです。

フィニッシュ!

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日本でも人気上昇中の、パク・キョルのバランスの取れたフィニッシュ。

左足裏でしっかりと地面を『押す』のは言うまでもありません。

この状態になるためには、いくつか注意するべきポイントがあります。

まずは、左肩を『引く』意識が強過ぎて、左肘を身体の後ろに引かないことです。

左肘は身体の前の上方に『押す』のが正解です。それでも回転に釣られて、パク・キョルのような位置に収まると思います。

地面を『押す』動作以外は、すべて円運動の中で行いましょう。

スイングを単純な動作に分解して、ご自身の能力を最大限に引き出しましょう!