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セルフプレー全盛の今、あえてキャディー付きでプレーしてみた!
【キャディー】『広辞苑』によると、「ゴルファーに随行して、クラブを運んだりプレー上の助言をしたりする人」とあります。すなわち、ゴルファーにとってはお助けパーソンというわけですね。
先日、行きつけのコースで珍しくキャディー付きでプレーしました。難攻不落なホールが数ホールあるので、キャディーさんに攻略のアドバイスをもらうという目的です。
冬芝の難しいコンディションでスコアはワーストスコアだったのですが、全然イライラしませんでした。
その理由は単純です。笑顔の素敵なかわいいキャディーさんだったから。しかも人柄が柔らかくて、ホンワカした女子だったので、怒りがどこかに飛んでいってしまいました。
好きな音楽やライブの話をしながらのラウンドで、共通の好きなアーチスト話で盛り上がり、いい気分でした。
ホンワカし過ぎて、スコアに執着がなくなってしまったという面もありますが、年に一度あるかないかのワーストスコアが年始にいきなり出てしまったのですから、セルフだったらイライラが止まらなくなってしまっていたと思います。
かわいい女子キャディーさんだったからイライラしないなんてのは、少々不純なのでしょうけど、精神的に助けられたのも事実です。
正直、悪いスコアであれほど穏やかに過ごせたことはありません。
こんなキャディー効果があるのか?
と30年以上のキャリアで初めて気付かされたのですが、改めてキャディー付きのゴルフについて考えてみようと思い、これを書いています。
ということで、今日はキャディーさんについてのコラムです!
松山英樹選手と元帯同キャディーのエピソードをご紹介します!
帯同キャディーというのは、ツアーを転戦しながら、練習から試合まで共にするキャディーのことです。生活まで共にしたりする場合もあります。要はプロゴルファーとの間に「普段」が存在しているわけです。
コースのことを知りたいだけならハウスキャディーのほうがよく知っているのに、帯同キャディーを使う意味は何なのでしょうか?
以前放映されたゴルフネットワークの松山英樹選手と元帯同キャディーの進藤大典さんの対談番組でこんなエピソードがありました。
松山選手がアメリカで初優勝した試合(ザ・メモリアルトーナメント)で、進藤キャディーはパターを宿に忘れてしまったそうです。ジャック・ニクラウスの看板トーナメントでもあり、一流選手が集まる試合なのにですよ。
結局、パター練習もできずにスタートしたそうですが、幸いなことにスタッフの1人が宿まで取りに行ってくれたそうで、スタートホールの途中で届き、なんとかなったという話がありました。
こんな試合で初優勝してしまうのですから、松山選手のポテンシャルの高さにも驚きますが、何より選手とキャディーの日頃からの関係がこの優勝につながったのではないでしょうか。
常日頃からの信頼関係が、松山選手をハプニングから救ってくれたということです。
このエピソードに象徴されるように、選手と日頃の生活や練習から共に時間を過ごすことにより、プレー中も日頃と同じように平常心でいられるようにする「普段」が存在するというところに、プロゴルファーが帯同キャディーを使う理由があるのだと思います。
一般ゴルファーとハウスキャディー
最近ではプレーフィーのデフレ化によりセルフプレーがラウンドの多くを占めますが、僕がゴルフを始めた30数年前はキャディー付きが当たり前でした。
キャディーさんからゴルフ場での所作を習うこともありましたし、的確なアドバイスに助けられてベストスコア更新なんてこともありました。
初めて70台で回った時は、70歳くらいのおばあちゃん? と言いたくなるようなキャディーさんでしたが、このキャディーさんのアドバイスが素晴らしく的確で、ベストスコア更新となったのです。
僕の飛距離を短時間で把握して「お客様ならこのラインを狙ってください」というようなプレーヤーの特徴をしっかり活かしたアドバイスをしてくれていたわけです。埼玉県にある、日本オープンも開催したことのある名門コースです。
もちろん、キャディー付きのプレーフィーは3000~4000円の割高になります。毎回キャディー付きにしろ、とは言いませんが、初めてのコースや難攻不落なコースではぜひキャディー付きで挑んでみてください!
