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初心者

Gridge編集部

初心者必読!最低限覚えておきたい基本のゴルフルール

どのスポーツにもルールが存在し、それによりゲームが成り立ちます。

ゴルフも同じで、たとえショットが上手く打てたとしても、ルールに則っていなければ、ペナルティが加算され、スコアがまとまらないこともあるのです。

ここでは、最低限覚えておきたい基本のゴルフルールをご紹介。

ゴルフルールは、世界共通で定められています。

初心者だからこそ、基本のゴルフルールを学び、プレーの中で身に付けていくことで、今後誰とプレーをする機会があったとしても、楽しくゴルフができるようになることでしょう。

世界共通のゴルフルールブック

ゴルフのルールは、「R&A(全英ゴルフ協会)」と「USGA(全米ゴルフ協会)」によって、正式に定められています。

本屋さんに行くとたくさんのゴルフ関係の本が並んでいますが、できれば早めに読んでほしいのが、世界共通で出版されている『ゴルフ規則』という本です。

その名前の通り、ゴルフにおける大事なことのすべてがここに書かれています。しっかりとしたルールブックにもなっていて持ち運びしやすいサイズのため、プレー中に読み直したり調べたりすることもできるでしょう。

ゴルフを始める前にまずは一読しておくことをオススメします。ぜひ購入して手元に置いておきましょう。

最近はアプリでも確認可能

(画像はApp Storeより)

冊子が当たり前のゴルフ規則でしたが、スマートフォンの普及に伴い、なんとアプリでも閲覧可能になっています。

文字を読んでいてもいまいち状況が理解できないという人向けに、わかりやすい図表や、動画での解説も含まれていますので、初心者の方には特に適しているかもしれません。

最近はゴルフを始める若者が増えているという時代背景もありますので、手軽にルールを確認できるのはとても良いですね。

さらに、ゴルフルールを覚えているかの確認に、「ゴルフルール検定」というアプリの活用も有効。

実際にプレーをして体験するのがルールを覚える近道ですが、スキマ時間を使って、こういったアプリで自分の知識を試してみるのも良いでしょう。

プレー前はローカルルールのチェックも忘れずに

ゴルフルールは世界共通とお伝えしましたが、各ゴルフ場や試合、コンペなどによって独自に制定されているルールがあり、それをローカルルールと呼びます。

プレーの進行を円滑に行うためや、芝の管理を適切にするためなど、様々な理由からローカルルールは作られています。

訪れたゴルフ場や参加したコンペにローカルルールが設定されている場合、公式ルールよりも優先して守る必要があります。

具体例としては、以下の通りです。

|プレーイング4

ティーショットがOBだった場合、通常は同じ場所から3打目として打ち直しますが、プレーイング4から打つべきとローカルルールで定められている場合は、打ち直しをせず前進し、決められた場所(特設ティー)から4打目として打つ、というルールです。

