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こせきよういち

パターのシャフトをぐにゃり ~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み #37

先週の米ツアー戦は、年間王者を決めるプレーオフシリーズの第2戦「デル・テクノロジーズ選手権」。

優勝は今季5勝目のジャスティン・トーマスでしたが、ここで注目するのは、今年のマスターズチャンピオンのセルヒオ・ガルシアです。

新婚の身ですが、コース上では相変わらずいろいろと話題を提供してくれる愛すべきキャラクター。

今回は大会3日目に見せた、怒りに任せてのパターのシャフト曲げにスポットを当ててみました。

地面に叩きつけて

ガルシアのショートテンパー(短気)は有名。

過去にはクラブを池に投げ入れたり、(なぜか)シューズを放り投げたり・蹴り上げたりしたこともありました。

手にしたクラブで地面を叩きつけるのも得意技のひとつ。

今回は第3ラウンドの4番ホール(パー4)で、グリーン周りからのアプローチパット(第2打)が大きくラインを外れたことに怒りが大噴火。

手にしていたパターを力いっぱい叩き下ろしたところ、シャフトが曲がってしまったのです(下リンク先)。

ちなみに、ガルシアはテーラーメイドの契約選手で、パターも今季は同社の「スパイダー」を使っていました。

ところが、この試合ではキャロウェイの「トゥーロンデザイン」ブランドのパターを初めて使用。被害に遇ったのは、その使い始めたばかりのパターでした。

規則上、通常のプレー以外でクラブに損傷が発生した場合、以降、そのクラブを使うことはできません。

そのためガルシアは次のパットを3番ウッドで代用。これは見事カップに沈め、バーディをマークしました。

でも、その後はパター代わりに3番ウッド→ドライバー→3番アイアンと持ち替えましたが、やはりうまく決まらず、残る14ホールは2バーディ&5ボギー+1ダブルボギー(トータル75打)と散々な結果になりました。

まぁ、自業自得ってことでしょうね。

キャディバッグに押し付けて

実はガルシアは、一年前、昨年のプレーオフシリーズ(第3戦のBMW選手権)でも怒りに任せてパターのシャフトを曲げています。

このときは、グリーン上でプレーするプレーヤーに配慮してか、大きく振り下ろすことはせず、小さなアクションでバッグに突き刺すように押し付けたのですが、シャフトはぐにゃり。

大きく曲がってしまいました。

そして、続く13番ホールからはパターの代用に3番ウッドとウェッジを使用。

残る6ホールを1バーディ&3ボギー。やはり、スコアを落とす結果になりました。

自分の頭を連打して

パターのシャフト曲げで有名なシーンがこれ。

1997年のMCIクラシック(現RBCヘリテイジ)でのこと。

ウッディ・オースティンは距離のあるパッティングを大きくショートさせると、何を思ったのか自らの頭をパターで連打。

よほど強く打ち付けたのでしょう。シャフトがぐにゃりと曲がってしまったのでした。

それにしても、頭のほうは大丈夫だったのでしょうか?

キャディが転んで

以上の3例は、前記のように規則上の「通常のプレー中に受けた損傷」(規則4-3a)ではないため、その後のラウンドで、そのパターを使用することも、修理・交換も認められません(違反した場合は競技失格。規則4-3b)。

では、この動画のケースはどうでしょう。

2014年のウェルズファーゴ選手権のこと。

チェッソン・ハドリーのキャディは、コース上に張られたロープにつまづき、転倒。

その拍子に運悪くバッグ中のパターのシャフトがわずかに曲がってしまったのです。

この場合は、規則上の「通常のプレー中に受けた損傷」に当たるため、ハドリーは競技委員に確認のうえ、その後も同じパターでプレー。

最初のホールでさっそくバーディをマークしました。

どんなに思い通りにプレーができなくても、その怒りをモノにぶつけないことです。