プロゴルファー
こせきよういち
当代随一の嫌われ者=パトリック・リード~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#161
先週のWGC「メキシコ選手権」を制したのは、大会前に悪評が話題になっていたパトリック・リードでした。
選手仲間や解説者から「チーター(ごまかし屋)」の批判が絶えない。けど、本人は「そんなこと知ったこっちゃない」とばかりに勝ち切ってしまう。
今回はそんな、当代随一の嫌われ者=リードの悪評・悪行を振り返ってみます。
大会直前、2か月前の悪行が再度話題に
「メキシコ選手権」の週の月曜日(2月17日)。ブルックス・ケプカは米ツアーのネットラジオ番組に出演。
昨年12月の米ツアー競技「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で、パトリック・リードの上掲動画にも映った不正(ボールのライの改善)について尋ねられると、
「彼が何をしたのか、バンカー内で砂の城を建てようとしたのか、僕は何も知らない。でも、自分のクラブが砂に触れたときは、みんなはそれが分かるはずだ。僕はビデオを見たけど、リードは明らかに2度砂に触れ、砂を掃いていた」
として、リードは自分がやったことを分かっていたはずと、遠回しですが、リードを非難しました。
その3日後、今度は元解説者のピーター・コスティスが追い打ちをかけるように、
「彼がライを改善するのを、私は間近で4度見たことがある」
と、やはりネット番組(ポッドキャスト)で語ったのでした。
直後の「プレジデンツカップ」でヒール
Patrick Reed having some fun with the crowd. #QuickHits pic.twitter.com/RFEz6kgaUQ
— PGA TOUR (@PGATOUR) December 13, 2019
「ヒーロー・ワールドチャレンジ」でのライの改善は、結局、ラウンド後に前述のビデオを示され、リードは2打罰となりました。
すると、直後にオーストラリアで開催された「プレジデンツ・カップ」では、まさに「ヒール(悪役)」扱い。毎ホール、容赦ないブーイングを浴びることに。
上掲のツイッター動画では、パッティングの瞬間に「ミス(外せ)!」の掛け声。それでもカップインすると、周囲から一斉にブーイング。
なかには「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で砂を掃いたことをとがめる声が混じっていたのでしょう。
それに対し、リードはスコップで砂を掘って捨てるようなアクション。敵側ファンにとってはなんとも憎々しい。
そして、大会3日目にはリードのキャディ=ケセラー・カレイン(義理の弟)が詰め寄ってきた敵側ファンからリードを守ろうとしてもみ合うトラブルにまで発展したのでした。
ヒールはもうベテラン
リードのヒールぶりが最初に存分に発揮されたのは、彼が24歳のとき。2014年に敵地スコットランドで開催された「ライダーカップ」の舞台でした。
このときリードはジョーダン・スピースとのペアで2勝1分け、シングルスでも勝利する大活躍(チームは、欧州代表に敗戦)。
当然、敵側ファンからは盛大なブーイングを浴びたのですが、それに対するリアクションがこの「しーっ!」。つまり、「黙れ!」「静かにしろ!」というもの。
それからすでに6年。
パトリック・リードはすっかり当代随一の嫌われ者に。
それでいて強いから、東京オリンピックのアメリカ代表になる可能性だってあります。
だから、今後も注目しなければなりません。
なんとも困ったものです。