必ずやセルフプレーでは気が付かないことに気付かせてくれるはずです。
とはいえ、ダメなキャディーさんがいるのも事実です。
中途半端に名門ぶっているコースのキャディーさんで、威張っていたり、初心者や若いゴルファーに対して横柄な態度を取る人も残念ながらいます。
また、残り距離を聞いているのに、プレーヤーの技量によって違う距離を告げるキャディーさんもいます。
距離は正確でなければなりません。同じ場所から打つのに「上手い人には100ヤード、初心者には120ヤード」と告げていてはダメですね。
的確に必要な情報を告げてくれる。余計なことは言わない。プレーヤーの状況をよく見ている。そして笑顔。
こんなキャディーさんが僕は好きです。
キャディー側から見たこんなゴルファーは嫌だ!
僕は学生時代にキャディーのバイトをしていました。時はバブル全盛期。大きな賭けゴルフに遭遇したこともしばしばありました。
今とは時代が違いますが、キャディー経験からくる「こんな客は嫌だ!」を4点ほどご紹介します。
1.自分のミスをキャディーのせいにする客
残り距離を正確に伝えたのに、自分自身の飛距離を把握していないためにショートしたりするんです。そしてキャディーにあたる。
中途半端に上手いゴルファー(ハンデ9~13くらい)に多く、クラブハウス内で態度が大きいのですが、そんな客に言いたい!
「あんた、そんなに飛ばないよ」
2.キャディーが責任を持てないほどのニギリ(賭けゴルフ)をする客
何十万円も動くようなゴルフをする人達がいます。これを外したら何十万円負けなんて金額聞かされても、キャディーは責任持てません。そんな客に言いたい!
「コースの品位が疑われるので、もう来なくていいよ」※それ以前に犯罪です!
3.難しいライのボールを打つのに、フェアウェイウッド等の上手く打てるはずのないクラブを持って行く客
そして案の定、崖下やOBを打ってしまう。そんな客に言いたい!
「そのボール探しに行くの嫌だ!」
4.下ネタだらけの会話の客
僕は男性なので経験ありませんが、キャディー室では女性のキャディーさん達が愚痴っていました。そんな客に想像で言いたい!
「それはキャバクラでやってちょうだい」
最後にキャディー側から見た、こんなお客様に付きたい!
僕がキャディーバイトをしていて、心地良く感じたお客様とは……プレーがスムーズなお客様です。
スムーズとは、準備ができているという意味。
次に何をすべきか考えているプレーヤーですね。残り距離を告げる前に自分で判断してクラブを数本持ってボール位置まで行って、打順が来るまで待っていられるプレーヤー。
これは、スコアの良し悪しとは関係ありませんでした。シングルさんでもモタモタしている人はいます。イチイチ指示を出さなきゃ次の行動に移らない。
スコアは悪くても行動が早く、次の行動を想定できるプレーヤーなら何度でもキャディーとして付きたいですね。
ちなみに、チップの有無とキャディー側のサービスは関係ありません。中には露骨に変わるキャディーさんもいるかもしれませんが、僕が知っている限りは皆、キャディーフィーとして十分な報酬をもらっていると思っています。
先述の、僕が初めて70台でラウンドできた時の、70歳くらいのキャディーさんは、チップをあげようとしたら「若い人がそんな気を遣ってはいけません」と受け取ってくれませんでした。
特に若い方はチップなんか気にせずに、わからないことはキャディーさんにどんどん聞いて、スムーズなプレーを覚えましょう!
キャディーさんもプレーヤーも人間です。お互いがミスをすることを想定して、お互いを許しあえたら理想的。
4~5時間の短時間ではありますが、いい関係を築いてぜひ楽しいラウンドにしてください。
ベストスコアの更新も可能ですよ!
元クラブフィッター&キャディーの《zoro》でした。