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【野村敏京】プロゴルファーのスイングを徹底解析!

2016年ブラジルのリオオリンピックで日本代表として出場した野村選手。

野村敏京選手は小さな頃までは日本で育っていましたが、それからは韓国で暮らしていました。

そのため、後に日本国籍を取得し、日本代表でオリンピックに出場するも「日本語は苦手」と話していました。

現在米国ツアーを主戦場として戦う野村敏京選手のスイングを徹底解析です!

世界を相手に戦う野村選手の強さの秘訣に迫ります。

【野村敏京】アドレス~始動

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ドライビングディスタンスは250ヤードほどということで、ロングヒッターがズラリと揃う米国女子ツアーの中では平均的。

やはり欧米人と比べて体格で劣るアジア人は飛距離の面では不利なのでしょうか。

野村選手のアドレスは軽いフックグリップでスタンダード。

始動開始から少しの間はシャットフェースで、左右の方向性がいいことが伺えます。

スイングの始動に関して、体重を移動させたりする「動きのきっかけ」の動作がありません。

例えばヘッドが動き出す直前に、右足を軽く踏み込んだり、体重が左足から右足に移ってから動き出したり、という動作のことです。

早いバックスイングを行う選手ではないので、こうした動きが不要なのでしょう。

静かにスイングが始まるタイプです。

【野村敏京】バックスイング~トップ

バックスイングでは右足に体重が移っていきます。

腰を中心とした捻転で、若干左足のカカトから体重が抜けているのが見えると思います。

このときトップの位置にくる前に、コック動作が終了しています。

バックスイングの途中でしっかりとタメを作っているんですね。

アーリーコックとレイトコックの中間付近でコックを作っています。

この動きには理由があって、トップから切り返しが早めで一気にバックスイングが開始されます。

そのためレイトコックでは腕が遅れて体が先行してしまうため、早い段階でコックを完成させておく必要があるんです。

【野村敏京】トップ~インパクト

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バックスイングで作った右足体重を一気に下に落とし込むような動きが見られます。

これはバックスイングの反動を上手くスイングパワーに変換している証拠です。

学生時代は韓国で育っている野村選手ですが、韓国選手に多く見られるベタ足スイングではありません。

インパクト周辺では右足のカカトが浮いて、体重は左足へと移動している2軸スイングタイプですね。

腰の動きにも注目したいのですが、切り返しからインパクトの間、腰をゆりかごのように前方へ送り出している動きが見られます。

この動作、体重移動を打ち出し方向へ移動することでスイングリズムを取っています。

それだけスムーズな体重移動ができているということにつながってきます。

【野村敏京】インパクト~フォロー

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インパクトでは多くのプロ選手同様、頭がしっかりと残っています。

やはりボールをしっかりとらえるには「目」の位置を変えてはいけない、というのは共通の意識なのでしょう。

本当に力が抜けて「特徴がない」のが特徴のフォローの形となります。

これは裏を返せば非常にキレイなフォローの形であることを物語っています。

スイングの始動からインパクトにかけて無駄な動きがないからこそ、フォローも無駄がない形へと収まるんです。

とはいえ基本でもあるインパクト後の手首の形や、肩とグリップの三角形などは秀逸。

力に頼らないリズムと体重移動で正確に飛ばすスイングと言えるでしょう。

日本国籍を取得したのが2011年という野村選手。

そのためか知名度や注目度はやや低めな印象がありますが、日本人初めてとなるオリンピックのゴルフ種目の入賞者。

まだまだ年齢も若く、これからも目が離せません。

野村選手のスタッツを見るとパターが得意なことが分かります。

ショットでは際立って得意なものは見られませんが、そのどれもが平均的に高いレベルで安定しています。

美しいフォームで安定したショットから、得意のパッティングにつなぐスタイルが野村選手の強さの秘訣です。