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ミスを引きずらない「パーキング理論」とは?

ゴルフにミスはつきもの。アマチュアにとってはむしろミスは当たり前のこと。そしてそのミスからどう立て直せるかが肝心ですよね。

バウンスバック

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ゴルフ中継を観ているとよく使われる言葉に、『バウンスバック』というものがあります。

バウンスバック率は、ボギーかそれより悪いスコアで上がったホールの直後のホールで、バーディかそれよりいいスコアをマークする確率のことです。

バウンスバック率で有名なのは、全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権を制した2000年の全盛期のタイガー・ウッズで、その年、36.51%という驚異的な数字を挙げています。

強い選手は、バウンスバックが多いということですね。今年のUSPGAツアーでは、現在、パトリック・カントレイ選手が1位です(6月23日現在)。

調子のいいことがこのバウンスバックにも出ているということですね。

バウンスバック率の計算の仕方と日本女子プロのバウンスバック率

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)には、バウンスバック率の計算方法が記載されています。


【(ボギーかそれより悪いスコアとしたホールの直後のホールで、バーディーかそれより良いスコアを獲得した総ホール数÷ボギーかそれより悪いスコアとした総ホール数)×100】 
https://www.lpga.or.jp/stats/2019/lpga/bounceback

となっています。

因みに2018年のJLPGAのバウンスバック率1位は、先週今年2勝目を挙げた鈴木愛プロで、22.222%となっています。

2位以下は、勝みなみプロ、菊地絵理香プロ、イ ミニョンプロの順です。

アベレージゴルファーはどうなの(筆者の場合)?

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では、我々アマチュアのアベレージゴルファーはどうなのでしょうか。

とにかくボギー以上が多いですよね。計算が大変です!

また、アベレージゴルファーがバーディーを取れることは、数ラウンドに1回でしょう。

昔、「ハンデ6」を大手を振って言えていた頃の筆者は、バーディーをラウンド1個取ることを義務付けていました。

その頃は、ほぼ1個は確実に取れていましたが、2個取ることは5、6ラウンドに1回あるかないかでした。

最盛期はともかく、ラウンド78~80位が平均スコアでしたので、多分ボギー以上は6ホール以上あったのでしょう。

あくまで机上の計算ですが、7ホールのボギーがあったとして、その後にバーディーがくる確率は、14.28%。

ただしパーのあとのバーディーもあるわけですから、ここらの計算は難しいのですが、単純に残り11ホールの次のホールのバーディーの確率は10%として、これを掛け合わせるとバウンスバック率は1.4%。

何か違うような気もしますが、まあこんなものではないでしょうか。正確に計算できる方がいらっしゃれば教えてくださいね。

とにかく、かなり低いということですよね。

※編集部注……18ホール中7ホールでボギー、1ホールでバーディー(パーが10ホール)と仮定します。

バーディーの確率が一定の場合、パーの後にバーディーが出る可能性と、ボギーの後にバーディーが出る可能性の比率は、単純にパーの数とボギーの数に比例しますので、

10:7

となります。

ということは、バーディーの確率をパーとボギーの比率で割ればいいので

(1÷18)×{7÷(10+7)}=0.0229(2.29%)

となります。

ちなみに、今年(9ラウンド)のバーディー率が5.56%=1ラウンドに1個という私のバウンスバック率を計算すると、ボギー以上ホールが78ホールなのに対し、それらのホールの後でバーディー以上を取ったホールが2ホールだったため、2÷78=0.0256(2.56%)でした。

ボギー以上が多い人ほどバーディーがボギーの後に来る可能性が高くなるので、結果としてバウンスバック率も高くなりそうです。

アベレージゴルファーはどうすればいいの?

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バウンスバックなんて、観るゴルフの楽しみ方の指標のひとつでしょう。アベレージゴルファーが計算したり目指すものではありません。

とにかく、アマチュアはミスをしないこと。そしてミスを引きずらないことです。

とはいえ、仕事でもゴルフでもそうなのですが、ミスはつきもの。これとどう上手く折り合いをつけるかが肝要です。

いくつか対処法を挙げてみましょう。

その1:過ぎたことを忘れる。忘れることは次の仕事、次のショットに向けて集中できる鍵になります。

その2:次の目標に切り替える。些細なことでも目標を持って新しいことをやっていくと、そのことに集中できて失敗した出来事を忘れますし、達成感によりモチベーションも少しずつ回復していきます。

その3:悪循環に陥らないようにする。反省も大事ですが、反省ばかりで前に進むことができなくなると本末転倒。次のことに集中できずミスを繰り返してしまうのは避けねばなりません。

では、簡単にミスを引きずらない方法を次にお披露目します。

ここは一流選手の真似ができる(パーキング理論)

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では、ラウンドの最中にミスが起こった時に、次の行動をする前に具体的にはどう考えればよいのでしょうか。

パーキング理論というものがあります。

スポーツでのメンタルトレーニングでも応用されているのですが、元々はサッカーの世界で、一流選手がコーチからアドバイスを受けたものだそうです。

ミスをした後の、気持ちの切り替えには、まず、自分のプレーに「落ち込まないといけない」というルールはないという確認をします。

次に、ミスをした後に「落ち込む」のか「次のプレーを全力で行う」のかのどちらかを選択するのは、プレーをしている本人だと自覚する必要があります。

ゴルフでもどんなスポーツでもそこで終わりということはありません。すぐに次のプレーを行わないといけないことは常にあります。

そんな時に、このパーキング理論が力を発揮します。

「ミスは頭の中の駐車場に一時停車しておいて、目の前のプレーに集中しする。反省や修正は、ゲームが終わった後に好きなだけやる」

これがパーキング理論です。簡単でしょ? これはどのレベルのスポーツプレーヤーでもすぐに実行できます。そして次のプレーに影響を与えない魔法の考え方です。

ぜひとも今度ミスを起こしてしまった時に、思い出して実行してみてください。

写真の停めてある車のように、ミスがたくさんあっても困りものですが(笑)。