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ゴルフクラブ

Nick Jagger

知っているようで案外知らない「トルク」のお話

「トルク」というクラブ用語を聞いたことはあると思いますが、意外と知らないという人が多いようです。

たいていのアマチュアゴルファーはシャフトに関する言葉だとは漠然と知ってはいますが、クラブを購入する時は、ほとんどの人がシャフトの重量帯やSとかRなどのシャフト硬度(フレックス)だけで選んでいるのではないでしょうか?

少し詳しい人ならば、先調子や手元調子などキックポイントも考慮するでしょうが、トルクを気にするアマチュアゴルファーは、ほぼ皆無に近いと思います。

ヘッドスピードの遅い初心者にはトルクの大きなものを

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スイング中、シャフトはしなるとともに左右方向にねじれ、打球の飛んでいく方向や曲がり方に大きな影響を及ぼします。

このねじれを数値化したものがトルクで、トルクが大きいほどねじれやすく、小さいほどねじれにくいクラブということになります。

トルクが大きなクラブは、クラブヘッドがゆったり動く感じで、言い換えるとスイングに対する反応が鈍いのです。

そのため、多少スイング軌道がブレても、クラブヘッドの挙動には大きく影響しないというメリットがあります。

タイプ的にはゴルフキャリアが浅く、まだスイングが安定しない、ヘッドスピードが遅いゴルファーに向いていると言えます。

プロやトップアマはトルクが小さなクラブを使っている

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一方、トルクが小さなクラブは、スイングの際にクラブヘッドが敏感に反応します。

スイング軌道が安定しないゴルファーには不向きですが、インテンショナルフックやスライスを打つケースでは威力を発揮します。

プロやトップアマなど競技志向のゴルファーに利用者が多いのはこのためなのです。

私たちが普段運転する市販車のステアリングには「遊び」がありますよね。

少しくらいステアリングを動かしても、タイヤは反応しませんが、F1マシンのステアリングには遊びがなく、ちょっとハンドルを切っただけでもすぐにタイヤが反応します。

トルクの大小によって、これと同じようなことが起こるわけです。

極端にトルクの大きさの違うクラブを試打してみる

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トルクの大きさが自分のスイングに適しているかどうかを判断するには、極端にトルクの大きなシャフトとトルクの小さなクラブを打ってみることでわかります。

男性ゴルファーであれば、レディースのドライバーを100パーセントの力で打ってみると、ほとんどの人は左に飛んでしまうはずです。

その理由は、トルクが大き過ぎてクラブヘッドが返り過ぎるからです。

反対に、トルクの小さいクラブを打つと、ヘッドが返らないため、フェースが開いたまま当たって、右に飛びやすくなります。

フェースターンはしなりではなく、トルクが行う

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このようなトルクはフェースターンに大きく影響する要素なのです。

一般的に先調子のシャフトは、ボールがつかまりやすいと言われますが、調子とはあくまでもシャフトのしなり具合を示すものです。

厳密に言えば、フェースターンを促すのはしなりではなく、ねじれ(トルク)なのです。

ボールがつかまらない人は、先調子よりもトルクの大きなクラブ(シャフト)を選んだほうがいいのです。

逆にフェースターンしやすい人は、トルクの小さなシャフトを選ぶべきでしょう。

今度クラブを購入する際には、店員さんにトルクの大きさを尋ねてみてはいかがでしょうか。