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ゴルフグリップのバックラインは必要?メリットデメリットと使い分け

ゴルフグリップにある「バックライン」。

あるグリップとないグリップがあり、どんなメリットがあるのか知らない、という人も多いのではないでしょうか?

今回は、意外と知らないバックラインのメリットとデメリットから、ゴルフクラブごとの使い分け、自分でできるグリップ交換の方法までご紹介します。

目次

    1. バックラインとは
    2. バックライン3つのメリット
    3. バックラインのメリット1.クラブのフェース向きが揃う
    4. バックラインのメリット2.フェースの向きを意識しやすい
    5. バックラインのメリット3.感覚が変わらない
    6. バックライン2つのデメリット
    7. バックラインのデメリット1.突起が邪魔をする
    8. バックラインのデメリット2.グリップ交換でズレる可能性がある
    9. プロゴルファーのバックライン事情
    10. バックラインありグリップの値段はどれくらい?
    11. バックラインの有無は統一する必要はない
    12. ドライバー
    13. フェアウェイウッド
    14. ユーティリティ
    15. アイアン
    16. ウェッジ
    17. バックラインが助けになる場面
    18. つかまったボールが打ちたいならばバックラインを左に
    19. 引っ掛けを解消したいならばバックラインを右に
    20. グリップをバックラインありに交換してみよう!
    21. グリップ交換に必要な道具とは?
    22. グリップ交換の仕方:グリップを外そう
    23. グリップ交換の仕方:グリップテープをきれいにはがそう
    24. グリップ交換の仕方:両面テープを巻こう
    25. 両面テープの巻き方:らせん巻き
    26. 両面テープの巻き方:縦巻き
    27. シャフトの穴を両面テープで塞ごう
    28. おすすめはゴルフグリップ用の両面テープ
    29. グリップ交換の仕方:溶剤をグリップに入れて押し込む!
    30. グリップ交換の仕方:バックラインの位置を調節
    31. 一晩置けばグリップ交換完成!
    32. グリップ選びバックラインあり? なし? 自分に合ったグリップをクラブごとに選ぼう
    33. こちらの記事もオススメ

バックラインとは

バックラインとは、グリップの後ろ側にライン状に盛り上がった突起のことです。

ゴルフクラブのグリップには、バックラインがあるものとないものが存在します。

バックラインの役割は、グリップを握る時のガイド(目安)です。

常に同じポジションでグリップができるようになるため、初心者の方がゴルフを覚える時には最適なグリップと言えるでしょう。

また、初心者でなくてもバックラインのあるグリップが握りやすいという方もたくさんいます。

バックライン3つのメリット

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バックラインのメリットは、3つあります。

1.クラブのフェース向きが揃う
2.フェースの向きを意識しやすい
3.感覚が変わらない

それぞれ見ていきましょう。

バックラインのメリット1.クラブのフェース向きが揃う

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バックラインがあることで、バックラインが目印になり、常に同じところを握りやすくなるため、フェースの向きがインパクトで揃いやすくなります。

グリップの位置が違っていると、インパクトでのフェースの向きがバラバラになってしまい、狙った方向にボールが飛んでいかないなどミスショットにつながりやすくなります。

グリップ位置のズレは上級者でもたびたび見られるもので、ミスショットが続くと思ったら、グリップがずれていたというケースも珍しくありません。

バックラインがない場合、スイングが崩れているのか、それともグリップする位置がずれているのか、まずそこを見極める必要がありますが、バックラインがあればグリップ位置がずれていることに気が付きやすく、修正も難しくありません。

バックラインのメリット2.フェースの向きを意識しやすい

ゴルファーがアドレスを取る時、フェースを合わせてからグリップを決めている人が多いと思いますが、何が目印かと言うと、目視と感覚でしょう。

しかし、バックラインが入っているとバックラインの位置でフェースの向きを感じ取り、意識できるようになります。

今までアドレスは感覚だったという人は、感覚だけに頼らずバックラインの力を借りることで、より再現性のあるグリップ、ひいては再現性のあるスイングができるようになるでしょう。

バックラインがあるだけで、フェース向きを意識しやすいと実感した人は、積極的にバックラインありのグリップを使っても良さそうです。

バックラインのメリット3.感覚が変わらない

バックラインがあれば、絶えず変わっていく感覚を一定に保てるようになります。

これはもちろんバックラインがグリップのガイドになっているからです。

プレーをしていると、無意識の間に、グリップが変わってしまう人はプロでも少なくありません。

中でも、どんどんフックグリップになってしまう人が多くいます。

感覚では同じように握っているつもりでも、知らない間に感覚にずれが出てきてしまいます。

知らない間にフックグリップの度合いが強くなってきてしまう人は、引っ掛けが増え始めたタイミングでやっと気が付くことも。

これでは、修正が遅くなってしまいますよね。

バックラインがあることで、アドレスの段階で、フックグリップに傾いていることがわかるようになりますので、ミスが事前に防げます。

バックライン2つのデメリット

バックラインがあることで起こりうるデメリットについて2つご紹介します。

1.突起が邪魔をする
2.グリップ交換でズレる可能性がある

ゴルフクラブのグリップでは、バックラインがないほうが良い場合もありますので、デメリットもしっかりとチェックしましょう。

バックラインのデメリット1.突起が邪魔をする

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同じグリップがしやすくなるバックラインでしたが、この突起がショットの邪魔をすることも。

