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プロゴルファー

もーりー

優勝スコア1オーバーは“適正”だったのか?【全米オープン2018】

皆さんゴルフを楽しんでいますか?

こんにちは、ライターのもーりーです。

近年稀にみる厳しいコースセッティングが選手たちを苦しめた今年の全米オープン。

優勝スコアは1オーバーと、『全米オープンの優勝スコアはイーブンパーくらいになるように設定』というUSGA(全米ゴルフ協会)の思惑どおりに。

しかしいっぽうではあまりに厳しすぎるグリーンの設定に、一部の選手からは苦言も出されたわけで…。

昨年とはなんと17打差!

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ブルックス・ケプカ選手の大会2連覇で幕を閉じた今年の全米オープン。

その優勝スコアは1オーバー。

昨年の優勝スコアは16アンダーでしたので、今年とのスコア差はなんと17打!

いかに今年のシネコックスヒルズGCのコースセッティングがタフであったかがわかります。

『優勝スコアはイーブンパーくらいになるように設定』という本来の全米オープンらしくなったと言えばそうなのかもしれません(私もさすがに昨年のスコアは全米オープンらしくないのかなとは思います)。

しかし今年のコースセッティング、特に3日目については少しやり過ぎ、USGAも“イーブンパー”にこだわって躍起になりすぎたかなと感じてしまいました。

“故意の罰打”も飛び出してしまい…

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大会2日目を終えてアンダーパーは首位のDJ(ダスティン・ジョンソン)の4アンダーだけという状況でした(厳しすぎるセッティングの中で唯一のアンダーパー、さすが世界ランク1位ですね)。

このまま最終日までDJが独走するのでは、と多くの人が思ったのではないでしょうか。

しかし3日目にその予想は大きく覆されます。

(DJの独走を阻止するためというわけではないでしょうが)3日目は砲台グリーンのまわりの芝がさらに刈り込まれ、ピンポジションはさらに厳しすぎる位置へと変更されました。

午前中にラウンドした下位の選手たちはまだなんとかスコアを作れた選手もいました。

しかし優勝争いを繰り広げる選手たちが回る午後には、風やグリーンの乾燥も加わり、スコアを崩す選手が続出。

首位のDJにいたってはこの日だけで7オーバーと大荒れの展開に。

難し過ぎるセッティングだけでなく、「午前と午後でのコースの状況が違いすぎる」と、選手たちからも異論や恨み節が噴出しました。

あまりに“止まらない”グリーンの影響からか、フィル・ミケルソン選手による“故意の罰打”が飛び出すことになってしまいます(これはさすがにミケルソンファンの私でもちょっと残念なプレーでしたが…)。

現代の状況に合わせてもいいのでは!?

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さすがに大会3日目のコースセッティングについては、USGAも想定外のことが起きてしまったと認めざるをえなかったようです。

そのせいか、最終日はいく分かはやさしくなっていたようです(それでも難しそうでしたが…)。

たしかに近年の選手たちのパワー、そしてボールとクラブの進化により、もはや距離を伸ばしてもスコアに影響が出にくくなっています。

『全米オープンの優勝スコアはイーブンパー前後』という設定にするには、今回のようにグリーン周りを“異常なセッティング”(言い過ぎでしょうか…)にするしかないのかもしれません。

しかし本来ならナイスオンのはずのボールがグリーンから転げ落ちたり、午前中と午後のグリーンコンディションがあまりにも違いすぎるのは、選手たちにとってフェアではない気がします。

近年のゴルフ技術や道具の発展はとにかく目覚ましいです。

そのあたりを汲み取って、優勝スコアは5アンダーくらいが適正になるようなコース設定でもいいんじゃないかと、個人的には感じます。

そうでないと、また来年以降もグリーン周りをただやみくもに難しくすることになりはしないか…いまから来年のことが気になるゴルフバカなのでした。