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GEW女子部

女性のゴルフのハードル TOP3

今回のケーススタディ

会社のゴルフコンペに出るためにスクールに入会したA美さん。
取引先を迎えるコンペだったこともあり、3ヶ月毎週まじめに通い、スクールのラウンドレッスンを通してコースデビューも果たし、大叩きはしたものの無事に会社のコンペを終えることができました。

A美さんのスクールは3ヶ月単位の継続で、A美さんは次の予定がなかったことから、今後は自分で練習をしていこうとスクールを退会しました。
しかし、次の予定がないので練習する意欲がわかず、徐々に面倒になり、クラブを握らないまま半年が経過してしまいました。

女性のゴルフのハードル

女性ゴルフ誌Reginaの創刊が2006年。
ゴルフと縁の遠かった若い女性たちがゴルフに興味をもち、アラサー女性ゴルファーが急増した「女性ゴルファーブーム」が起きてから10年が経とうとしています。

数年間ゆるやかに続いたそのブームは、ゴルフのイメージを「接待で豪遊するダサいおじさんたちの遊び」から「おしゃれでキラキラ感のあるアクティビティ」に変え、「やりたくない」から「やりたくてもできない」へとステージを変えることに寄与してくれました。

その後、つり・山・ヨガ・ランニング、最近では「狩り」「鍛える系」など様々なアクティビティのブームがありましたが、その後定番化しているのは、ランニングやヨガのように年代を問わず参加でき、かつ基本的に1人で思いついた時にできて、お金があまりかからないものだけです。

その中でゴルフは、1人でできない・思いついた時にできない・お金がかかるという継続しにくい条件を揃えながらも、女性のやってみたいアクティビティの上位に入り続けるありがたい状況が継続しています。

しかし、実は10年前からゴルフをはじめる・つづけるハードルは、さほど変化していないのが現状です。

ブームから10年の今、もう一度、女性たちが感じているゴルフのハードルに目を向けてみましょう。

不動の1位はお金

弊社が女性約1200名に調査した「ゴルフを始める・続けるハードル」ランキング2015年版の断トツ1位は「お金」でした。

ゴルフは安くなったと言われていますが、依然年収500万円以上の女性100人に絞ってみても2人に1人がお金をハードルにあげています。

上場企業の管理職として働く女性でも、『ゴルフは楽しいですが、収入のある男性と一緒の土俵に立つのは経済的に厳しい(30代)』といいます。

平均以上の収入がある女性でもこのような声があがる背景を考えてみましょう。

1つは、女性の消費行動が男性と比べて分散型であるという点があります。

化粧品やファッション・ネイル・エステなど、女性が女性らしくあるための月々の固定費が男性よりかかり、男性と同等のお給料をもらっていてもゴルフに使えるお金は限られてしまうのです。

2つ目として、女性のお財布事情をさらに苦しめるのがウェアへの投資です。
女性は365日「今日は何を着ようか」悩む生き物です。
女性にとってオシャレは大切な自己表現なので、気にしなくてもいいと言われても気にせずにいられません。

ウェアにお金がかかって困るというハードルは、ゴルフ友達が少ない人・ラウンド機会が少ない人ほど感じやすく、
「同じ人と回る時に前回と同じウェアを着るわけにいかない
」あるいは、「前回と季節が変わってしまい、またウェアを新調しなくてはいけない」
という心理を助長します。

最近では、ソーシャルメディアに写真を載せているから同じウェアでは恥ずかしい、といった意見もあります。

結果的に、ラウンド数が少ないほど、1ラウンドあたりの投資が高くなるので、ゴルフ=お金がかかるイメージにつながります。

また、会社の経費を使える立場にある方も少ない傾向があります。

誘ってくれる仲間

お金に次いで大きいのが「仲間」の有無です。

そもそも女性は男性と比べて、ゴルフに限らず誘われ型が多い傾向があります。

誘われ型であるが故に、会社など一つのコミュニティに依存する形になりがちで、そのコミュニティから出てしまうと機会が激減してしまうのです。

例えば、ゴルフに行く相手に「彼・旦那」をあげる女性が多いのですが『彼氏関係しか仲間がいません。今の彼と別れたら、ゴルフとも別れることになりそうです(30代)』といった心配もまさに現実としておきています。

また、本当は誘いたいけれど、ゴルフの特性上、「下手で迷惑をかけるから」「車をもっていないから」自分から誘えないと考える女性が多い背景もあります。

腕前

3つ目に大きな問題が「腕前」です。

平均スコア109以下の女性ですら4人に1人が「腕前」をゴルフを続けるハードルとして挙げています。

実際に、女性の大多数は男性のペースについて行くのが大変と考えています。

あきらめてゴルフをやめるビギナーも多いですし、それを乗り換えた方でも『急に誘われても練習をしていないと断ります(40代)』といった具合です。

この腕前問題はお金や仲間の問題と比べると解決が容易で、下手なゴルファーでも楽しくラウンドできる環境にできれば、ラウンドの機会はもっと増えそうです。

業界として、解決しやすい問題から対応する視点も大切と言えます。

【今月のまなび】
ゴルフを続ける障壁は「お金」だけじゃない