オーガスタの難所、「アーメンコーナー」にまつわるよもやま話

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昨年は、新型コロナウイルスのために世界的に変則的なスケジュールになったゴルフツアーですが、今シーズンは、なんとか通常通りにトーナメントが開催されています。

そして、いよいよ2020年のメジャートーナメントの幕開けである「マスターズ」が始まります。

そのマスターズが開催されるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの最大の難所と言われているのが、11番、12番、13番ホールの通称「アーメンコーナー」です。

英語の発音は「エイメンコーナー」と言います。

正確には、11番ホールのドッグレッグのコーナーから13番ホールのドッグレッグのコーナーまでが「アーメンコーナー」なのです。

11番ホール、忘れられないマイズのチップイン

11番ホール、忘れられないマイズのチップイン

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オーガスタの各ホールには名前がついていますが、インの最初の10番ホール、長いダウンヒルのパー4「カメリア」に続くのが、アーメンコーナーの始まる11番ホール、右ドッグレッグのパー4、「ホワイト・ドッグウッド」です。

打ち下ろしとなるグリーンへのセカンドショットには、左の池と右のバンカーが立ちはだかります。

印象に残っているのが、1987年のプレーオフ。地元オーガスタ出身のラリー・マイズがグリーン手前からのピッチショットをカップインさせて、グレッグ・ノーマンを破ったシーンは、今も世界中のゴルフファンが覚えていることでしょう(写真)。

12番ホール、優勝目前のスピースが痛恨の池ポチャ2発

12番ホール、優勝目前のスピースが痛恨の池ポチャ2発

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12番ホールは、普段なら9番アイアン、風によっては6番アイアンのショットになるという、比較的短いパー3、通称「ゴールデン・ベル」です。

ホーガン・ブリッジで有名な池越えのホールは、アーメンコーナーが高台にあるため、風の計算が難しくなります。

ショートしてバンカーの左右に外れると、ボールはクリークに転がり落ちてしまいますし、オーバーしてバンカーに入れてしまうと、左足下がりのライから池に向かって打っていく難しいバンカーショットになるという厄介なホールです。

2016年には、2位に5打差を付けてサンデーバックナインに入ったジョーダン・スピースが、10番、11番で連続ボギーを喫し、このホールにやってきます。

果たしてスピース、ここで池ポチャ2発。このホールで“7”と、3ホールで6つスコアを落としビッグタイトルを逃がしたことは、まだ記憶に新しいですね(写真)。

13番ホール、トミー中島が悪夢の13打

13番ホール、トミー中島が悪夢の13打

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その後に続く13番ホールは、ティーショットをドローボールでフェアウェイをとらえれば、グリーン手前のクリーク越えのセカンドショットでイーグルも狙える短い左ドッグレッグのパー5、通称「アゼリア」です。

このホールの左側には細いクリークが流れています。そのクリークの周りに咲き乱れる美しいアゼリアの花が、このホールの名前の由来になっています。

1978年大会では、中嶋常幸(欧米ではトミー・ナカジマとして有名)が、このホールで13というスコアを叩いてしまいました。ちなみに、この13番ホール以外はすべてパープレーでした。今でもアメリカのテレビ中継などで語り継がれています。

いずれにしても、これらの3ホールは、コース内のもっとも標高の低い、いわゆる谷底のような場所にあるせいか、風が強いことが多く、優勝を争うプレーヤーたちの明暗を分ける難所として知られています。

アーメンコーナー、その名前の由来

アーメンコーナー、その名前の由来

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この3ホールがアーメンコーナーと呼ばれるようになったのは、実は1958年からのことです。

アーノルド・パーマーが猛追を見せて、トーナメントリーダーだったケン・ベンチュリーを破って優勝した時の記事で、スポーツ・イラストレイテッド誌の記者ハーバート・ウィンドが初めて「アーメンコーナー」という言葉を使ったのです。

最終日の12番ホールで、ピッチマークにボールが食い込んだ時のルールに関わるもめごとがありました。

パーマーの打ったティーショットがグリーン奥のラフでピッチマークに食い込んでいましたが、オフィシャルが救済を認めなかったため、パーマーは、そのボールでそのままプレーして、ダブルボギーとしました。

しかし、納得がいかなかったパーマーは、救済が受けられるはずと主張し、2つめのボールをプレーし、パーをセーブしました。

そして、そのクレームが後になって認められて優勝しました。

ちなみに、この日は雨の後でローカルルールが設定され、スルー・ザ・グリーンで、自分のピッチマークに食い込んだボールは、救済を受けることができたのです。

実は、ハーバート・ウィンド記者が、この出来事を記事にした時、ゲームの行方を握るコーナー(場所)というニュアンスのある野球の「ホットコーナー」や、バスケットボールやフットボール用語のコフィン(棺桶)コーナーのような言葉を考えたそうですが、その時に思いついたのが「アーメンコーナー(Amen Corner)」だったそうです。
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