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ゴルフクラブ

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クラブスペックを上手く利用して自分の脳をだまそう!

ドライバーの体積や長さ、ウェッジのロフトやバウンスなど、クラブスペックをよくよく吟味してから購入される方が多いと思います。

最近ではクラブ選びの際にフィッティングを受けたり、リシャフトすることも普通になりました。

ヘッドにもシャフトにも数値がつきまとい、その数値から「このクラブは○○の傾向が強い」などと、頭にインプットされます。

もちろん、こうした数値がそのクラブの使い勝手を示してくれる面もあるのですが、時に、数値が邪魔をすることもある、といいます。

突然バンカーから出せるようになる

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とあるクラブメーカーのクラフトマンの方が、同級生のプロゴルファーに新作ウェッジのテストをしてもらった際の話です。

プロがウェッジのソールを目視して「バウンスが少ないからバンカーは難しそう」とつぶやきながら、やはり何度叩いてもバンカーからうまく脱出できなかったそうです。

そこでメーカーさんが一言、

「それバウンス12度だよ」
「え、そうなの?」

それからプロは、難なく見事なバンカーショットを連発したといいます。

ただの小麦粉なのに医者から「よく効く薬です」と言われて飲むと頭痛が治ってしまった、なんていう話と似ていますね。

クラブのブラインドテスト

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まだ開発途中のプロトタイプのシャフトなどは、何のロゴもコスメも文字転写もなく、ただただ真っ黒なままだったりします。

「試打用○○」などとシールが貼られていなければ他との見分けがつきません。

こうしたシャフトで試打すれば、何の先入観もなく、自分の身体に伝わる情報で、フィーリングのみで良し悪しを判断することができます。シャフトのブラインドテストはとても興味深い結果を生むそうです。

悲しいことに、自身の感覚よりも先入観のほうが勝ってしまうアマチュアゴルファーは少なくないとか。

例えば「自分は先中調子のシャフトが合ってるんだよね」と言い切るゴルファーに

「これも似たような性質のシャフトです」

と言って、わざとまったく異なるタイプのシャフトを手渡しても、試打しての感想は

「おお、やっぱり打ちやすいね!」

なんていうそうです。

悪い冗談でもなんでもなく、思い込みや先入観の力というのはすごいものなのだそうです。

人間は、できる、できないを、試すより先に自分で決めつけているところがあるのかもしれません。

数字が人を弱気にさせる

先日、51度なら100ヤードのショットで力まずに振れるだろうから、との目的で、ウェッジのロフトを2度立ててもらったのですが、ロフトを立てると同時にバウンスが減ってしまうことになります。

バウンスが少ないとダフりやすくなるので、そのことを必要以上に気にしてしまうと、

「ダフらないようにしなければ!」

と、インパクト手前でクラブを引っ張り上げたり、変なクセがついてしまうかもしれません。

バウンス2度なんて大差ない、というアバウトな気持ちでいることも大事です。

これもまた、コップの水を「半分しかない」「半分も残っている」どちらに感じるかという話に似ています。

ロブウェッジに比べたら十分にバウンスがある! と思えたら、ミスも出にくくなるのでしょうね。

数値を味方につける

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ある整体師の方は、人間の脳は簡単にだませる、と言っていました。思っていなくても言葉に出すだけで、脳はそう思い込もうとするらしいです。

いま使っているSシャフトが硬く感じたとします。それは、

「Sはやっぱり硬い」

と、頭のどこかで思っている可能性があり、

「Sだけどしなりを感じやすいシャフトだ」

と、思っていなくても口にするだけで、次のスイングではしなりを感じ取ることができるようになる、と言うのです。


いかがですか?

クラブスペックの数値を、ネガティブなイメージに使っていたりしませんか?

数値は心強くあるために使います。ポジティブに、成功をイメージする際の理由付けとして、上手に数字を思い浮かべると効果があると思います。

ちなみに私は練習場で「5番アイアンのロフトはドライバーの3倍!」と口に出してつぶやくと、高さのある球が打てたりします。

人間の脳って単純ですね。