Gride

gettyimages/657986132
getty

ゴルフスイング

飛太郎

ゴルフにおける「飛ばし」、その本当の意味とは?

こんにちは、飛太郎です。

相変わらず「飛ばし」について語ってばかりですいません。

さて皆さん、ゴルフにおける「飛ばし屋」と聞いて思い浮かべるのはどんなイメージ、あるいはどんな選手ですか?

最近では写真のダスティン・ジョンソン選手やバッバ・ワトソン選手などがその代表格かとは思います。

ただ、考えてみてください。

例えば、「俺はバッバ・ワトソンと同じヘッドスピードなんだぜ!」という声をよく耳にします。

それはそれで素晴らしいことだとは思いますが……はたして、世界のトップで覇を競う彼らが見せるドライバーショット、あれってマンブリなんでしょうか?

そもそも「ロングドライブ」の意味はなんでしょう?

getty

「ゴルフは、ただ飛ばせばいいってものじゃないんだよ」なんてことは、誰かに言われなくてもわかり切っていることです。

「飛ばして、きっちりフェアウェイに入れること」、今も昔もゴルフにはそういう確固たる命題が存在します。

「次打以降、より有利になる地点を確保する」、それが実現できてこそ、ロングドライブには意味が与えられるのですから。

近年ではスイング理論、そして道具でさえも、日進月歩で進化を続けています。

一般のゴルファーでも、まるでプロゴルファーのような飛距離を得ることができる時代になりました。

ただし、先ほども申しましたが、「ロングドライブ」の本当の意味には、まだ先の次元が存在します。

150ヤード先をアイアンで狙うような成功率で、ドライバーでも同じように、より遠くの有利な地点に飛ばすことができるかどうか、という次元です。

世界のトッププロになればなるほど、そこに無謀な賭けは持ち込みません。

彼らは決してティーショットで、いわゆる「マンブリ」はしないのです。

これが、世界ランキング1位の本気

「飛ばし屋」の呼び声高いダスティン・ジョンソン選手の、この動画をご覧ください。

2018年1月のPGAツアー、セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ最終日の12番ホールです。

なんと433ヤードのパー4で、1打目をベタピンに寄せ、イーグルを達成しています。

この時の彼のショットは、通常のティーショットよりも飛ばしにかかっています。

しかしながら、決して「マンブリ」ではありません。

何より世界ランキング1位の彼が、イチかバチかの無謀なドライバーショットを敢行するわけがないのです。

確証がなければ、決して得られなかった結果です。

もちろんそれはピンソバを仕留める確証があった、というのではなく、イーグルを狙いにいったのは明々白々だということ。

ドライバーショットに絶対の確信と自負を持つ彼ならでは、と言えるでしょう。

通常であれば、ヘッドスピード54メートル/秒(m/s)前後の彼が見せたこのショット、それでもヘッドスピードが60m/sを超えることはないでしょう。

しかし、彼のような飛ばし屋が、いつでも本気でフルスイングしてヘッドスピード54m/s前後、というわけではないということが、この動画から垣間見えるのではないでしょうか?

スコアメイクに貢献してこその「ロングドライブ」。

この動画の一幕は、まさにそれを体現するかのような出来事です。

いつでも出せるヘッドスピード、飛距離こそが重要

getty

とは言え、大きな飛距離を出す技量を身に付けるのは、容易なことではありません。

僕の師匠の口癖でもありますが、「飛距離にはある程度のセンスが必要だ」というのも頷けるところだと考えています。

その「センス」については、また別記事にてお話ししたいと思います。

重視すべきなのは、ご自身が「いつでも出せる、無理なく出せる」飛距離やヘッドスピードを、頭でも身体でも知っておくことだと僕は思っています。

どこに飛ぶかわからないけど、思いっ切り振ればダスティン・ジョンソン選手くらいの「スピード」でスイングできる……。

それでは、ラウンドではなかなか使えない代物と言えるでしょう。

何より、先に申しましたが、彼ら世界の飛ばし屋たちは、普段はあれでも「セーブ」して振っています。

言うなれば、あれが彼らの「普通」なのです。

そんな彼らが本気でイチかバチかのマンブリをしちゃうと、どうなるのでしょうね。

想像しただけでもワクワクしますが、彼らは決してそれをしないでしょう。

なぜなら、彼らは誰よりもスコアを追う「プロゴルファー」なのですから。

飛距離は途轍(とてつ)もない武器になります。

しかしながら、300ヤードドライブも1メートルのパットも、同じ1打。

何を武器に昇華させるかは、十人十色で良いと僕は思いますね。

ちなみに僕の武器は7鉄です(笑)。

それではまた。飛太郎でした。