この時、ボールはティーアップが可能です。

パー4のホールではグリーンを直接狙える距離に特設ティーがあることも多く、上手くプレーするとOBを打ったけどボギーで収まる、というチャンスもあります。

|6インチプレース

クラブ競技などでは使えず、逆に親睦コンペなどで積極的に使われているローカルルールがこの6インチプレースです。

6インチプレースは、グリーン以外の場所では、ボールが止まった場所から、6インチ(約15センチ)動かしても良いというローカルルールです。

スムーズな進行が求められている時に設定される6インチプレースですが、ゴルフの基本はノータッチ。なるべく多用しないようにしましょう。

ちなみに「リプレース」という言葉もありますが、これは元の場所に置き直すことを指しますので「6インチリプレース」という言い方は間違いになります。

|メイングリーンとサブグリーン

海外には、2グリーンのゴルフ場はほとんどありません。

日本は季節が4つに分かれていますので、季節に合わせて、使用する芝を変えることで、それぞれの芝を保護するという取り組みをしています。

具体的には暑さに強い高麗芝のグリーンを夏場に使用し、寒さに強いベント芝を冬場に使用するといった具合です。

ただし、最近では暑さに強いベント芝も開発されているため、ベント芝の2グリーンというコースも増えてきています。

2つのグリーンのうちその日に使用するグリーンを「メイングリーン」、もう一方のグリーンを「サブグリーン」と呼びます。

サブグリーンに乗ってしまった場合は、そこから打つことできません。サブグリーン外のホールに近づかないニアレストポイントからドロップを行い、プレーを続行します。

ゴルフの基本ルール

それでは、基本的なゴルフのルールを見ていきましょう。

まずは、なんとなくの理解程度で構いません。頭に知識を入れておき、実際の現場で、「これはこの間読んだあの場面だ」と気付くことで知識が身に付いていきます。

ゴルフクラブに関するルール

一度のラウンドに使えるゴルフクラブは、ドライバーからパターまで、14本が上限と定められています。

これは、以前55本ものゴルフクラブを持参し、クラブ選びに相当の時間をかけてしまった選手がいたため設定されたもの。

仮に15本以上キャディバッグに入れてラウンドしてしまった場合、ルール違反となりペナルティを受けますので、気を付けましょう。

持っていくクラブの内訳は自由で、ドライバーがないといけない、パターがないといけないなどは決められていません。

ただし公式競技などで使用するクラブはルール適合のクラブでなければこちらも違反となりますので、購入の際、あらかじめ確認しましょう。また、コースによってはグリーン上はパター以外でストロークすることを禁じているところもあります。

あわせて、他人のクラブを借りて使用してしまうことに対してもペナルティが発生しますので、自分の持っているクラブが本当に自分のものかを確認してから使用しましょう。

このルールは、キャディ付きでラウンドしていて、誤って他の人のクラブを手渡され、そのまま使用してしまった場合にも適用されます。

ボールに関するルール

一定に見えるゴルフボールですが、実はボールの重さは45.93グラム以下、大きさは直径42.67ミリ以上とゴルフルールで規定されており、これを満たすボールを「適合球」または「公認球」と呼びます。

市場では、ルール適合外で飛ぶボールを販売するメーカーもあります。

そういったボールには「非公認球」などと記されている場合が多く、購入前にわかるようになっています。プライベートなラウンドで使用する分には問題ありませんが、公式な試合では使用できません。

また、基本的にはティーイングエリアで使用したボールでそのホールをホールアウトしなければならないと規則で定められていますが、紛失、または大きな傷が付いてしまった場合は、ボールの交換が認められています。

特別な理由がないのにボールを交換した場合は、2打罰のペナルティが課されますので注意しましょう。

ルール違反をした時はペナルティを課される

先ほどから「ペナルティ」という言葉を出していますが、ペナルティとは、ルール違反、もしくは救済を受ける時に、その行為によって1打~2打罰が課される、もしくは競技失格となるものです。

ペナルティは実際打った数にペナルティ(罰打)を足す方法で簡単に計算できますが、初めのうちは混乱する人も。

いろいろな場面で1打罰、2打罰と決められていますが、ペナルティを受けた際に都度打数を足していったほうが混乱なく数えられるでしょう。

例えば、ティーショットをOBとしてしまった場合、ティーショット(1打)+ペナルティ(1打)で2打費やしたこととなり、打ち直しは3打目となります。

また、2打目で池などのペナルティエリアに打ち込んでしまった場合は、2打目+ペナルティ(1打)で3打費やしているので、その次は4打目となります。

OB

OBとは「アウトオブバウンズ」の略で、定められている区域外にボールが入ってしまうことです。たとえボールが見えていたとしても、その場所からのプレー続行は認められません。

直前に打った場所でドロップしてもう一度打つか、指定の場所に前進し、打ち直しが必要となります。

また2019年に制定されたローカルルールでは、OBラインを越えたと思われる場所からカップに近づかずに最も近いフェアウェイに2打罰でドロップしてプレーを続行できるようになりました。

