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初心者がクラブを購入するときは“ロフト角”に注目して選ぶ!?

ゴルフ初心者にとって最初の難関と言えばクラブ選びです。

ここでは、クラブ選びで重要な“ロフト角”とは何か、そしてドライバー、フェアウェイウッド、アイアンを選ぶとき、どのように“ロフト角”を目安にして選べばいいのかお伝えします。

なお、ここでは平均的な体力の初心者について語っています。

スポーツ経験者でアスリート出身の方などの、体力があって最初からヘッドスピードの速い初心者の場合は考え方がまた少し異なる場合があります。

クラブによって異なる「ロフト角」とは?

クラブの「ロフト角」とは、クラブを地面に置いたときに、垂直線と、ボールが実際に当たるフェースの平面部分が成す角度のことを言います。

フェースが斜めになっていればいるほどロフト角は大きく、垂直に近いほどロフト角は小さくなります。

一般的には、ロフト角の数値が小さい、つまりフェースの面が垂直に近い(“立っている”と言います)ほど飛距離が伸びると言われています。

クラブを選ぶとき、特に初心者がドライバーを選ぶ際には、ロフト角に注目する必要があります。

ロフト角に注目すべき理由とは?

一般的には、クラブのロフト角が小さいほど飛距離が出るといわれます。しかし、単純に一番ロフト角が小さいドライバーを選べば良いというわけではありません。

例えば、スイングのヘッドスピードが遅い方は、大きめのロフト角のドライバーを選んだ方がキャリーが伸びて遠くまで飛ばせる確率が高くなります。

なぜなら、ヘッドスピードが遅いとボールが高く上がらず、すぐに地面に落下してしまうからです。

一般的にはヘッドスピードが早ければ早いほどロフトの立ったもの(小さい)ものを、ヘッドスピードが遅ければロフトが寝たもの(大きい)という選び方をするようにしましょう。

これはドライバーに限らず、ロングアイアンやウェアウェイウッド、ユーティリティなど飛距離を求められるクラブに共通して言えることです。

つまり、自分のスイング(ヘッドスピード)に合ったロフト角のクラブを選ぶことで、その人なりの最大限の飛距離を出すことができるです。

まずは、自分に合うものが見つかるよう、いろいろなロフト角のクラブを試してみてください。

ロフト角選びの鍵になるヘッドスピードはどれくらい?

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ロフト角の選び方で大切になってくるのがヘッドスピードです。自分のヘッドスピードがどれくらいなのかを確認しておきましょう。

ヘッドスピードの計測方法ですが、実際にお店などの計測器で測定してもらうか、ドライバーなどの飛距離で大体の目安が割り出せます。

お店の計測器で測る場合は、男性なら40m/s以下でヘッドスピードが遅めの人。それ以上が普通の人、47m/s~くらいからハードヒッターになります。メンズ用ドライバーはロフトの立ったものが9.5度、ロフトの大きいものが10.5度のドライバーが多くなります。

この表示と実際の角度が違うということもよくありますので、おおよその目安にしかなりませんが、ヘッドスピード42~43m/sくらいを境にしてヘッドスピードが早ければ9.5度、遅ければ10.5度を選んでみましょう。

女性の場合はヘッドスピードが男性に比べて遅い方が多いため、ロフト角が大き目に作られています。

女性ゴルファーの平均ヘッドスピードは33m/sと言われています。ここではレディースクラブとして使用率の高い、ダンロップゴルフのゼクシオレディースを例にとってみてみましょう。

11.5度、12.5度、13.5度と3つのラインナップがありますが、ロフト角は大きければ大きいほど高く上がり、曲がりにくくなります。

ヘッドスピード30代後半ならば11.5度。平均前後なら12.5度、30m/s以下なら13.5度という選び方をしてもいいでしょう。もちろん表記のロフトと実際のロフトには違いがありますので、最終的には試打をして自分に一番合うクラブを探すのが得策です。

初心者が選ぶべきロフト角に対する考え方も見てみましょう。

初心者に最適なドライバーのロフト角とは?

