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おっ3
全集中!グッドショットの呼吸!
『全集中 水の呼吸 壱の型 水面斬り!』
大人気アニメ『鬼滅の刃』のキメ台詞ですね。
鬼と戦う『鬼滅隊』の戦士たちは、それぞれの呼吸法と型を持つ、一撃必殺の剣の使い手が揃っています。
呼吸法を体得することで、身体能力を向上させたり、集中力を極限まで高めるという設定です。
読者の皆さんは、ショットやパットの際に『呼吸』を考えたことはありますか? 息を吸うのか吐くのか、はたまた止めるのか……。
グッドショットのためにも、呼吸は大切な要素だと思います。
呼吸と脈拍
激しい運動をすれば、例えトップアスリートでも呼吸は激しくなり脈が上がります。この状態のままでショットやパットに臨み、良い結果を期待できるでしょうか?
答えは言うまでもなく『No』。
ゴルフはテンポやリズムに大きく影響されるスポーツです。呼吸や脈拍のテンポやリズムが変わることは、プレーにも影響します。
できる限り、平常時の呼吸数と脈拍でスイングしたいものです。
呼吸数が多く脈が速い状態では、スイングテンポが速まり、バックスイングでは肩の入りが浅くなることが予想されます。
切り返し後も右サイドからのダウンスイングになり、到底グッドショットは望めないでしょう。
砲台グリーンでクラブを杖替わりに使って登り降りし、息も絶え絶えにカップインを狙っても、良い結果を期待するのは難しいと思います。
ゴルフにとって、かくも呼吸が与える影響は大きいと言えるでしょう。
呼吸とパフォーマンスの関係を探る
呼吸とパフォーマンスの密接な関係は、経験則上わかってはいるものの、科学的に掘り下げられて来たのは最近のことのようです。
野球少年だった『おっ3』は、インパクトの瞬間に短く息を吐くとスイングが速くなる感覚を知りました。
ウェイトリフティングでは、息をすべて吐き切る瞬間に最大のパワーを発揮することができるとされ、大きな声と共に息を吐く選手も見受けれらます。
一方、武道では息を吸う瞬間が相手に対する隙を与えるとされ、呼吸を悟られないようにすることも奥義とされていたようです。
競技によって最大のパフォーマンスを上げる呼吸法に違いはありますが、その関係は密接であると言えるようです。
リラックスにつながる呼吸
『力み』はすべてのゴルファーの敵ですよね。
しかし、『飛ばしたい』、『当てたい』、『ボールを上げたい』という欲望に負けて、『力み』からミスショットを重ねてしまった経験は誰しもお持ちではないでしょうか?
では、欲望に負けた時の呼吸と脈拍はどのような状態になっているでしょうか? もうおわかりですよね。
呼吸は荒く速くなり、脈拍も上がっているはずです。
いわば、軽い興奮状態です。この状態は力みに直結してしまいます。ショットやパットの前には回避したいですよね。
では、リラックスして『力み』を生みにくい呼吸とは?
深く長い呼吸、すなわち深呼吸を数回すると脈拍も落ち着き、脳にも酸素が行き渡りリラックスした状態になります。
ボールを探したり砲台グリーンを登った後なども、深呼吸を何度か繰り返し、脈拍を落ち着かせてリラックスに努めることをおすすめします。
フルショットの呼吸!
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『呼吸』という観点でフルショットを分析してみましょう。
まず、動き出す前に息を吸いますか? それとも吐きますか?
これは人それぞれかもしれません。
『おっ3』が避けたほうが良いと思うのは『大きく息を吸って止めたままスイングを始める』ことです。
肺を膨らますと、捻転しにくくなります。すると肩の入りが浅くなってしまうからです。
また、大きく息を吸って止めた後の動作は、柔らかさを欠き力みにつながります。これも回避したいですね。
『おっ3』のフルショットの呼吸は、息を少し吐いた後に動き出しています。そしてインパクトの瞬間は瞬間的に息を小さくさらに吐き出しています。
息を吸う、あるいは止めると力みがちですが、吐くことはリラックスにつながると思います。
アイアンの呼吸!
ゴルフという競技は、本来ティーショットからボールの落し所を狙うスポーツです。さらには、アイアンショット、アプローチ、パットの順で狙う精度はより緻密になります。
緻密さが求められる時は、より静かな呼吸が必要です。
『おっ3』の場合は、4番アイアンで200ヤード以上先を狙う時も、52度のウェッジで110ヤードを狙う時も、ほぼ同じ呼吸をするように心がけています。
ロングアイアンは静かに呼吸して脈を落ち着かせると、ショットの成功率は上がります。
アドレナリンが出るような興奮状態にならない呼吸がアイアンショットには適していると思います。
グリーン周りからの呼吸!
飛距離を求めるフルショットでは、インパクトの瞬間に息を吐きますが、グリーン周りではそれをしません。
少し息を吐いてスイング(パット)動作に入ったら、打ち終わるまで息は止めています。脈拍も自宅のリビングでリラックスするくらいまで落ち付けられると良いと思います。とにかく呼吸の点でも『静』の状態を作りたいのです。
砲台グリーンを登ったとしても、心臓がバクバクと音を立てている状態は、精度の高いプレーに適していないと思います。
全集中!
呼吸によってパフォーマンスを上げるのは、鬼滅隊の戦士ばかりではありません。我々ゴルファーも同様です。
ラウンドの際に、『全集中』の呼吸ができるようにするためには、日ごろのトレーニングも必要です。ウォーキングや、深呼吸を繰り返すなど、心肺機能を高めることは、非常に有効です。
呼吸が苦しくなった時に懸命に息を吸おうとするのは本能的な行動です。しかし、どんなに吸っても肺の中の二酸化炭素を吐いてしまわないと、苦しい呼吸から回復しません。
苦しい時ほど、肺の中の空気を吐き出すように努めてみてください。呼吸が整うまでの時間が短くなります。
ショット、パットと呼吸の関係を考えることはあまりなかったかもしれませんが、より楽しいラウンドのために、少し工夫してみてはいかがでしょうか?
『全集中! グッドショットの呼吸!』
お試しください。