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こせきよういち

今週の全英オープンはスペインのジョン・ラームに注目~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#30

今週開催されるメジャー第3戦の全英オープン。

今年の本命は? と問われても、迷うに迷う混戦模様ですが、そのなかでイギリスのブックメーカー(賭け屋)の多くは、現在世界ランキング№1のダスティン・ジョンソンを本命に設定(最小オッズ=払い戻しの倍率が最小)しています。まぁ、妥当なところでしょうか。

そして、彼らが対抗=オッズ2番手に挙げているのが若い3人。

ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラー、そしてツアールーキーでスペイン出身のジョン・ラームです。

今回のテーマは、一躍全英オープンの注目選手となったジョン・ラームに関する話題です。

ちなみに、松山英樹はロリー・マキロイ(先週まで2週連続予選落ちで、評価が急降下)と並んでオッズ7番手になっています。

2週前のアイリッシュオープン圧勝で評価が急上昇

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スペイン出身のジョン・ラーム(22歳)は昨年(59位タイ)に続く2度目の全英オープン出場です。

今季のメジャーは、マスターズが27位タイ。

期待された全米オープンは、ミスショット連発で怒り連発だったことばかりが話題。第2ラウンドを終えて計5オーバー、102位タイで予選落ちとなりました。

ところが、その3週間後、北アイルランドのタフなリンクスコースを舞台に行われたアイリッシュオープンで、2位に6打の大差をつけて圧勝(欧州ツアー初優勝)。

すると、一躍、全英オープンの優勝候補のひとりに加わったのでした。

ラームが勝てば、スペイン選手ではセベ・バレステロス、ホセ・マリア・オラサバル、そして今年マスターズを制したセルヒオ・ガルシアに次ぐ4人目のメジャー優勝選手になります。

この過去3人のメジャー優勝は計8勝ですが、内訳はマスターズ5勝+全英オープン3勝。

スペイン選手にとって、全英オープンはマスターズと並んで相性のいい大会のようです。

全英オープンでは、セベはどんなタフなライからでもピンを真っ直ぐ狙っていきました。

そんな熱い攻めの姿勢は、ラームからも先のアイリッシュオープンで十分に感じられました(下記、リンク先の映像参照。大会のベストショットの1位にランクされています)。

期待しましょう!

セベ・バレステロスは全英オープン3勝+マスターズ2勝

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情熱がほとばしるプレーで世界中のゴルフファンに愛されたセベ・バレステロス。

全英オープンは1979年(ロイヤル・リザム&セント・アンズ)、84年(セントアンドリュース、上写真)、88年(ロイヤル・リザム&セント・アンズ)で3勝しています。

また、今年の舞台=ロイヤル・バークデイルでも、76年大会で19歳のセベが悔しい負けを喫しています。

大会最終日、セベは2位のジョニー・ミラーを2打リードしてスタート。ところが、緊張のためか、序盤からショットを乱し、6番ホールで早々と逆転されてしまいます。

その後も、ずるずると後退。終わってみれば、優勝したミラーに6打離されての2位タイに惜敗したのでした。

それでも終盤の17番でイーグル、18番でバーディをマーク。最後まであきらめない闘志と非凡な才能を世界に示したのでした(リンク先は、その大会のセベ)。

この41年前の先輩の悔しさを、今年ラームが晴らすことはあるのでしょうか。

ホセ・マリア・オラサバルはマスターズ2勝

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セベに続くスペイン選手2人目のメジャーチャンピオンは、今年51歳のホセ・マリア・オラサバルです。

彼は94年(上写真)と99年の2度、マスターズのタイトルに輝いています。

残念ながら、全英オープンでは優勝争いに激しくからんだ記録はありませんが、ニック・ファルドが3度目の優勝を果たした92年(会場はミュアフィールド)は、ファルドに2打差に迫る3位になっています。

セルヒオ・ガルシアはマスターズ1勝

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スペイン人の最も新しいメジャーチャンピオンは、まだ記憶に新しい、今年のマスターズでメジャー参戦74試合目にして初優勝を飾ったセルヒオ・ガルシア(37歳)です。

それまでメジャーでは、ベスト5だけでも12度もマークしており、惜敗の連続でした。

また、全英オープンでは、07年(プレーオフ敗退)と14年の2位をはじめ、ベスト10に計10度。昨年まで3年連続でベスト10入りの実績があります。

今季は、マスターズ制覇後は6月末の欧州ツアー戦=BMWインターナショナルで2位タイになり、上昇機運。

そのため、イギリスのブックメーカーのオッズは、ジャスティン・ローズと並ぶ5番手になっています。

ジョン・ラームと一緒に、彼にも注目です。