ボールを右に置いてフェースをかぶせて打つ、フェースを開いてカットに打つ、などボールを操作する時にフェースの開閉は欠かせない技術ですが、これらのショットは、通常よりもグリップをずらす必要が出てきます。

このフェースの開閉時にグリップのバックラインが邪魔になってしまうことがデメリットです。

気にせずグリップできる人もいるようですが、いつもあるべき位置からバックラインの突起がずれていると、なんだか気持ち悪さを感じるという人にはバックラインありのグリップは向いていないでしょう。

バックラインのデメリット2.グリップ交換でズレる可能性がある

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バックラインのデメリットは、グリップ交換でズレが出る可能性があることです。

もちろんほぼ同じにはできますが、人間の目と手なので、バックラインをまったく同じ場所に合わせられるかというと疑問符が付いてしまいますよね。

しかも、たくさんあるクラブすべてを合わせなければならないので、ちょっと大変です。

グリップ交換をお願いした人の感覚によるものなので、ほんの少しだけズレてしまう可能性もありますよ。

機械で精密に測定しながらグリップ交換ができればいいんですが、それはなかなか難しいのが現状です。

実際に、ある特定の番手だけスライスすると思ったら、その番手だけバックラインがずれて挿さっていたなんてこともあるようです。

プロゴルファーのバックライン事情

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ゴルフを生業にしているプロゴルファーの場合、バックラインはどうしているのでしょう?

これは本当に人それぞれとしか言いようがありません。

・松山英樹……なし
・タイガー・ウッズ……なし
・原英莉花……あり

一般的にコード入りなど硬めのグリップを使用している場合はバックラインありのもの、ラバーグリップなど柔らかめのグリップの場合はバックラインなしと言われていますが、個人の好みによるところが大きいようです。

バックラインありグリップの値段はどれくらい?

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バックラインがあってもなくてもグリップの値段は変わりません。

お値打ちなグリップであれば500円前後から販売されています。

バックラインがあるから高い、安い、というものではありませんのでご安心ください。

グリップは、ゴルフクラブとゴルファー自身をつなぐ唯一のものです。

サイズや重量など、自分の手に馴染むものをしっかり選びましょう。

バックラインの有無は統一する必要はない

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キャディバッグ内のクラブ全部のバックラインの有無を統一する必要はありません。

ただし、一般的にどんなクラブがバックラインがあったほうがいいのか、またバックラインがないほうがいいのかはありますので、特徴を理解しましょう。

ショットの時にフェースの開閉操作があるかないか、で判断ができそうです。

ドライバー

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まずドライバーを見てみましょう。

ドライバーは、フェースを開いたり閉じたりしてショットするものではありません。

しかも長いクラブのため、アドレスの時点でいつもと違う場所でグリップしてしまうと、ボールは右に行ったり左に行ったりしてしまいます。

そのため、バックラインがあるグリップを用いて、常に一定のグリップができたほうが良いでしょう。

少しのズレが大きなスコア浪費につながってしまうドライバーは、グリップを一定にするためにもバックラインがあるメリットが大きいと考えられます。

フェアウェイウッド

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フェアウェイウッドも、ドライバーと同じくフェースを開閉させて打つことはあまりありません。

ドライバーと同じように同じグリップをして、一定の方向性を保っていきたいクラブです。

また、地面から打てるもっとも長い距離が出るクラブのフェアウェイウッドですので、こちらもバックラインありのグリップを使って、握る部分が一定になっていたほうが方向性が安定すると言えそうですね。

ユーティリティ

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ユーティリティにもバックラインはあったほうがいいでしょう。

クラブの形状はウッド寄り(中にはアイアンタイプもありますが使用している人は少ない)です。

しかもフェースを開閉させて打つ機会はあまりありません。

アイアンよりもやさしく打てて、安定感があるクラブなので、ドローやフェードを打ち分けることはあるかもしれませんが、極端なフェース開閉が必要なショットの機会はあまり訪れないかもしれません。

真っすぐ構えて真っすぐ打つ、というユーティリティもバックラインありのグリップをおすすめします。

アイアン

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アイアンは、ドライバーやフェアウェイウッドと違い、ボールを操作したい場面が多いです。