コースの境界線の外側は白い杭で一定の間隔で標示されており、ボールの前後にある白い杭の内側を結んだ仮想のラインより外に出ていればOB、内側であればセーフです。

打ったボールがOBかどうか判断が難しい場合は、暫定球を打ちます。その際、自分の使用ボールの1球目と2球目の見分け方をあらかじめ宣言します。

例えば、ボールナンバー1のボールがOBかもしれない場合は、暫定球には別の番号のボールを使用し「1球目は1番、2球目は2番です」などと打つ前に宣言するといいでしょう。

仮に1打目がOBでなかった場合は、暫定球を拾い上げ、元のボールでプレーを続行することができますので、1球目がOBかどうか不安な場合は暫定球を打つようにしましょう。

ボール探しに手間取った時も暫定球を打っておけばプレーファストにつながります。

池(ペナルティエリア)

OBと同じく、ラウンド中頻発するのが、池や小川(クリーク)に入ってしまった場合のペナルティです。

ペナルティエリアは、池に限らず、崖やブッシュなどの区域に設定されていることも多いですが、やはり一番多い場所は、水場。

ショットしたボールが池に吸い込まれてしまうと、精神的にもショックですよね。

ボールがペナルティエリアに入ってしまった場合の対処法は、以下の5つです。

1.あるがままに打つ

2019年のルール改正で、ペナルティエリア内で地面にソールすることはペナルティの対象とならなくなりました。打てる状態であれば、通常と同じくショットが認められます。この場合は、ペナルティも付きません。

2.1打罰を払い、ペナルティエリア外にボールをドロップしてショットする

2-1.元の位置から1クラブレングス以内にドロップ

2-2.ペナルティエリアを横切った場所を基点とし、ホールと基点を結ぶ延長線上にドロップ

2-3.ペナルティエリアを横切った場所を基点とし、そこから2クラブレングス以内の、ホールに近づかない場所にドロップ(レッドペナルティエリアの場合のみ適用)

あるがままに打てる状態であれば良いですが、水場や崖など、危険な場所がペナルティエリアとして設定されている場合もあります。

そのまま打てる場合は打ってしまってかまいませんが、無理してさらに状況が悪化することのないよう、気を付けてプレーしましょう。

誤球

自分のものではない、同伴者のボールを打ってしまうことを誤球と言います。

仮に誤球をしてしまった場合、2打罰を受け、さらに自分の正しいボールでプレーを再開し直さなければいけません。

仮にティーショットからの2打目を誤球してしまい、打ち直しがグリーンオンして2パットでホールアウトした場合を考えましょう。

誤球でのストロークはカウントに入れませんので、ティーショット+正しい自分のボールの2打目+2パット+2打罰となり、このホールは6打という計算になります。

障害物からの救済

プレーに障害をおよぼす人工物のことを、障害物と呼びます。

障害物の上や中にボールがある場合や、スタンスがかかってしまう場合は、罰なしで救済を受けることが可能です。

バンカーレーキや吹き流しなど、動かせる障害物の場合は、邪魔にならない場所に障害物を移動させることができます。

カート道や排水溝など、動かせない障害物の場合は、ニアレストポイントを決め、そこからホールに近づかないよう、1クラブレングス内にボールをドロップし、プレーを再開させましょう。

ちなみに、OB杭は障害物と思われがちですが、これは固定物とみなされ、動かしてしまうと2打罰を払わなければなりません。青杭や赤杭などほかの杭とは扱いが違いますので、気を付けてください。

ボールが動いてしまった時

静止していたはずのゴルフボールが、なにかの拍子に動いてしまうこともあり得ます。

自分(キャディまたはチーム戦の場合は同チームのゴルファー)が原因でボールを動かしてしまった場合、以前は1打罰を加え、元の位置のボールを戻してプレーを再開といったルールでしたが、現在では故意でなければ、無罰で元の場所からプレーをするというものに変更されています。

自分以外の競技者や動物、鳥、風により飛んできた物などによりボールが動くことを外的要因と言いますが、これが原因となる場合は、無罰でボールを元の位置に戻してプレーをしましょう。

