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カリスマ店長のツアー回想録【2007年スタンレーレディスの異例のプレイオフ】

カリスマ店長ねこが、2007年の学生時代にツアーバイトをしていた時の話。

スタンレーレディスは何年か前にも台風で短縮競技になったことがありました。今日はそんな思い出話です。

台風19号大変でしたね。

被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げるとともに、一日でも早い復興をお祈りいたします。

ゴルフ界への影響も当然大きく、私の大好きな河川敷ゴルフ場は軒並み川底へ沈んでしまいました。

週末のトーナメントも男子ツアーのブリヂストンオープンは土日とも中止、女子ツアーのスタンレーレディスは土曜日中止で日曜日は9ホールでの決着となりました。

スタンレーレディスは何年か前にも台風で短縮競技になったことがありました。今日はそんな思い出話です。

2007年のことでした。

この頃スタンレーレディスは7月開催でした。

大会週の9日(月)に台風4号が太平洋上で発生し、14日(土)に鹿児島県に上陸しました。

大会が開催されていた静岡県の東名カントリークラブにも大雨が降り、2日目のラウンドは9ホールのみとなりました。

27ホールを終えて、首位には横峯さくら、上田桃子、有村智恵の3人の選手が並んでいました。

明けて15日(日)の朝。

台風はさらに東海地方へ接近し、午前6時にラウンドの中止が発表されました。

中止を決定した大会本部では、3人でのプレイオフのみを行うか、3人同時優勝とするかが協議されます。

雨はさほど強くはなく、台風も午後には通り過ぎるという予報です。

しかしコース内は水たまりだらけで、とてもゴルフができるような状況ではありません。

大会本部の決定は、パー3の16番を3回ずつプレイするという異例なものでした。

フェアウェイはぐちゃぐちゃだけど、ティーグラウンドとグリーンだけなら何とかなるだろうという発想なのでしょうか。

ちなみにプレイが決まった後の選手は、「え? マジでやるの?」という表情をしていたそうです。

プレイが3ホールだけとはいえ、入念に準備しないといけないですからね。選手も大変です。

2つのボギーを打ってしまった横峯に対し、上田と有村は3回ともパーをセーブし、勝負はサドンデスに持ち込まれます。

1ホール目に上田がバーディを奪い、優勝をもぎ取りました。

勝利への執念が、上田が一番優っていたように感じました。

上田はこの年5勝を挙げ、史上最年少賞金女王、29試合中23試合でトップ10という無類の強さを誇りました。

大会がすべて終了し、夕方には快晴の青空の中、コースからは雄大な富士山を拝むことができました。