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日本の『スマイルシンデレラ』に世界中が熱狂!〜渋野日向子が全英女子オープン優勝〜
イギリスで開催された海外女子メジャーの『AIG全英女子オープン』。
このビッグトーナメントで一番の輝きを放ったのは、今年の日本女子ツアーに彗星のごとく現れた“シンデレラガール”こと渋野日向子選手でした。
岡本綾子さんも絶賛!
イギリスで開催された海外女子メジャー最終戦『AIG全英女子オープン』。
鈴木愛、畑岡奈紗といった本命の日本人選手が次々に予選落ちを喫する中、堂々の2位で予選を通過した渋野日向子選手。
初日-6、2日目も崩れることなく-3でトータルスコア-9という安定ぶり。
今回は日本のコースに近い林間コースで開催され、さらに地元から大勢の日本人応援団がかけつけたとはいえ、これが海外ツアー初参戦の渋野選手。
それでこの結果とは恐れ入りました。
今年の日本女子ツアーで2勝を挙げているとはいえ、昨年プロテストを合格したばかりのルーキー選手。
しかし日本女子ツアーでの活躍同様、今大会でも笑顔を絶やさない、そして終始攻めのゴルフに徹していました。
緊張どころか笑顔でプレーを楽しむ渋野選手に世界のメディアも大注目。
試合後のインタビューでも、お菓子の“よっちゃんイカ”を紹介したり、歯切れの良いコメントの数々がメディアに大ウケ。
『スマイルシンデレラ』と名付けられた日本の無名選手は一気に大会の主役となりました。
米LPGAツアーで賞金女王経験もある岡本綾子さんが「彼女は海外向き」と絶賛していたのも頷けます。
子供達にスペシャルサービス
そして3日目。
この日は9番ホールで嫌な3パットを喫してのボギーで前半を終了。
しかしこのまま崩れるかと思いきや、後半に攻めのギアを一段上げてのバーディーラッシュ。
終わってみれば2位に2打差をつけ首位に立ちました。
首位に立ったことはもちろんですが、さらに驚かされたのが渋野選手のファンサービス。
17番ホールから18番ホールへの移動中、ハイタッチをせがんできた子どもたちに笑顔で手を合わせました。
さらにその中の「Glove!(グローブちょうだい!)」とせがんできた子には、それまで使っていたグローブにサインを書いてプレゼントしたのです。
優勝争いの緊張の中での神対応。
試合中の笑顔に加えこのふるまいで、イギリスの観客も一気に渋野選手のファンになりました。
ちなみに渋野選手、ホールアウト後の練習を見に来ていた子どもたちにはサインボールをプレゼントしていたそうです。
そして運命の最終日!
そして運命の最終日はやはり序盤から試練が襲ってきました。
3番ホールで4パットを喫して痛恨のダブルボギー。
首位から陥落してこのまま後退するかと思われました。
しかし渋野選手、重圧のかかる最終日最終組でもいつものルーティンを変えませんでした。
大好きな駄菓子をパクパク口にしてリラックス、大観衆には笑顔とハイタッチを絶やしません。
すると今大会で得意としてきたバックナイン(後半9ホール)でまたまたバーディーラッシュ。
そして、首位タイで迎えた最終18番ミドルホール(パー4)。
2オンに成功すると、約5メートルのバーディーパットを彼女らしい“壁ドン”(カップの奥の壁に当てる強めのパッティングのこと)で決めて劇的な優勝を飾ったのでした。
まさにシンデレラストーリーここに完結です。
優勝賞金は日本円で約7400万円!
日本人の海外メジャー制覇は、男女を通じても樋口久子さん以来となる42年ぶり2人目、あの岡本綾子さんや宮里藍さんも成し得なかった偉業です。
そしてこの優勝で来季のアメリカ女子ツアーのシード権もゲットしました。
しかし渋野選手本人はまだまだ日本ツアーで頑張りたいからと、権利は行使しない模様。
優勝を決めた後も「どうしよう、やっちゃった」と、天真爛漫な渋野節が炸裂していました。
涙はなく、最後まで笑顔を絶やさずに観衆を魅了した渋野選手。
海外メジャー初挑戦で優勝カップを手にした彼女は、世界が認める正真正銘の『スマイルシンデレラ』となったのでした。