「ゼロポジション」のアドレスから、スイングは「8時」から力を入れていく
朝いちばんのティーショット、力を入れ過ぎていませんか?
朝いちばんのティーショット、肩や腕に力が入っているのがわかります。
あなたはアドレスで、どこに力を入れているでしょうか
腕、肩、かかと、つま先、内股、太もも、力が入る体の部分はいくらでもあります。
しかしグリップ以外のどこかに力が入っていたとしたら、それは力の入れ過ぎです。
野球のピッチャーはどう?
野球で、ピッチャーがボールを投げる時、キャッチャーのミットを狙って投げる場面です。
最初から、思い切り力を入れて、振りかぶって投げているわけではありません。
むしろ、リラックスした体勢からスタートし徐々にスピードを上げ、同時に力を込めていきながら投げています。
ゼロポジションからスタートしよう!
スイングでスタート地点になるのがアドレスです。大切なのは、どこにも力が入っていない「ゼロポジション」です。
プロはグリップ以外どこにも力が入っていません。なぜなら、足が止まっていてまだスイングを開始していない状態、ましてやすぐにボールを叩くわけでもない段階です。どこにも力が入るはずがないのです。
仮に腕や肩に力が入っているとしたら、それは間違いなくスイングの力みにつながります。
内股に最初から力が入っていればおそらく、下半身がぎこちなく動いてしまうでしょう。
まだクラブヘッドを動かしていない時にミスを生む要素を作ることほどバカらしいことはありません。
これから始まるスイング、そしてインパクトに向けてスムーズに体を動かしていくために、まずはどこにも力が入っていないゼロポジションからスタートしましょう。
力まないためのプレショットルーティーン
これらの力みを取って、リラックスしたアドレスを迎えるために、プレショットルーティーンを行います。
このルーティーンには、「常に同じ手順を踏んでショットに入ることで、動作をスムーズにするとともに、緊張感を解き、集中力を高め、いつもどおりのプレーをしやすくする効果」があります。
素振りをしたり、飛球線後方に立って目標方向を確認したり、肩や足の位置を確認するといった動作、仕草を見せます。
渋野日向子は、1回素振りをして、球筋&弾道をイメージするように、目標を高い目線で確認します。
イ・ボミ選手は、バックスイングをチェックしながら素振りし、遠くの高い目線で目標を見ます。
短いプレショットルーティーンの例で言えば、井戸木鴻樹選手がいます。短い時間でセットアップを決めて、迷わずスイングをします。
ティーアップをして、そしてまずグリップを決めながら、ボールとの距離を作る。その後、足の位置を決めたら、一回だけ目標を見て、あとはこのボールとの距離感をもう一度確認した後、振り抜いています。
スイングの前に完全なイメージができているので、このような速いルーティンで打つことができるというわけなのです。
いつも決まったプレショットルーティーンをすることによって、リラックスし安定したアドレスをすることができるのです。
スイングのどこから力を入れていくのか?

スイングを時計に例えれば、体の正面から自分を見てアドレスとインパクトが6時、テークバックからトップに向かって7時、8時、9時、10時……と上がり、ダウンスイングで9時、8時、7時と戻ります。
6時にインパクトを迎えた後のフォローが5時、4時……。
スイングがトップの「10時から11時」の時点で、力感が100パーセントになっているケースがほとんどですが、これでは力を入れるのが早過ぎで、最も重要なインパクトの時点で減速してしまいます。
飛距離が出ない大きな原因です。
できるだけ、短い距離で助走してトップスピードに持っていきたいのです。
それはフェース面を変えないで、速く振り抜くためです。
素振りをする時によく言われるのが「右よりも左で振った時に音がするように素振りせよ」というものです(右打ちの場合)。
テニスでは、ボールが来たらラケットを引いて、バックスイングに入りますが、恐らく力は入れて引いてはいないはずです。
ボールが視界に入って、叩けるタイミングに近づいたらそこから力を込めて、スイングスピードを上げていくと思います。
テニスと同様に、インパクトに向けてクラブを引き下ろしていくとき、できるだけボールに近づいてから、助走をつけてトップスピードで、しかもフェース面が変わらないようにしてインパクトしたいわけです。
スイングで力を入れ始めるるのは8時のイメージ。
クラブを上げるトップまでの間はもちろん、ダウンスイングでも9時までは力を入れずに、8時になって力を入れ始める感じです。
慣れない力感かもしれませんが、この感覚がインパクトでトップスピードに持っていく打ち方です。
トップでは、クラブシャフトを指で支えている感じで、下半身、特に腰から動き始めます。
わずかな間ですが、下半身始動によって頭の上のクラブをわずかに引っ張って下ろしてくるわけです。
その下ろし方も、乱暴ではなくクラブが落ちるタイミングに合わせて補助してあげるイメージです。
腰の位置でも、まだクラブは見えていません、そしてクラブが地面と平行になるころ、8時ごろ、眠りから覚めたように、クラブがボールに向かって動き出す感じです。
そして、インパクトという途中駅を、猛スピードで通過したら、トップスピードに入っているわけです(実際にはインパクトのエネルギーロスで減速しますが、イメージとしてはこれです)。