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ゴルフスイング

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シャンクの原因は?出た時にできる応急処置と治すための練習方法

ラウンド中、突然のシャンク。

思いもよらないシャンクに、リズムが崩れてスコアがままらなくなってしまったり、次のショットに不安を感じてしまったりという経験をした人も多いと思います。

どうしてシャンクは起こってしまうのでしょうか?

今回は、シャンクが出る原因と、出た時にできる応急処置、シャンクを治すための練習方法をご紹介。

もうシャンクに怯えることはありません!

シャンクとは?

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シャンクとは、アイアン特有の、ゴルフのミスショットの1つです。

様々な原因で、クラブのネック部分(シャフトとヘッドのつなぎ部分)に近い場所でボールを打ってしまうことで、その状態で打たれたボールは、急な角度で右に飛んでいきます。

コースによりOBゾーンやクリーク・バンカーなどのハザードにボールが入ってしまう可能性がありますし、ボール自体は助かっていても、狙った場所と大きく違う場所から打つことになるため、1打以上の損となることがほとんど。

一度シャンクをしてしまうと、「シャンク病」と揶揄されるほど、連続して出てしまうこともあるため、シャンクが出た時には注意が必要です。

シャンクの6つの原因

シャンクの原因は様々です。直接的な原因は、クラブのネック部分に近い場所でボールを打ってしまうことですが、そこに至るまでのスイングを治すことで、シャンクは収まる可能性が高いです。

ここでは、考えられる原因を6つ見ていきましょう。

1つ1つ確認をすることで、自分が何を原因としてシャンクが出てしまうのかを知ることができますよ。

1.フェースが開いている

シャンクが発生する原因で一番多いのは、フェースの開きです。

ダウンスイングでフェースが返らず、開いた状態のままインパクトを迎えると、フェース部分より前に出たネック部分にボールが当たり、シャンクが発生します。

アプローチショットなどで、ボールを上げてピンに寄せたいという場合でも、必要以上にフェースを開く必要はありません。

まして、通常のアイアンショットでも、ボールを上げたいからとフェースを開いてしまうと、逆効果になることも。

アイアンやウェッジには必ずロフト角が付いていますので、わざわざフェースを開かなくても、正常なインパクトを迎えることができれば、ロフト通りにボールは飛んでいってくれます。

2.アドレスの姿勢にこだわっていない

もしアドレスの形にこだわりがないという人は、アドレスを見直すことをおすすめします。

ボールに対して適当に構えて打つだけでは、インパクトの前に下半身が浮いてしまったり、体幹がブレてしまったりして、常に同じスイングをすることが難しくなってしまうかも。シャンクも、それによるミスショットの1つと考えられます。

「アドレス8割」と言われるように、正しいアドレスを取ることは、再現性の高いスイングをすることにつながります。

軽くお尻を突き出して、膝をゆるめ、下半身をどっしりと構えましょう。この姿勢であれば、テークバックで体重移動をしても、体幹がブレることはありません。

3.ボールを打ちに行き過ぎている

この原因もゴルフ初心者に多いのですが、ボールを打ちに行く意識が強過ぎて、上体がボール方向へ突っ込んでしまっている場合、ヘッドがボール位置よりも前に出てしまい、シャンクが起こります。

ボールを打ちに行き過ぎると、アドレス時は保っていた、ボールとの距離が縮まってしまい、ネック部分にボールが当たるという結果になるのです。

スイングをする時は、あえてボールの右側にクラブヘッドをダフらせるイメージで、ボールを打ちに行かない感覚を持つことが大切。

ダフリへの恐怖心が出るかもしれませんが、下半身リードで回転する正しいスイングができていれば、ダフることはありません。

4.極端なアウトサイドイン・インサイドアウトの軌道で振っている

ゴルフの正しい軌道は、「インサイドイン」と呼ばれる、構えたボールを上から見たときに、ヘッドが内側から内側へ抜けていくスイング軌道が理想です。

シャンクが出る原因の4つめは、スイングが極端にアウトサイドイン、または、インサイドアウトになっていることです。

アウトサイドインは、シャンクに限らず、スライスなどの原因にもなり、多くのゴルファーを悩ませています。

インサイドアウトは、ヘッドが走るほど、遠心力が働き、インパクトでアドレス時よりもヘッドがトウ側に引っ張られてしまうことで、シャンクにつながってしまうという仕組みです。