ゴルフ初心者の方がドライバーを選ぶ際には、メンズならロフト角が10.5度のもの、レディースなら13度以上のものを試してみてください(ただし、ヘッドスピードの速い初心者は除きます)。

ロフト角だけで見ると少し大きな角度ですが、初心者の場合は、まずボールが高く上がることが飛距離を出すためには重要です。

そのため、ロフト角が小さいドライバーだと、ボールが十分な高さを得られず、すぐに地面に落下してしまい、飛距離が伸びなくなるのです。

ほかにも、最初からボールが上がりやすいロフト角のドライバーを使うメリットがあります。

初心者の方は、どうしてもボールを上げようとしてスイングが乱れてしまう場合が多いです。

最初からボールが上がりやすいドライバーを使用することで、ボールを上げようとする悪いスイングになりにくくなるのです。

以上のような理由から、少し大きめのロフトで球が上がりやすいドライバーを最初は選びましょう。

曲がりが少ないドライバーはロフト角が大き目!

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ゴルフクラブの構造上、ロフト角が大きければ大きいほど曲がりが少なくなります。

そのためドライバーの方向性に悩みがちなゴルフ初心者であれば、ロフト角は大き目のドライバーを選ぶとOBの確率を減らすことができます。

一発の飛距離はロフトが立っているモデルの方が出るかもしれませんが、ロフトの立ったモデルでOBを連発するよりは、安定したドライバーショットが打てるロフトが大き目のモデルを選ぶように意識してみてください。

ドライバーのカチャカチャ機能でロフト角を調整

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ドライバーの中には調整機能と言われる、通称「カチャカチャ」がついているものが増えてきています。このカチャカチャではロフト角を調整できますので、自分の欲しいボールに合わせて微調整が可能です。

ちょうどいいロフト角が見つからなくても、こうした調整機能がついていれば嬉しいですね。

またカチャカチャ機能にはライ角の調整や重心の深さ、重心の距離などが変更できます。自分のスイングや弾道に合わせて上手にカスタムしてみてくださいね。

ドライバー選びで大切なスピン量

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ドライバーを選ぶときに大切な指標の1つにスピン量があります。このスピン量が多すぎれば弾道は吹け上がり飛距離は出ません。また逆にスピン量が少なすぎるとボールが伸びず、下に落ちてきてしまいます。

このスピン量はヘッドスピードやボールの打ち出し角度によって変化しますが、2200回転から2500回転くらいがベスト。

ロフト角が大きくなればなるほどスピン量は大きくなるので、スピン量が普段から多い人がロフトの大きなクラブを選ぶと、ボールが上に上がるだけで、前になかなか飛んでくれないというケースもあります。

ただ注意したいのはこのスピン量はロフト角よりも影響が大きいのが、ドライバーを打ったときにスライス回転をしているのか、ドロー回転をしているのか、というポイントです。

スライス回転のボールが飛ぶとボールのスピン量が多くなり、ボールが上へ上へと上がろうとします。適正スピン量が2200から2500回転のところを、アマチュアゴルファーの中には4000回転近くのスピン量を計測する人もいます。

ロフト角を立てて多少これを抑制することはできるのかもしれませんが、かなりスピンが多いゴルファーはいたずらにロフト角が立ったモデルを選ぶよりも、まずはスピン量を減らすスイングを身につける方が飛距離を出すための近道になるんです。

このスピン量を低く抑えるためにはよく言われるインサイドアウトのヘッド軌道でドローボールを打っていく、というのが王道です。

ドローボールの打ち方についての記事はこちら。

ロフト角を小さくしているのにボールが上がりすぎる人はどうする?

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ロフト角を小さくしても、ボールが高く上がりすぎる人の原因は、ロフト角ではなくクラブの入射角が原因であるケースがほとんどです。

ボールを後ろから見たときに、ボールの飛んでいく飛球線に対して、ヘッドが外から内側の軌道で、かつ、上から下へ叩きつけるようなヘッド軌道になっています。

先ほど紹介したアウトサイドインの典型例で、この打ち方だとボールにスライス回転がかかり、バックスピンの量も大きくなります。そのためボールはぐんぐん上へ伸びていくような打球になります。

このようなボールが出る人については、ロフト角よりもまずは自分のスイング軌道を見直してみましょう。

アウトサイドインのヘッド軌道になってしまうと、ボールは高く舞い上がり、飛距離は出ない。しかも右へ大きく曲がるスライスボールになってしまいます。

飛距離が飛ばないだけならまだしも、風の影響を受けやすくなり、曲がりが大きいためOBの可能性も高くなってしまうんですね。

シャフト選びもスピン量や弾道に影響を与える

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ライバーを選ぶときだけでなくクラブ選び全体に言えるポイントですが、シャフトの性格もスピン量や弾道に影響を大きく与えるファクターの1つです。

