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ゴルフスイング

コーチャン

アウトサイドインを矯正して正しいスイングプレーンを身に付けよう!

ミスショットが多発する原因は、スイングプレーンが「アウトサイドイン」になっているからかもしれません。

スイングプレーンとは、スイングをしたときのスイング軌道のこと。

クラブの軌道を制御してアウトサイドインを矯正することで理想的なスイングプレーンになり、ミスショットのない打ち方を身に付き、全体的なスコアアップにつなげることができます。

打ちたい球筋があると思いますが、例えばドローボールを打つには、インサイドアウトもしくはインサイドインの軌道が必要です。

ここでは、矯正したいスイングプレーンの中でもアウトサイドインに注目して、見ていきましょう!

アウトサイドイン=カット打ちが原因でスライスが出る! その特徴は?

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アウトサイドインの特徴は、ダウンスイングでクラブヘッドが飛球線よりも外側から振り下ろされて、インパクト後には飛球線の内側に振り抜かれていくというスイング軌道にあります。

アウトサイドインのスイング軌道でボールを打ってしまうと、ボールにスライス回転がかかり、打ち出しよりも右にボールが逃げていってしまう「スライス」が出やすくなってしまいます。

スライスは、多くの場合ティーショットで使用するドライバーで顕著に出やすく、その日のラウンドの第1打目が、右へOBになってしまうリスクも含んでいます。そうなると、スコアもまとまりにくく、精神的にもダメージを受けてしまいます。

アウトサイドインのまま、ゴルフをして強くなっているプロゴルファーもいることは事実です。

2019年PGAツアーの「ジェネシスオープン」で、4年ぶりの優勝を挙げたJ・B・ホームズもその一人。風に負けない低いフェードを武器に、試合を戦い抜いています。

このように、プロゴルファーやゴルフ上級者の中には、アウトサイドインを鍛えに鍛え、武器にしまっている人も存在します。

しかし、アウトサイドインのスイング軌道はスライスが出やすくリスクが高いことから、初心者のうちに、正しいスイングプレーンを身に付けたほうが良いでしょう。

アウトサイドインのスイング軌道を解消し、ドローボールや力強いフェードボールを打てるようになると、後のゴルフに大きないい影響があるでしょう。

アウトサイドインのスイングではフックも出やすく飛距離もロス!

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さらに、アウトサイドインのスイングでは、スライスとは正反対の、フックボールも出やすいです。

なぜ反対のボールがと疑問に思うかもしれませんが、これは、ヘッドが返るか返らないかの違いです。ヘッドが返らなければスライス、ヘッドが返ればフック、といった具合です。

スライスかフック、どちらが出るか分かっていれば、アウトサイドインの軌道を持ったままでも、しっかりとスコアをまとめることができる人もいると思います。

しかし、ヘッドの返りにより、いまのホールではスライス、このホールではフック、と出球が変わってきてしまうと、それに翻弄されてしまい、まとまるものもまとまりません。

出るボールは一定であるほうが、コース攻略の道筋も立てやすいです。

どんなボールが出るか分かっているだけでも、「このホールをどう攻略していこう」と考える事柄を、ひとつ減らすことができます。

さらに、アウトサイドインはカットで打ってしまっていることで、スピン量が多くなってしまい、飛距離をロスしている可能性があります。

アウトサイドインのスイング軌道を直すだけで、個人差もありますが、20~30ヤードほど飛距離が伸びる可能性もありますよ。

アプローチではアウトサイドインが有効な場合も

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ドライバーやアイアンを使用したフルスイングではさまざまなリスクがあるアウトサイドインですが、ボールをグリーンに乗せるために必要なアプローチでは、アウトサイドインが有効な場合もあります。

アウトサイドイン軌道で打ったアプローチは、逆のインサイドアウトで打ったアプローチよりも、ボールが高く上がり、乗ったあとの転がりが少なくなり、止まりやすくなります。

このようなボールは、特に砲台グリーンなどでランを出さずに目標の場所に止めたいときに用いられます。

普段のスイングはアウトサイドインをしないように、アプローチでアウトサイドインを、となると、混乱してしまう人もいると思います。

そんなときは、簡単に考えることが大切。

普段のアドレスよりも左足を後ろに引き、身体が少し左を向くように構えます。フェースも開き気味にして、そのままカットに振るだけ。

そうすることで、ボールの勢いがつかず、振った分だけ高いボールが出るようになります。

アウトサイドインがすべての悪因になっているわけではなく、使いどころにより有効な手段であることを覚えておいてください。

アウトサイドインを矯正しながら、打ち分けができていくと、よりゴルフ力がついていきますよ。

アウトサイドインの原因1:テークバックでのフェースの開き

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それでは、フルスイングで、アウトサイドインになってしまう原因を見ていきましょう。

1つ目の原因は、テークバックでフェースが開いてしまっていることです。

始動の段階でクラブフェースが開いてしまっていると、多くのアマチュアゴルファーはそれを閉じる動きを取ることができず、開いたままテークバックからトップを迎えてしまいます。

パワーのあるプロゴルファーであればそれを戻すことができますが、アマチュアゴルファーでは、なかなか難しい動きです。

よって、開いたフェースをダウンスイングで戻すことができず擦り球が出てスライスを打ってしまうのですが、それを嫌って無理やり手で戻そうとすることで、軌道がアウトサイドインを描いてしまいます。

