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ハードヒッター御用達!?スリクソン ZX フェアウェイウッドを試打!【動画あり】

ZXシリーズの発表から大人気のスリクソン(ダンロップ)のシリーズ。

今回はフェアウェイウッドの試打インプレッションをしてみたいと思います。

ご存知、ZXシリーズと言えば、世界の松山英樹プロがZX5 ドライバーを投入したことによって一気に人気に火が付いたシリーズです。

ドライバーとフェアウェイウッドって結構同じシリーズで揃える人もいるので、どんな性能なのか見ていこうと思います。

残念ながら松山英樹プロは現在投入してません

getty

いきなり出鼻を挫いてしまいますが、残念ながら松山英樹プロはZX フェアウェイウッドの投入を見送っています。

最新の情報では、フェアウェイウッドはテーラーメイドのSIM2を入れているみたいですね(マスターズ出場時)。

この理由として予想されることは後半に取っておこうと思います。

ドライバー同様のリバウンドフレーム搭載

さて、性能面に目を向けてみましょう。

このZX フェアウェイウッドには、ZX ドライバーでも使われてる「リバウンドフレーム」が採用されてます。

おさらいですが、リバウンドフレームとは、フェースとボディに硬い部分と柔らかい部分を交互に配置してヘッド全体を大きくたわませてボール初速を上げようとする設計です。

どういうことかというと、以下になります。

エリア1(柔らかい部分):フェース
薄肉フェースでたわみやすいエリアとなってます。

エリア2(硬い部分):フェース周辺部
フェース周辺部剛性を高めることで変形を抑えるエリア。フェースそのものの変形を抑制しパワーロスを防いでいます。

エリア3(柔らかい部分):フェース折り返し部分
フェース周辺のエッジの剛性を高め、フェース折り返し部を後方に向けて薄くすることによりたわみの支点が後方にずれることで大きくたわませています。

エリア4(硬い部分):フェース後方
フェース後方に肉厚部を配置し、剛性を高めることでインパクトのパワーをすべて受け止めます。

この4つのエリアによってインパクトの時にフェースだけでなく、ボディでもその衝撃を受け止めてパワーロスなくボールを弾き返すようになっています。

松山英樹プロがZX5 ドライバーを投入した大会でビッグドライブを連発したことによってその性能の高さは証明されましたね。

#3だけは浅い重心で強弾道

実はこのZX フェアウェイウッドは3番ウッドとそれ以外で設計が大きく異なります。

まず3番ウッドだけにフォーカスしてます。

大きな特徴として「浅重心設計」ということが挙げられます。

メーカーからはキャノンソールと言われてますが、ウェイトの多くをフェース付近に持ってきています。

後半の試打動画内でも話していますが、まぁまぁ球は上がりづらい印象です。

よく言えば強弾道なのですが、フェアウェイウッドにやさしさを求めている人にはかなり厳しいクラブだと感じました。

クラウンはカーボン率が拡大し重心を低く(#3のみ)

この上がりづらいかもしれない3番ウッドですが、一応重心を低くするように頑張っているところもあります。

カーボンコンポジットクラウンですね。

比重の軽いカーボンの面積を拡大して余剰重量をソール側に持ってきています。

ほんの数グラム程度だと思いますが、これをやるかやらないかで重心位置は大きく変わりますのでメーカーの努力が伺えます。

#5と#7はシャローヘッドで高弾道

さて、3番ウッドは強弾道タイプですが、それ以下のクラブはそこまでハードではなさそうです。

5番、7番ウッドになるのですが、ヘッドをさらにシャローに設計しています。

シャローヘッドになると自動的にフェース上部にヒットしやすくなるので、比較的高弾道が打ちやすくなります。

この辺の番手だと「飛ばす」というよりも「グリーンを狙って止める」というほうが重視されそうなので、番手別設計になっているのだと思います。

今回動画では紹介できなかったのですが、試打会で打ってみたり店頭の計測器で測ってみると、3番ウッドと5番ウッドでは番手の差以上に球の上がりやすさに違いを感じました。

実際の試打動画をどうぞ

ここからは実際の試打動画をご覧ください。

※他の番手は用意できなかったので3番ウッドのみの試打です。シャフトは純正カーボンシャフトのディアマナ ZX50のSフレックスです。

まずはドライバーでヘッドスピード50メートル/秒(m/s)の人を想定して打っています。

自分は比較的弾道が高いタイプなのですが、動画ではかなり弾道が強いのがわかると思います。

風の強い日でもお構いなしに飛ばせそうですね。

無理に上げようとせずにこの強弾道を受け入れて打つほうが無難かと思います。

続いてヘッドスピード45m/s想定で打っています。

この段階でかなり厳しく感じています。最近では3番ウッドを抜いて5番ウッドから入れる人もいると思いますが、このクラブはまさにそういうセッティングを推奨してそうに思えます。

背伸びして3番ウッドを入れてもこの弾道ではフェアウェイウッドによほど自信がないと打ちこなすのは厳しいかな? と感じてしまいました。

最後にヘッドスピード40m/s想定で打ちました。

ヘッドスピード45m/sでも厳しかったので大体想像は付くと思いますが、3番ウッドを使うのは推奨しないレベルです。

ティーショット限定で使うとしても、よほど自信がないとスイングの際に不安要素が大き過ぎて力みにつながってしまう可能性が大いに考えられます。

ヘッドスピード45m/sまでの方は必ず試打をして3番ウッドを入れるか、5番ウッドからにするかを吟味したほうがいいと思います。

試打をして感じた推奨シャフトですが、フェアウェイウッドはドライバーのシャフトよりも少し重くするという定説もありますが、現在エースとして採用しているシャフトよりも重くするのはちょっと考えものです。

しっかり振っていかないと球を上げられないことを加味すると、ドライバーのシャフトとほぼ同重量のほうが良いと思います。

さらに、スイングの小細工で球を上げようとせずにオートマチックに球を上げるために、現在のドライバーシャフトより少しでも良いので先端の動きを大きくするなど球を楽に上げるセッティングにしたほうがいいと思います。

松山英樹プロはなぜフェアウェイウッドだけZXを採用しなかったのか?

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松山英樹プロの過去のフェアウェイウッドを見てみると、テーラーメイドのM2やM4などの偶数シリーズやSIM MAXと、比較的やさしめのヘッドを採用しています。

今回の3番ウッドはやはり彼から見ても少し球が上がらないと感じたのではないかと推測されます。

PGAの長いコースでグリーンを狙う際に、球を上げようとしなければならないので投入を見送った可能性があります。

皆さんもしっかり試打をして最適なクラブを見つけてみてください!