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ゴルフスイング

飛太郎

身体の痛みからスイングのクセを察知!【ヒザ編】

こんにちは、飛太郎です。

今回は「ヒザの痛み」からスイングのクセを考察していきたいと思います。

下半身はゴルフスイングの命です! 

中でもヒザは、そのあまりにも優秀な働きっぷりから、誤った使い方やオーバーワークを強いられることが多い部位です。

少しでもご参考になれば幸いであると同時に、もしも現在進行形でヒザに慢性的な故障を抱えていらっしゃる方は、ぜひご一読いただければと思います。

それではさっそく参ります!

改めて考えてみませんか?「ヒザ」のお仕事。

ゴルフスイングにおいて、「身体のどこを、どう使うか?」という議論は永く続けられてきたと思います。

そしてそれらは、ゴルフが身体を使いクラブを使う条件下で行われる限り、永遠のテーマだとも思っています。

その上で、このヒザという部位のお仕事をちょっと改めて考えてみましょう。

当たり前のお話で申し訳ありませんが、ヒザを始めとする下半身の各部位は、身体の中でも「働きっぱなし」です。

これは何もゴルフスイングに限った話ではなく、僕ら人間が「立っている」限りは、彼らはずっと体重を支え続けているからです。

そしてことヒザに関して言えば、そんな過酷な労働条件の中にありながら、耐久性の低い「関節」であるということ。

もうお分かりかと思いますが、ゴルフスイングにおいてはアドレスから既にヒザのお仕事は始まっています。

そして、彼らにそれ以上の負荷を与えてしまうアドレス⇒スイングをしてしまうと、故障する危険性がハネ上がります。

以下、ヒザが壊れやすいアドレスをいくつか列挙します。

重心を落とそうとはしているけれど・・・。

よくアドレスでは「重心を落とし、下半身を安定させましょう」と言われます。

ですが、写真のようにヒザだけを屈曲させて構えている方は要注意です。

つま先よりもヒザが前方にせり出してしまっていることを、目測における判断指標としてもらうと良いかと思います(※スクワットの記事でご紹介させていただいたものとまったく同じ原理です)。

このアドレス、確かに重心を落とそうとはしているものの、骨盤の前傾が取れていないために大腿四頭筋(太もも前部)や大殿筋(お尻)といった、いわゆる“大きな筋肉”がほとんど使えていません。

もしもこのタイプのアドレスでも「安定してる!」と感じる方は、赤信号だと僕は考えています。

なぜなら、先ほど言いました通り「大きな筋肉が使えていない」からです。

にも関わらず安定しているのだとしたら、それはヒザが大きな仕事を押し付けられている何よりの証拠となってしまいます。

力を生み出したり、あるいは大きな負荷に耐えたりするのは、大きな筋肉の仕事。

ヒザにそれをさせてスイングに移れば、ヒザは本来の仕事以外のオーバーワークを強いられます。

もしもヒザが慢性的に痛む方でこのアドレスにお心当たりのある方は、ぜひ文末をご参考に改善してみてください!

ならばとばかりに直立不動型・・・。

上記した状態を避けるために、「ならば」とばかりにヒザの屈曲を極端に抑え、ほぼ直立不動のアドレスを取る方もよく見受けます。

一見、ヒザへの負担は先ほどのものに比べて少なく思えますが・・・。

骨盤の前傾がなされていないという点では、先ほどのアドレスと大差はありません。

とするならば、安定性を欠く構えであることは想像に難くないと思います。

それだけに留まらず、この直立不動型の方でもヒザの痛みを抱える方が多く存在します。

その原因は、結果として「大きな筋肉の仕事をヒザに押し付けている」という点にあります。

実は先ほどの段落の構えと、同質のものなんです。

確かに、「アドレス時においては」先ほどの構えより多少ヒザの負担は少ないかと思いますが、大きな筋肉が休んでいるために決して十分なトルクは生み出せません。

それゆえ飛距離が出せず、にも関わらず飛ばそうと上体の力で思い切り振ってしまうと・・・。

インパクトはこのアドレスの位置で迎えるわけですから、ここでピーンと伸びたこのヒザに衝撃が直撃します。

故障するとすれば、この構えの場合はインパクト時であると言えるでしょう。

屈曲・伸展が関節の本来の仕事であり、トルクを生むパワートレインとしての仕事は彼らには完全に不向きです。

それらを得意とする大きな筋肉の力を最大限に使うことによって、関節の仕事を最小限に抑えてあげることが何より重要です。

何度となく申し上げてきましたが、身体にはそれぞれに役割があります。

大切なのは、故障を最小限に抑えながらも、その中で効率よく力を生み出し、活用することではないでしょうか。

それぞれの仕事に専念させてあげましょう!

ヒザの仕事、大きな筋肉の仕事。

それぞれの仕事を、それぞれのパーツに専念させてあげましょう!

そのためにできることは、関節の負荷を必要以上に増やさないことだと僕は考えています。

重心を安定させながら大きな筋肉を動員するには、写真のようにお尻を後方へ少し突き出すような姿勢を取り、ヒザの屈曲をつま先の垂直線上の内側に収まるようにして、前傾を維持すること。

そうすることで、大殿筋や大腿四頭筋に張りが感じられるかと思います。

もしもそれが「あれ、結構キツイ!」と感じられるなら、どうかご想像ください。

今までその「キツイ!」仕事を、か弱いヒザに任せてしまっていたのだということを・・・。

大きな筋肉を使うことは、方向性の安定や飛距離の増幅もさることながら、そういった関節の負荷軽減にも大いに貢献してくれます。

今回「スイングのクセを察知」と題しながらも、あえてアドレスを例に取り上げましたが、いかがでしょう?

アドレスからオーバーワークをさせてしまったヒザが、スイングでさらに働けるハズもありませんよね・・・。

逆説的にお考えいただくと、より深くご理解いただけるかと思います。

痛みを最小限に抑え、効率性の高いスイングを目指されるのであれば、スイング単体だけでなく、アドレスからも実に様々な検証が可能だと僕は考えています。

あなたのゴルフライフのお役に立てば幸いです。

それではまた! 飛太郎でした。