どちらのスイング軌道で振っているにしろ、理想的なインサイドインスイングを身に付けることが、シャンク撲滅への近道になります。

5.疲れにより打点がズレる

身体的な疲れが、シャンクを引き起こす原因になることもあります。

疲れてくると、身体が重くなり、いつもの動きができないことは、ゴルフに限ったことではありません。

トップで深い捻転が必要なところを捻転不足になってしまうとクラブヘッドがアドレスの位置に戻らず、ネック部分に当たってしまい、シャンクが出ることがあります。

また、ダウンスイングで前傾が保てなくなってしまうと、インパクトの前に身体が起き上がり、身体が開くことで、シャンクが発生します。

疲れにより打点がズレてしまうことは、特に後半で出ることが多いので、特に注意が必要です。

6.手打ちで身体と腕が同調していない

ゴルフスイングは身体と腕が同調した動きでクラブを振り、ボールを飛ばしていきますが、それとは逆に、身体と腕がバラバラのスイングを、「手打ち」と言います。

重心移動を伴っていない手打ちスイングは、仮にボールに当たったとしても、エネルギーを効率良くボールに伝えることができず、飛距離が通常よりもかなり落ちてしまう結果に。

そして、脇が開くことでスイング軌道がズレてしまい、シャンクが発生する要因となります。

手打ちは、シャンクだけなく、飛距離が落ちる原因や、ボールが左右に散らばり、真っすぐ飛ばない原因としても挙げられるスイングのため、ここで治しておきたいですね。

シャンクの原因を知るには動画撮影がおすすめです

自分のシャンクがなぜ出てしまっているのかを知るには、動画を撮影し、それを見返すことで知ることができます。

シャンクは出そうと思って出ているものではないので、撮影の時はきれいなショットであることも多いかもしれません。

しかし、動画撮影を数枚続けていくと、出球がシャンクでなくても、「このショットはシャンクが出る傾向がある」などのミスが出てくると思います。

そのスイングを分析していくことで、シャンクの出る原因を知ることができるでしょう。

シャンクが出てしまった時の応急処置

練習場では同じボール位置、同じスイングで何度もやり直すことができますが、本番では違います。

一度シャンクが出てしまうと、次も出るのではないかという不安に駆られ、次のショットも上手くいかないといった、負の連鎖になってしまうかもしれません。

本番でシャンクが出てしまった時は、以下でご紹介する応急処置をおすすめします。

1.ダウンスイングでグリップを身体に引き寄せる

ダウンスイングで、身体の中心として遠心力が働くと、グリップと身体が開いてしまい、手が先行することで、シャンクが起こります。

一度シャンクが出てしまったら、ダウンスイングで、グリップを身体に引き寄せるイメージで打ちましょう。

ただし、スイングでは身体も動いていますので、その身体に腕を同調させながら、グリップエンドを地面に叩きつけるイメージが効果的。

こうすることで身体と腕が離れず、一体化したスイングをすることができるようになります。

2.ボールに少し近づく

シャンクは、クラブのヒールにボールが当たって出るものです。このことから、自分とボールの距離は近過ぎるため、シャンクが出たら、ボールから少し離れて構えようと思われるかもしれません。

しかし、ボールから離れるほど、身体とボールの距離が遠くなり、グリップが身体と離れてしまう動きを強調する結果に。

シャンクが出た時には、ボールに少し近づいて構えてみましょう。グリップが身体から離れない距離で構えることができれば、シャンクは出にくくなります。

3.シャンクの出るクラブを使わない

どうしてもシャンクが止まらない時は、思い切って使用クラブを変えてみることもおすすめ。

一度シャンクが出てしまうと、他の場面でも同じクラブを使おうとするとその光景がよぎり、不安を感じてしまうことも多いです。

そのラウンドではそのクラブは使わないようにすれば、気持ちも楽になりますよ。

9番アイアンでシャンクが出てしまった時には、8番アイアンを短く持って振る。

アプローチで使用するウェッジでシャンクが出てしまった時には、ユーティリティでボールを転がしたり、ライ次第ですがパターを使ったりするのも効果的です。

とにかく、使用していたクラブを封印し、シャンクを打たないようにしましょう。このクラブであれば大丈夫という心持ちになれば、段々と落ち着いてプレーができるようになります。

