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脱おやじスポーツ宣言【業界女子インタビュー】

4月に立ち上がったゴルフグローブブランド「Gems -ape(ジェムスアーペ)」は、女性向けにデコレーションされたもの。

甲部分にビジュー(宝石をイメージした装飾パーツ)が取り付けられており、キラキラしたデザインが特徴だ。

今回は社長であり、企画者の吉川寛子さんにインタビュー。社員数わずか1名でひとり株式会社のニッチ企業は、ゴルフ市場活性化にも意欲的です!

手先までのオシャレを提案!

―最近出産されたという噂を聞いたのですが・・・。

「あっ、そうなんです。実は9月に3人目を出産しまして」

―全然、気づきませんでした(驚)

「直前まで仕事していたし、皆さんそういう反応をされますね(笑)」

―子育てしながらのお仕事は大変じゃないですか?

「隣の部屋で泣いていますが、気にしないでください(笑)。
短時間の外出であれば上の子(8歳)が見てくれるし、遠出をする場合はシッターさんを頼んでいます。
ただ、自分でスケジュールをコントロールできるので、雇われているよりは融通がきくと思いますよ」

―なるほど。では、なぜこのタイミングでゴルフグローブを?

「出産に合わせたわけじゃないんですが・・・。
ゴルフを始めてから、ウエアは色々あるのに、グローブって単色ばかりでつまらないなと思っていたんです。
だから自分でグローブをデコレーションして、付けていました。
一方で、周りにゴルフをする女の子があまりいなかったので、可愛いグローブがゴルフをするきっかけになれば嬉しいなと思って」

「グローブで女性ゴルファーを増やしたい」

―それでこのキラキラグローブが誕生したわけですね。

「はい。アパレルは好みが分かれますが、女性はキラキラしたものが好きでしょ? グローブまで含めたトータルコーディネイトを楽しんで欲しいと思って」

―このグローブをつけていたら、かなり注目されそうです。

「実際、わたしも使っていますが、一緒に回る人以外にも、レストランなどで声をかけられますよ。ゴルファーも常に新しいものを求めていますから、興味があるんじゃないかしら。今はこのグローブが珍しい状況ですが、当たり前にしていきたいですよね。そうすれば、色やデザインももっと増やせる」

―ズバリ販売目標は?

「価格は1枚4000円で、月500枚が目標です。ファッション的な観点で見て欲しいし、若くて可愛い子がつけてるイメージがつけば、若い子たちもゴルフに興味を持つと思うんです!」

工場選びに奮闘

―グローブをここまでデコると、強度など心配されますが、ご苦労も多かったのでは?

「一番苦労したのは工場選びです。最初は3つぐらいの工場から選べばいいかと、軽い感じで思っていたんですけど・・・。」

―実際は違った?

「あがってきたサンプルが、も〜全然ダメで。
ピンクってオーダーしたのに紫が出てきたり、サイズにしてもレディスのSでお願いしているのにメンズのSが送られてきたり。
自分の手のサイズを図ってサイズを伝えたりもしましたね。
あとは、指先を1㎝伸ばすお願いをしたら、実際は3㎝伸びてあがってきたり。

海外の工場のアバウトさにはびっくりですよ。日本の緻密さってすごいなって改めて思いました」

―世界中を回ったんですか?

「遠方ではパキスタンもありましたが、ここはさすがに回れません(泣)。
でも、時差があるのにスカイプでやり取りしたりして、24時間体制で探していましたね。
結局、何十箇所もの工場にあたって、1年くらいかけてようやく決まりました」

―ちなみにグローブの制作とデコレーションは同じ工場ですか?

「いえ、グローブは中国と香港の工場で作っていますが、ビジューを付けるのは日本の職人さん。
中には、以前ランジェリーのレースを縫い付けていた人もいます。
グローブはフィットする素材(合皮の一種)を厳選し、ビジューは軽めのものを選んで、伸縮性のある糸で縫い付けています。
ですから、定番の形以外にも、季節に合わせた1点ものや男性用、子供用にカスタマイズできるのが特徴です」

―4月の販売開始から、約半年が経ちますが、流通はどのように?

「まだまだ営業をしているところですが、都内を中心に、女性が多く集まるゴルフスクールなど5店舗で展開しています。

今後は関西にも広げたいですし、韓国や中国などの海外にも発信したいですね」

―夢は広がりますね。

「実際はまだまだで、展示会やインターネットでの販売も行っています。
今は30代の女性がメインですが、購入者の中には60代の方もいらっしゃいます。
実は男性が、女性へのプレゼント用にというケースも多いんです。
練習場へ行くにも、グローブは必要ですから、このグローブがゴルフに誘うきっかけになったら嬉しいな」

―活性化の一助を担う?

「そう、ゴルフって始めるには、とりあえず20万円つぎこまなくちゃみたいな、敷居が高いイメージがまだあるので、そのイメージを崩していきたいです。
それにゴルフ場に女性がいるだけで華やかになるでしょ?
だから女性の力でもっとゴルフを盛り上げていきたい」

―そのためには何が必要でしょうか。

「ゴルフって早起きしたり歩いたり、すごく健康的なスポーツなので、美容とかダイエットにつながることをもっとアピールすべき!

一部ではゴルフヨガなどを実施しているところもありますが、〝痩せる〞とか言い切っちゃって、もっと女性が飛びつく切り口を考えないと」

【今回のインタビュー】

株式会社Tenerezza-company 代表取締役 吉川寛子さん

東京都出身。音楽大学卒業後、プリンスホテルに入社。その際にゴルフと出会う。
退社後はピアノの演奏活動のほか、ピアノ教室やフラワーアレンジメント教室を主催。
今年2月に同社を都内港区に設立し、4月にはゴルフグローブブランド「Gems – ape」の販売をスタートさせる。
3児の母。現在も月に数回のピアノコンサートを開催している。