風など、自然なものでボールが動いてしまった場合は、罰を受けないという点は同じですが、ボールが動いて止まった場所からプレーをします。

ボールが動いても罰を受けることは少ないですが、元の場所に戻すかボールが止まった場所から打つかを把握していなければ、誤所からのプレーでペナルティが加わりますので気を付けましょう。

マナーについて

ルールブックだからルールばかり書いてあると思うかも知れません。でもその中身はルールのことだけではありません。

ゴルフは紳士のスポーツと言いますが、そんな紳士にふさわしいエチケットやマナーについて、2019年以前のルールブックでは第1章に書かれていました。プレーすることよりも先にエチケットについて書かれているということが、いかにゴルフにとってマナーが大事なことかがわかることでしょう。

2019年のルール改正で第1章からエチケットやマナーに関する記述はなくなってしまいましたが、マナーやエチケットの重要性がなくなったわけではありません。

マナー違反をしたからとペナルティを取られることはありませんが、ゴルフにおいてマナー違反は禁物です。

ゴルフ場を訪れる際やプレー時の服装、時間を守ることや、打つ人の邪魔になる動きをしない、プレーファストを心がけるなど、当たり前の項目ばかりですが、きちんと守ってプレーをするようにしましょう。

シチュエーション別ルール

最後に、実際に起こり得るシチュエーション別に、それぞれのルールについてまとめました。

ティーイングエリア

|素振りでボールが落ちた

ペナルティなし。ボールがクラブに当たって落ちてしまったとしても、打つ意思がなかったとみなされ、無罰で再度ティーアップをしてプレーが可能です。

ちなみに、打つつもりでチョロをしてしまった場合は、ティーイングエリア内にボールがあれば無罰で再度ティーアップをして、2打目として打つことができます。

|打つ順番を間違えた

ペナルティなし。打つ順番は、一番最初のホールではクジやじゃんけんで順番を決め、それ以降は前のホールでスコアが良かった人から打っていきます。

ただしこれはルールで定められているものではなく、マナーの部分になりますので、ペナルティにはなりません。

|ティーマーカーから離れた場所でティーショットを打った

ティーショットを打つ場所は、横は設置されているティーマーカーの外側を結んだ線の内側、縦は左右のティーマーカーから2クラブレングス後方に下がり、それらを結んだ四角形の部分と定められています。

ここから離れた場所でティーショットを打った場合は、誤所からのプレーとなり、2打罰が加算となります。

バンカー

|打つ前にクラブが砂についてしまった

バンカー内でソールをすることは禁じられています。

たとえ素振りをして故意ではなく砂にヘッドがついてしまった場合でも、バンカーの状態をテストしたとみなされ、2打罰が加えられます。

|バンカー内のレーキを動かしたらボールも動いてしまった

レーキは動かせる障害物ですので、ボールが動いてしまっても、元の位置に戻すことで無罰でプレーが再開できます。

|どうしてもバンカーから脱出できないと思ったら……

あごの高いバンカーや、砂の中にボールが埋まって目玉状態になってしまったバンカーは、脱出がとても難しいです。

3打、4打と打数を重ねてしまうことも。

ルール上、2打罰を払うことで、バンカーの外、カップとボールを結んだ延長線上から1クラブレングス以内にドロップをすることも認められていますので、このルールを活用するのも良いでしょう。

あごの下や目玉などで打てそうもない場合は、バンカー内でアンプレヤブルの処置もできます。こちらは1打罰です。

グリーン

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|マークをしないでボールを拾った

プレー中のボールを拾う時は、必ずマークをしてからと決められています。マークをせずにボールを拾いあげた場合は、1打罰となります。

|風でボールが動いた

自然を原因としてボールが動いた場合は、ペナルティにはなりません。元の位置にリプレースします。

まとめ

ラウンドにまだ慣れていない初心者の方でも、最低限覚えておきたいゴルフルールをご紹介しました。

いろいろなシチュエーションでいろいろなことが起こりますので、文字を読んですべてを理解、実践することは難しいです。

先に頭に入れておくことで、実際にその場面が起こった時に初めて照らし合わせることができます。

いまはなんとなく理解し、覚えておくことが早くルールを覚えることにつながります。