4.基本のアドレスを確認する

アドレスがしっかりと取れていないと、スイングの土台となる下半身が不安定になり、構えた位置にヘッドが戻らず、シャンクが出やすくなります。

シャンクが出た時にはアドレスが基本に則っているかを確認すると良いでしょう。

足を肩幅に開き、ボールの前に立ったら、足の付け根からボールに向かってお辞儀するように、前傾を取ります。

お尻が突き出たような格好になりますので、太ももの裏が張る感覚を覚えると思いますので、少しだけ膝をゆるめましょう。

腕は力を抜き、だらんと垂れた位置でグリップをします。

これが、基本のアドレスです。

アドレスにあまりこだわりがなかったという人も、再度見直してみると良いでしょう。

5.フックグリップにして手の位置を確認する

アイアンのグリップをフックグリップに変えることも、応急処置として効果的。

フックグリップにすると、フェースが開きにくくなるので、ある程度シャンクを抑えることができます。

もしグリップをウィークグリップで握っていた場合、右肩や右腕が前に出やすくなり、両肩を結んだラインが目標方向よりも大きく左を向いてしまうことに。

必然的に、シャンクの出やすいアウトサイドインスイングとなってしまうのです。

さらに、グリップを握った手の位置をが左の太ももの内側の前にくるよう、調整してみてください。

グリップ位置が身体の前にあった場合は、ダウンスイングがアウトサイドから下りやすくなってしまい、それもシャンクの原因となります。

フックグリップとグリップの位置、この2つを意識してみてくださいね。

シャンクを撃退する練習方法

応急処置は、あくまでラウンド中にシャンクが出ないようにするための方法のため、シャンクを解決したとは言えません。

シャンクが出たラウンドのあとは、練習場でじっくりとシャンクを撃退するための練習に取り組みましょう。

効果的な練習方法を2つ紹介します。

ボールを2個置いて打つ

まず写真のようにボールを自分の体から縦に2つのボールを1個分の距離を取って並べます。この時、手前のボールを打つようにアドレスを合わせましょう。

あとは、奥のボールを打たないように気を付けながら、手前のボールを打っていくだけ。

もしクラブのネックにボールが当たってしまうと、奥のボールにもクラブのトウ部分が当たり、ボールが2つとも飛んでいってしまいます。

はじめは若干窮屈に感じるかもしれませんが、この練習をすることで、身体とグリップが離れることを防止できるため、シャンクの確立を少なくすることができますよ。

練習場の打席でこの練習をする場合は、ボールを2つ打ちしてしまった時にどこに飛び出ていくかわからないため、周りに十分注意して行いましょう。

クラブフェースのトウで打つ

シャンクは、クラブのネック部分にボールが当たることが原因で起こっていますので、反対に、トウ側で打つ練習を行いましょう。

方法は簡単、いままでのボール位置よりも1個分、離れてアドレスをするだけ。あとは、離れたことは意識せず、いつも通りのアドレスで振ってみてください。

フェース部分のどこにボールが当たっているかを確認するためには、専用のシールを購入し、それを貼ってスイングを行うことが一番わかりやすいです。

いつも通りに振って、フェースの芯部分でボールをとらえられるようになれば、自然とシャンクは出なくなりますよ。

まとめ

本番でいきなりシャンクに見舞われたら、次のショットを打つのに不安を感じてしまいますよね。

シャンクが起こった場合は、応急処置でその場を乗り切りつつ、練習場でしっかりとシャンク撲滅のための練習を行いましょう。

ショートアイアンやアプローチでシャンクが起こってしまうと、かなりの確率でスコアが1打以上多く叩いてしまうことになります。

シャンクは練習で撲滅できますので、諦めず、取り組んでいきましょう。