Gride

gettyimages/172151824
getty

ライフスタイル

アビ

「練習場では上手く打てるのに……」練習場シングルを脱出するには?

「練習場シングル」とは、練習場ではシングルクラスのすごいショットを連発しているのに、コースだとなかなかスコアに結びつかない人を指す、ありがたくない称号です。

誰もが陥りがちな練習場シングルを脱するにはどうすれば良いのでしょうか?

練習場とコースとの違い

getty

違いはめちゃくちゃあります。完全に別物と思っていても良いくらいです。

・ライが平らでかつ人工芝
→ダフってもミスにならない

・マットの線でアライメントが取りやすい
→目標に対してアドレスがズレない

・何回でも打ち直せる 
→失敗しても痛みが伴わない

などが明確な違いとして挙げられるものでしょうか。

とはいえ、平らな人工芝であるというライの影響は実はそこまで大きくないように思います。

低くティーアップしてクリーンに打つというのも1つです。

それに、ボールの弾道はともかく、自分の手の感触にはウソを付けません。

また、クラブがボールと人工芝に当たる音の順番を聞けば、今のがグッドショットだったのかどうかは判別できます。

残念ながら練習場ではだませても、コースではだませないですからね。

練習場でのパフォーマンスと、ラウンドでのそれが一致しない問題は、別のところにあるように思います。

練習場シングルさんと一緒に練習に行って、逆に気付かされたこと

getty

先日、ラウンドでご一緒した方に練習に誘われました。

自らを「練習場シングル」であると公言されていて、練習場だといかに良いショットが打てているのかを見てほしいということでした。

私も練習自体は嫌いじゃないし、逆に他人に見てもらいたい時もあるので、喜んでご一緒させてもらいました。

ラウンド中に見ていてもスイングそのものは特に問題なかったように思われましたし、その割にスコアがイマイチな印象を確かに受けました。

そして付き合った練習場では、ご自身が仰る通り、ラウンドの時よりも素晴らしいショットを連発させていました。

しかしながら私が発した、ある質問から、その状況が一変します。

「●●さん、今のショットってどこを狙っていたんですか?」

「ん? 真っすぐだよ」

「じゃあ、真正面に見える柱の右隣の柱方向に打ってみてください」

「OK!」

無心で気持ち良く打っていたこれまでとは違い、アドレスでモゾモゾするようになりました。

ショットのリズムも明らかに悪くなり、チーピンや大ダフリといった、それまでにはまったく出なかったミスが出るようになりました。

練習場に欠けているもの

getty

何気なく聞いた質問だったのですが、その後のショットの結果を見て、ハッとしました。

練習場シングルってこういうことなんだな、自分も大いに当てはまる部分があるな、と。

ラウンド中は常に思考→検討→決断→実行というプロセスを繰り返しています。

ライはどうなのか、傾斜はどうなのか、残り距離はどうなのか、目標はどこなのか、ハザードはどこなのか、風はどうなのか、今日の自分の調子はどうなのか、アドレスは正しく目標に向けているか……などなど。

周囲の環境や過去の経験からいろんな要素をあぶり出し、その瞬間で何をやれるのかを検討し、最終的に自分で決断して実行に移します。

自分で決めたことに対して、その結果が明確になります。

しかし練習場だと、この事前に行う思考・検討・決断のプロセスを省略できてしまうんですよね。

特に何も考えなくてもバンバンと続けて同じリズムでボールを打ててしまうし、結果に対する責任や痛みも伴いません。

続けて出るナイスショットの出来栄えに、酔ってしまう時すらあります。

せめて、プレショットルーティンだけは欠かさないようにしないとですね。

練習場シングルにならないためには……

getty

自称「練習場シングル」さんと一緒に練習した結果、普段から気を付けようと再認識したことがあります。

まず、ショットを打つ前の時点で、「こういうシチュエーションで、この番手で、こういうショットを打つ」と決断をすること。

そして、それに対して出たショットが思い通りだったのか、そうでなかったのかを常に検証すること。

この2点です。

練習場で出る1発目が実力だと言われますが、事前に何の決め事もせずに打つショットは、本当の意味での実力ではありませんね。

練習場はスイングを作り上げるという側面もあり、ブロック練習という形で同じ番手で繰り返すこともあります。

しかし、本来の目的は良いショットを打つことではなく、コースで良いスコアを出すためにやるものだと認識を改めることにしました。

そして、練習場であっても、全球でプレショットルーティンを行う必要があると、改めて感じた次第です。

練習場シングルは卒業しましょう!