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初心者

アビ

アプローチの距離感で起こっている勘違い……

「何か距離感が合わないな……」

ラウンド中、多くのアマチュアゴルファーがアプローチを打ち終わった後で呟く言葉ですが、何故距離感が合わないのか、ちゃんと検証する必要があります。

なぜなら、合っていないのは距離感そのものではなく、自分の考え方なのかもしれないので。

人間の目は、意外と精巧にできている

人間の目は実は精巧にできていて、かなり正しく距離感を合わせることができます。

これは日常生活に置き換えるとわかります。朝夕のラッシュアワー時の駅や渋谷の交差点のような場所で歩くときでも、人とぶつからないように上手く歩いているはずです。

3メートルくらい離れたゴミ箱にゴミを投げれば、入らないにせよ大体近くにはいって、倍以上飛ぶ・半分も飛ばないとかは基本的にはないはずです。

ではなぜ、ゴルフのアプローチになると、距離感が合わなくなるのでしょうか。

アプローチショット どこを狙っていますか?

50ヤード以内のアプローチを打つ際、正面に深いラフや池、バンカーなどの障害物が無い限り、たいていはランニングアプローチかピッチエンドランで寄せていくことになると思いますが、目標・狙いはどこに定めていますか?

ここで、ピンフラッグ(カップ)と答えた人は、技術的な問題は別にして、そもそも距離感が合っていない可能性があります。

アプローチのゴールはボールが止まる地点

野球のキャッチボールを思い浮かべてください。相手の胸に向かってボールを投げ、相手はグローブでキャッチしてくれます。

が、相手がボールをキャッチしてくれなかったらどうなるでしょうか?

当然のことながら、ボールは転々と向こう側まで転がっていくことになります。

ピンフラッグ(カップ)を見てアプローチを狙うという人は、これと同じことが起きています。

要は目標をカップにしている時点で、カップまでの距離をキャリーで打つことになりますが、ボールが地面に着いた後、どう転がっていくのかをイメージできていないということです。

意識するのはピンフラッグではなく、「落とす場所」

残り距離が100ヤードくらいあれば、ウェッジでフルショットして、キャリーする場所に高い弾道で上からボールを止めることも可能です。

ヘッドスピードが速い人ならバックスピンで戻すこともできます。

ですが、50ヤード以内のアプローチの場合だと、キャリーとランを合わせて考える必要があります。

どこに、どのような強さ・高さで落とせば、どういう風に転がってカップまで寄って行くのかを頭の中でイメージして下さい。

当然、低い球や強い球であれば転がる距離は長くなりますし、高い球・弱い球であれば転がる距離も短くなります。

頭の中でイメージを決めたら、意識は「落とす場所」だけに集中してピンフラッグは視界から消しましょう。

ピンフラッグを視界から消すのには、落としどころに意識を集中させる以外にも理由があります。

人間の目は精巧にできているので、ピンフラッグを目標に振ろうとすると、「この振り幅では大きい」と本能的に察知してしまうのです。

そうすると、スイング途中でクラブが減速し、思いも寄らない大ミスが起きてしまいます。

練習の時から、キャリーだけでなく、ランもイメージしましょう

アプローチの練習をする時も、「この振り幅なら何ヤード」とキャリーのことしか意識していないかもしれませんが、その後にどのくらいランが出るのかも必ず意識しましょう。この強さでこの傾斜ならこのくらい転がる……。

その積み重ねがアプローチの距離感を養うことにつながります。