しかしロフト角のように目に見える数字ではないため、なかなか分かりにくいのもあって重要視されていない傾向にあります。

シャフトにはキックポイントというものがあり、シャフトの先がしなる先調子、シャフトの手元がしなる元調子、中間がしなる中調子、というものに分かれます。しなるポイントが2つあるダブルキック、というシャフトもありますね。

そのためロフト角が同じモデルでも、シャフトを変えれば弾道に違いが出てくるのです。基本的には先調子のシャフトであれば、捕まりやすく、高いボールになります。元調子のシャフトは捕まりすぎず、先調子よりはボールが低くなります。

ロフト角でボールの高さやスピン量をコントロールしようとしたのに、シャフトがそれぞれ違うものであれば自分の予想と違う結果になってしまうかもしれません。

その他のクラブを選ぶ際に大切なこと

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ドライバー以外のクラブを選ぶ際も、ロフト角に注目することはとても大切です。

初心者のうちはフェアウェイウッドは必要ないかもしれませんが、簡単なのはロフトが16度以上のものです。

3~4度前後の間隔で必要に応じて2、3本入れるといいでしょう。

4番ウッドと5番ウッド、5番ウッドと7番ウッドといった感じです。

市販されている3番ウッドは、ほとんどがロフト角が15度以下で、ヘッドスピードによっては地面の上から打つとほとんど球が上がらず、とても難しいクラブです。

そのため3番ウッドはある程度上達しても、キャディバッグに刺さったまま出番がないという方も多いため、ひとまず急いで購入する必要はありません。

アイアンは、また事情が異なります。

アイアンの場合、実は、初心者向けのやさしいアイアンの方が、同じ番手でもロフト角が立っているという傾向があります。

なぜなら、初心者向けのアイアンは、クラブヘッドの構造自体を低重心にするなどして球を上がりやすくしているため、その分ロフト角を立てて遠くに飛びやすくしているのです。

ですから、お店の人に確認したり、WEBで調べたりするなどして、球が上がりやすい、初心者用のアイアンを選ぶといいでしょう。

メーカーによってロフト角は違うの?

アイアンやドライバーなど、メーカーによって大きく特色が出ていますよね。そこでこのメーカーはロフトが立っている、こちらのメーカーはロフトが立っている、と判断ができるのでしょうか。

答えはNOです。

ロフト角はメーカーというよりは、商品によって変わってきます。同一メーカーでもあるアイアンは飛び系(ロフトが立っている)アイアン、別のアイアンではノーマルロフトのアイアン、というようにメーカーが同一のアイアンでもモノによって性格が変わってきます。

ただフェアウェイウッドやドライバーに関して言えば、それぞれのメーカーや商品によってロフト角の差は出にくくなっているように思います。

ロフト角はやはりアイアンが大きく変わってくる印象ですね。

ウェッジのロフト角はどう選ぶのが基本?

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多くのアイアンセットが、ピッチングウェッジまでのセットになっているでしょう。

そこでそれよりロフト角の大きなウェッジと呼ばれるクラブはどのように選んだらいいのかもチェックしていきましょう。

アプローチウェッジのロフト角

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一般的なアプローチウェッジとして使われるもののロフト角は50度前後が一般的です。

アプローチウェッジはスイングスピードが速い人でも、100ヤード前後からグリーン周りのアプローチで使われるクラブです。

しっかり振って100ヤードくらいの飛距離にピタリと付ける、グリーン周りからピッチ&ランでピンを狙っていく、というような使い方が一般的です。

サンドウェッジのロフト角

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サンドウェッジとして使われるクラブの多くが55度や56度、58度と言われるものです。名前の通りサンドウェッジとはバンカーからの脱出に使われるものです。

構造的にバンスという部分(クラブのソール)が出っ張っており、砂に刺さりにくい作りをしています。そのためサンドウェッジの場合は、ロフト角よりもバンス角を気にする方も多いんですよね。