そこで手首が返り過ぎてしまうと、フックの球筋が生まれてしまいます。

テークバックでフェースが開いた分をダウンスイングで戻すことができれば、下ろしたフェースはスクエアにボールに当たり、まっすぐなボールを打つことができます。

ゴルフクラブ自体、スイング中に開きやすい設計になっていますので、テークバックの初期の段階から、「開かない意識」を持つことが大切なのです。

アウトサイドインの原因2:左腰が引けて右肩が突っ込んでいる

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アウトサイドインになってしまうもう1つの原因は、トップを取った位置からダウンスイングをするときの重心が、右足に残ったままになってしまっていることが挙げられます。

重心が右足に残ったままで左腰を回転させてしまうと、腰が自然と引けてしまう動きになります。同時に、その反動で右肩がすぐに前に出て突っ込んでしまいます。

身体が開き振り遅れの原因にもなりますし、こうなると自然にアウトサイドからクラブが入り、インサイドに抜けていってしまうアウトサイドイン軌道が生まれます。

また、右足軸のスイングを素振りでしてみると体感できるのですが、テークバックを取り、そのまま右足軸でダウンスイングをすると、アドレスで構えたボールの位置に、クラブのフェース面が届かないことが分かります。

クラブがボールに届かないことで、ゴルフで重要な「身体の回転だけで打つ」という動きだけではスイングができないことになってしまいます。

なんとかそのままボールを打とうとすると、スイングの中に、ひざを曲げたり、前傾角度を深く取ったり、手首の角度を変えて腕を伸ばしたりと、余計な動きが発生し、なおかつ身体の回転で打つときよりも飛距離がなくなってしまいます。

ダウンスイングの切り返しを修正することが、アウトサイドインの改善へつながっていきます。

アウトサイドインの直し方は? まずはアドレスからテークバックを見てみよう

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テークバックでフェースが開いた分をダウンスイングで戻すことができれば、下ろしたフェースはスクエアにボールに当たり、まっすぐなボールを打つことができます。

テークバックでのフェースは意識的に「閉じる」ことを考えながら、スイングをしてみましょう。

いつも開いて上げてしまう人には違和感があるかもしれませんが、フェースを閉じたまま上げていきましょう。

イメージが沸かないという人は、グリップをおへそに当て、テークバックをしてみて、腰の高さまで来たら、シャフトの角度を変えず、そのまままっすぐ上げてみましょう。

段々と慣れていき、スムーズに上げることができるようになっていきます。

たった腰の高さまでフェースが開くことを我慢できれば、そのあとはフェースを気にせずに打っても、手だけで無理にスイングしなければ、開くことはありません。

練習方法としては、腕の間にボールを挟んでスイングする方法が効果的です。

上半身とクラブが同調してテークバックを取るようになることが最終目標のため、アドレスで構えた腕の間にボールを挟み、落とさないようにトップまで持っていくと、上半身とクラブの正しい位置関係を把握することができます。

まずはフェースが開いていないか、目で確認しながら素振りをして慣れていきましょう。

ダウンスイングの切り返しで右手をチェック

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また、2つめの原因への対策ですが、右足に体重が残ってしまうということは、身体の捻転が浅いからとも言えます。

捻り過ぎかと思うくらい深く、できれば90度以上、テークバックのときに意識して上半身を捻転させてみましょう。捻転不足を改善することで、インサイドに腕を下ろすことのできるスペースが確保され、上半身が開いて右肩が突っ込むことを抑えられます。

その捻転をダウンスイング時にすぐに解いてしまうと、結果的に同じになってしまいますので、捻転を崩さないイメージで、左足へ体重を乗せて切り返していきます。

左に壁があって、そこにお尻をぶつけるようにしてみると、上手く回転できていきます。

また、右手の力感が強くなってしまうと、切り返しで右腕と左腕の距離感が崩れ、クラブが被って降りてきやすくなります。右手の力は極力減らします。

トップの場面では、「出前持ち」と言われる、右手首が直角になるようなイメージでクラブの重みを感じ、そのままダウンスイングに入りましょう。

このとき、右脇は開かず、閉じたままです。添えるだけのイメージで、右手の力を抜くことが重要です。

これらのスイング動作を身に付けて、アウトサイドインのスイング軌道を克服していきましょう。

プロ監修! アウトサイドインを矯正するゴルフ練習器具はコチラ

アウトサイドインを矯正するのに、良い練習器具もありますので、ご紹介します。

ツアープロコーチの谷将貴プロ監修の「ライト Simple Master OP(シンプルマスターオンプレーン)」です。

角度を持って自立する棒で、黄色いスポンジに沿わせるようにアドレスを取ります。そのままテークバックから素振りをしてみると、いつもアウトサイドインに振っている人は、シャフトが黄色いスポンジに当たってしまうと思います。

このスポンジに当たらないようにスイングをすることで、自然と正しいスイングプレーンが身についていきます。

値段もお値打ちで、サイズもコンパクトのため、アウトサイドインが矯正できたあとも、確認で時々使用するのに役立ちます。