パンチショットをしたり、高さが欲しい時にはロフトを増やして打ったりもします。

こんな時はフェースを開閉させてグリップするので、バックラインが少々邪魔になります。

ボールを操作する機会が多いアイアンは、バックラインがないほうがいろいろな場面に対応したショットが打ちやすいです。

ウェッジ

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ウェッジもアイアンと同様バックラインがあると、ショットの邪魔になる場面が増えてきます。

特にウェッジはバンカーショットでフェースを開いたり、チップショットで転がして攻めたりと、アイアン以上にフェースの開閉が多いクラブです。

ウェッジにはバックラインがないグリップがおすすめです。

バックラインが助けになる場面

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クラブごとにバックラインがあったほうが良いのかないほうが良いのかを見てきましたが、実は他にもバックラインがショットの助けになる場面があります。

・つかまったボールが打ちたい
・引っ掛けを解消したい

もしかしたらゴルフの悩みによっては、バックラインを入れたほうがいい結果となるかもしれません。

つかまったボールが打ちたいならばバックラインを左に

バックラインがあるグリップでは、左手の小指、薬指、中指の第二関節にバックラインを当てる握り方が一般的です。

今よりもつかまったボールが打ちたいという人は、標準の握り方から、バックラインの位置をグリップエンド側から見て左にずらしてみましょう。

するとフェースがかぶってきますよね。バックラインを左にずらしてあげると、インパクトでフェースが戻ってきてつかまりやすくなる効果が期待できます。

普段からボールが右に出てしまって、飛距離が出ない、スライスが止まらない、という人はグリップのバックラインでお悩みを解決できる可能性もありますよ。

引っ掛けを解消したいならばバックラインを右に

逆にバックラインを右にずらすとフェースがどんどん開いていきます。

そのためもともと引っ掛け気味の人や、叩きに行くと高確率でボールが左に飛んでしまう人はバックラインでフェースをオープンにしてあげるのもいいでしょう。

チーピンや引っ掛けに悩む人は、バックラインをほんの少しだけ右にずらしてあげると、症状が治まってくれるかもしれません。

グリップをバックラインありに交換してみよう!

もしバックライン入りのグリップに興味が湧いてきた方がいれば、ぜひ自分でグリップ交換をしてみましょう。

グリップ交換はそこまで難しいものではなく、道具さえ揃えれば誰でも簡単にできるカスタムなので手順を覚えておいて損はありませんよ。

グリップ交換に必要な道具とは?

まずグリップ交換に必要な道具を用意してみましょう。

・グリップ交換用の溶剤(灯油などでも代替可能)
・グリップ
・両面テープ
・グリップカッターやはさみなど

これだけです。

どれもゴルフショップで販売されているものですし、グリップ以外は自宅にもしかしたらあるかもしれませんね。

ただちょっと注意が必要なものもありますので、交換の手順を説明しながら合わせて見ていきましょう。

グリップ交換の仕方:グリップを外そう

付いているグリップをまず外していきます。

専用のカッターもありますが、正直普通のはさみでもなんら問題はありません。グリップの端を持ち上げながら、はさみで少しずつ開いていきます。

半分ほどまで切り開いたら、後は靴下を脱ぐように引っ張るだけで簡単に外れます。

グリップ交換の仕方:グリップテープをきれいにはがそう

グリップを外したら、次に残ったグリップテープをきれいにはがしましょう。

指でこすりながら少しずつはがしていけば大丈夫です。

ここでものすごくグリップが古いものや、ゴルフ用ではない両面テープを使っていた場合、両面テープがシャフトからなかなか取れません。

そんな場合は、溶剤やシールはがし材などをかけて接着剤を溶かしたり、ドライヤーなどで温めると、きれいに取れます。

根気強くはがしていきましょう。

グリップ交換の仕方:両面テープを巻こう

続いて両面テープをグリップに貼っていきます。

グリップを合わせて、両面テープの巻き始めを確認します。両面テープの巻き方には、主にらせん巻きと縦巻きがあります。

しかも、好みによって両面テープを幾重にも重ねて巻く人もいます。ここはそれぞれのお好みの太さを見つけてみてください。

両面テープの巻き方:らせん巻き

両面テープの巻き方でらせん巻きを紹介します。

文字通りらせん状に巻いていく巻き方です。

巻き始めはシャフトのヘッド側から始めます。両面テープの端を斜めにカットしておくと、両面テープの収まりが良くなります。

文字通りらせん状にグリップに巻いていき……

巻き終わりは少し長めにとって、シャフトの穴をふさぐようにしましょう。

両面テープの巻き方:縦巻き

続いて縦巻きです。

縦巻きは縦に両面テープを伸ばして反対側まで戻してくるだけです。こちらの方が簡単に両面テープが巻けます。

縦に1回両面テープを付けていくと、シャフトに両面テープがついていない隙間ができます。

その隙間をもう1回縦に両面テープを巻いて、両面テープがついていない部分をなくすように2回巻くやり方もあります。

シャフトの穴を両面テープで塞ごう

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らせん巻き、縦巻きともにシャフトの穴は必ず塞ぐようにしましょう。