サンドウェッジとして市販されているバンス角は12度や14度というハイバンスと呼ばれるモデルがバンカーショットには最適です。

逆に55度56度、58度というロフト角のウェッジでも、バンス角が8度、10度というローバンス、もしくはノーマルバンスのモデルではバンカーへの刺さりにくさを犠牲にして、芝の上からのショットの使いやすさを伸ばしたモデルと言えますね。

ちなみにサンドウェッジだからと言って、バンカーからしか使えないわけではありません。

芝の上から打つにはサンドウェッジのバンス角が邪魔になるので、ハンドファーストに構えてバンスを消してから打つ、などのショットに工夫をして使うゴルファーがたくさんいます。

ロブウェッジのロフト角

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キャディバッグに入れている人、入れていない人に分かれるのがロブウェッジと呼ばれる60度以上のロフト角を持つウェッジ。

ボールを高く打ち上げることができ、グリーンにボールを落としたらランを出したくない場面などで有効なウェッジです。

ウェッジのロフト角はピッチングからの流れが大切

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ウェッジを紹介してきましたが、まずは自分のアイアンセットの中でピッチングウェッジのロフト角を知るのが非常に大切です。

ピッチングウェッジは大体45度から48度くらいが主流になっています。

そのため

・ウェッジは何本欲しいのか
・ロフトが一番大きなウェッジでは何度のものを使いたいのか

を考えるとウェッジセッティングが決めやすくなります。

例えばピッチングウェッジが45度の場合で、ウェッジを3本入れたい、最大60度のウェッジを使いたい、と考えた場合を見てみましょう。

ロフト角のバリエーションにもよりますが、「52度、56度、60度」や「48度、54度、60度
」などを選ぶ方が一般的です。

また2本の場合では「50度、56度」や、「52度、58度」というチョイスをする方も。

ピッチングの距離とウェッジの距離であまり大きな距離の差が出ないように、ロフト角を選ぶようにしましょう。

おすすめウェッジセッティングは50度or52度と56度

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ウェッジセッティングでおすすめしたいのは50度か52度を1本、56度を1本です。ここにロブウェッジを追加するかどうか、になると思いますが、ショットの難易度がちょっと高くなる60度などのロブウェッジはおすすめしません。

56度ではダメで60度でしか狙えない、というシチュエーションがほぼ皆無だからです。

氷の上のようなグリーンでは必要になる場面もあるかもしれませんが、ゴルフ場の一般営業ではそのような超ハイスピードのグリーンはまずありえません。

基本に忠実に手前から転がしていけるようなセッティングにした方が、アプローチもシンプルに考えることができるようになりますよ。

パターにもロフト角が付いている!?

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実はほとんど気にする人がいないかもしれませんが、パターにもロフト角がついています。

パターのロフト角は4度前後が主流になっています。パッティングをしたときも、インパクトの瞬間、ほんの少しボールが浮いて転がり始めます。

インパクトの瞬間は実感できない程度のバックスピンがかかり芝に着地、その芝の摩擦によってボールは順回転を始め転がっていくというのがパッティングのメカニズムです。

「ボールの転がりが良い」と言われるパッティングをするためには、この打ち出しの瞬間、わずかに宙に浮いているボールの動きが大切だと言われています。

パターはボールを転がすだけ、と単純にとらえられてしまいますが、そのボールを転がすために、より良い結果となるように最適化されたのがパターのロフト角です。

ほんの少しだけついているパターのロフト角にもちゃんとした意味があるんですね。

ちなみにパターのロフト角については2.5度から6度くらいの商品もあります。

スクエアにインパクトできる方は主流の3度や4度のものを。

ハンドファーストの度合いが強い人は大き目。

ハンドレイド気味の人は小さ目。

といった具合にパターのロフト角を選んでみましょう。

ロフト角とクラブの密接な関係

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ゴルフクラブのロフト角を見るときは、初心者の場合“球が上がりやすい”クラブを選ぶことが重要です。

なぜなら、ドライバーの項でも説明しましたが、ほかのクラブも同様に、“球を上げるのはクラブで、スイングではない”ということを体が覚えることで、球をすくい上げるような悪いクセが付くのを防げるからです。

なので、球の上がりやすさと“ロフト角”に注目して、自分に合ったクラブを選んでくださいね。

球が上がりやすいクラブを使えば、正しいスイングが身に付きやすくなって、上達も早くなりますよ!