グリップエンドには小さな空気抜き用の穴が開いています。ここから雨などが侵入してしまうと、スチールシャフトの場合、サビや劣化などの原因となってしまうからです。

グリップは簡単に交換ができますが、シャフト交換ともなると個人ではなかなか難しいですからね。

少し話は逸れますが、パターのグリップエンドにプラスチック製のマーカーを刺している方はいませんか?

本来グリップエンドの穴は、マーカーを収納する場所ではありません。そこでマーカーを刺すと、シャフトの穴を塞いでいる両面テープに穴が開いてしまうんです。

そこから水や砂が侵入して、シャフト内部にサビが……なんて方も案外多いのです。

パターのグリップエンドにマーカーを刺すことはやめておいたほうが良いでしょう。

もし1回でも刺したことがある場合は……シャフトがさびる前にグリップ交換をして、それ以降はマーカーを刺さないように注意しましょう。

おすすめはゴルフグリップ用の両面テープ

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両面テープは先ほども申し上げたとおり、ゴルフ用のグリップテープが無難です。ただ接着力に問題があるわけではありません。

接着力に関しては、ホームセンターなどで販売されている両面テープで大丈夫です。ただグリップの交換などをしようと思った時、非常にはがれにくい商品もあります。

こすってもなかなか取れませんし、溶剤で拭いても粘着面がこびりついてしまってお手上げ状態になってしまうケースもあります。

グリップ交換の仕方:溶剤をグリップに入れて押し込む!

両面テープが巻けたら、いよいよグリップを差し込んでいきます。

その前に溶剤をグリップの中に吹きます。この時、2秒から3秒くらいスプレーしましょう。

注意点はグリップエンドに空いた穴を指で押さえながらスプレーを噴射すること。そしてグリップの口も指で塞いで、中の溶剤が全体に行きわたるように振ります。

これを何度か繰り返してグリップの中全体に溶剤を行きわたらせましょう。

できたらグリップの口を上に向けて指を離します。グリップエンドを抑えている指は離しちゃダメですよ。

グリップに入っている溶剤は、シャフトの両面テープの部分にかけちゃいます。

自分の手もベタベタになってしまうのですが、そのまま両面テープについた溶剤を手で広げてしまいましょう(皮膚の弱い方は手袋などを使用してください)。

その後、両面テープ部に溶剤のスプレーをたっぷりとかけましょう。ここでケチってしまうとグリップがスムーズに入らず、グリップを1本無駄にしてしまうことにもなりかねません。

これでグリップを差し込む準備はOKです。

あとはグリップのバックラインの位置を確認しながら、一気に押し込んでいきます。

溶剤で手が汚れている状態だと滑って非常にやりにくいのですが、溶剤が乾いてしまう前に手早くグリップを入れましょう。

この時、グリップエンドを手のひらで押し込もうとすると、上手く入っていきません。

グリップエンドに空いている穴は、グリップを差し込む時の空気穴ですからね。グリップエンドを押すのではなく、グリップを両手でつかんで押し込んでいきましょう。

グリップ交換の仕方:バックラインの位置を調節

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グリップを最後まで押し込んだら、あとはバックラインの位置を調整します。

グリップが入ってしまっても溶剤はしばらく乾かないので、グリップを少し動かせます。この間にバックラインの位置をしっかり合わせてあげましょう。

バックラインなしのグリップはさほどシビアに考えなくてもいいかもしれません。しかしバックラインがあると、クラブによってバックラインの位置が変わってしまうのは避けなければいけません。

一晩置けばグリップ交換完成!

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溶剤が乾くまでは2~3時間程度とも言われていますが、気温など周囲の環境に左右されます。

そのため一晩を目安においておけば大丈夫です。

これでグリップ交換の出来上がりです。そこまで難しい工程はありませんでしたよね。意外と簡単でしょ?

グリップ選びバックラインあり? なし? 自分に合ったグリップをクラブごとに選ぼう

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いかがでしたか?

グリップにバックラインがあるのとないのとでは、ショットや飛距離に大きな影響を与えてしまうものです。

最終的にはバックラインのあり、なしは自分のフィーリングだけが頼りになります。どちらが勝っている、というわけでもありません。

バックラインのメリットとデメリットを正しく理解して、バックラインをどうするか検討すると良いでしょう。

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